『肛虐三姉妹 美姉妹嬲辱篇』
【第六章 妹たちへの性教育】
【1】
身体の奥底がカアッと灼け、ズキン、ズキンと名状しがたい感覚が、強烈なうずきとなって腰をしびれさせる。
「あ、あッ、たまらないッ……」
生まれて初めて味わわされる媚薬クリームの異様な感覚に、永峰由紀は気が狂いだしそうだった。いても立ってもいられない痒みに身がさいなまれる。天井から吊られた官能美あふれる左足を、海藻のようにうねらせ、腰をよじらせて身悶える。
もうすぐ妹の麗香が連れてこられる……こんな恥ずかしく浅ましい姿を見せるわけにはいかない……。
いくらそう思っても、由紀の身体はどんな刺激でも欲しいとばかりにうねり、泣き声がもれた。いくらこらえようとしてもだめなのだ。
「フフフ、由紀さん、もう少しの辛抱だからね。妹さんが来たら、すぐに太いのをごちそうしてやるよ」
由紀の内腿を撫でさすりながら、竜二はだらしなく顔を崩した。
妹の眼の前で由紀を犯す。そのことが竜二の欲情をメラメラと昂らせていた。それでなければ、竜二は由紀を菊蕾以外で犯す気にはならなかっただろう。
「そんなに腰をふるなんて、まだ早いよ、由紀さん。妹さんが来てから、いやでもふらなくちゃならないんだから」
「いや、いやあッ……麗香を連れてこないで。妹の前でなんていや、いやですッ」
由紀はかぶりをふり、泣き声を放った。
もう浣腸実験でさんざん弄ばれた由紀である。だが、家畜のように縛られ、左足を高々と吊られて、四人のけだものに輪姦される姿を、妹に見られるなど由紀には信じられないことだ。悪夢を見ているとしか言いようがなかった。
「か、かんにんして……ああ、あ……」
「ヒヒヒ、ここをこんなに濡らして、とろけさせおって。早く犯されたくてたまらんといった様子じゃぞ。今に、もっとたまらなくなるわい」
梅島が、生々しく肉襞まで剥きだして、媚肉を指先でまさぐりながら、うわずった声で言うと、
「なにしろアメリカ女をヒイヒイ狂わせた特別製の催淫クリームだ……いつまで妹のことを気にしていられるか、フフフ。梅島所長、この永峰由紀がどんな牝ぶりを見せてくれるか、楽しみですよ」
赤沢も由紀の豊満な乳房をいじくりまわしながら、うれしそうに笑った。
「ああ、ああ……い、いや……」
あられもなく泣く由紀は、自分の意思と関係なく腰のうねりがしだいに生々しく、大きくなっていくのをどうしようもなかった。
「由紀さん、どうやら李さんがもどってきたようだよ」
竜二の言葉に、由紀はひッと息をつめた。
李が妹の麗香を連れて近づいてくるのに気づいて、由紀の頬がひきつれ、総身が硬直した。妹の麗香がここへ……。あまりの恐ろしさ、恥ずかしさ、そして哀しさに唇がワナワナと震えるばかりですぐには声も出なかった。
「ヘヘヘ、遅くなりやして」
李はペコリと頭をさげると、麗香を味見部屋へ連れこんだ。
麗香は何をされるのかという恐怖に、可憐さの残る美しい顔を蒼白にし、ブルブルと震えていた。まだ衣服を剥がれてはいないのに、もう全裸に剥かれているように、逃げる気力もない様子だった。李のするがままに、黒髪をつかまれて、顔をあげさせられる。
そのとたん、麗香の顔が恐ろしいものでも見たように、驚愕に凍りついた。
「由紀、由紀姉さんッ」
悲鳴をあげた麗香は姉の名を呼んでいた。
夢中で駆け寄ろうとしても、足が動かなかった。布団の上に一糸まとわぬ全裸の姉が、荒縄で縛られて、左足を高々と吊りあげられた姿勢で横たえられている。そして、裸になった三人の男が姉の女体にまとわりついているのだ。
麗香は驚愕のあまり、その場に立ちつくしたまま、膝をガクガク震わせるばかりだった。悲鳴に似た声を張りあげたのは、由紀もまた同じだった。
「麗香ッ、だめ。お姉さんを見てはだめ……ああ、麗香、いけませんッ」
つんざくように叫ぶと同時に、由紀はサッと顔を横に伏せ、吊りあげられた左足を震わせて号泣するのだった。
「お、お姉さん……」
麗香もうろたえて、あわてて眼をそむけた。
無残に開かれた姉の太腿の間の男たちの顔……。男たちが姉のどこをのぞきこんでいるのか、考えるだけでも麗香は気が遠くなりかかった。まして男たちは裸で、いやらしく指を由紀の肌に這わせている。
若い麗香には、まともに正視できる光景ではなかった。
「麗香、見てはだめッ……こっちを見てはいけません」
由紀は泣きながら言いつづけた。
「何を言ってるんだ、由紀さん。これから犯されるところを、妹にじっくり見てもらうんでしょうが、フフフ」
「その通りじゃ。女が男にどんなふうに犯されるか、妹に教えてやるんじゃよ。ヒイヒイ歓んでのう」
竜二と梅島は由紀を見て、せせら笑った。
李のほうは麗香を後ろから抱きすくめて、
「ヘヘヘ、眼を開けて、しっかりと姉さんを見てやれよ。お嬢ちゃんもいずれ男に犯されるんだ。その犯され方を、姉さんが股をおっぴろげて教えてくれるというんじゃねえか」
と意地悪く語りかける。
姉の由紀の妖しいまでの美しさに圧倒され、まだ若い麗香の存在はかすんだ形になってはいるが、麗香もまた素晴らしい美女である。街を歩けば、男たちをふりかえらせずにはおかない。
「さあ、姉さんが犯されるところがよく見えるように、ここに来るんだ」
李は麗香を由紀の足のほうへ引きずると、天井から縄をおろして、麗香の両手を縛った。麗香の両手を天井に向け、身体が一直線になるように爪先立ちに吊る。
「ああ、由紀姉さんッ」
麗香はおびえ、声をひきつらせた。しゃくりあげるように嗚咽しはじめた。
「れ、麗香ッ……」
由紀は顔をあげて妹の名を呼んだが、どうすることもできない。
梅島がニンマリと笑った。
「どれ、由紀を輪姦にかけるお膳立ても整ったことじゃし、ぼちぼちはじめるかのう」
「フフフ、叔父さんが最初でいいよ。次に赤沢部長、李さん。俺は最後だ」
竜二はいやらしく舌舐めずりした。
誰もが我れ先にと由紀を抱きたがるのに、由紀をさんざん犯させてクタクタにさせてから抱きたいというのだから、竜二も変わっている。
「ヒヒヒ、永峰由紀、わしから楽しませてもらうぞ。可愛い妹が見ておる。せいぜい腰を使って、性教育してやるんじゃ。わかったのう」
梅島はそう言うなり、由紀の両脚の間に身体を割り入れようとした。
はじかれたように、由紀の唇に悲鳴がほとばしった。
「いや、いやあッ」
由紀は狂ったように総身をふりたくってあばれはじめた。後ろ手に縛られ、片足を吊られていても死にもの狂いの抵抗である。縄がギシギシときしんだ。
「いやあ……けだものッ、悪魔ッ」
声を限りに、由紀はののしり、叫び、悲鳴をあげた。
梅島には由紀の抵抗が心地よかった。女がいやがってあばれるほどに、犯す興奮も大きくなる。梅島にしてみれば、縛った女を犯すなど、赤児の手をひねるも同然だった。なのに梅島は、すぐには犯そうとせず、じっくりと由紀の抵抗を楽しんだ。汗にまみれた由紀の総身が手のなかでうねり、はね、肌と肌とがぶつかる感触がなんともいえなかった。
「ヒヒヒ、妹の前ではよほどいやと見えて、ようあばれるのう。そんなにいやなのか、永峰由紀」
「いや、いやですッ、妹の前でなんて、絶対にいやッ」
「イキのいい牝じゃわい、ヒヒヒ」
梅島がうれしそうに笑った。竜二に赤沢、李の三人も、梅島ともつれ合う由紀を見て、ニヤニヤと笑っている。
「由紀さん、おとなしく叔父さんに入れてもらいなよ。本当は欲しくてしようがないくせにさ、フフフ」
「そうそう、いやがってばかりじゃ、妹への性教育にはならないよ」
と、おもしろがってからかう。
だが、由紀は切れぎれの悲鳴をあげて、激しくのたうちまわるばかりだ。
梅島はたくましい怒張を、ゆるゆると由紀の内腿にこすりつけながら、まだ犯そうとしない。
「ヒヒヒ、こういやがられては、無理にでも犯してと言わせてみたくなるのう、ヒヒヒ。ただぶちこんでしまうんじゃ、おしいような女じゃわい。じっくり楽しまんとのう」
梅島は赤沢に眼くばせした。へいと頭をさげた赤沢は、舌舐めずりすると、ゆっくり麗香に近づいた。
麗香がおびえ、ビクッと身体をこわばらせた。
「ヘヘヘ、お嬢ちゃん、オベベを脱ごうね」
赤沢は犬のように麗香にすり寄ると、意地悪く顔をのぞきこんだ。
「わかるね。生まれたままの裸、素っ裸になるんだよ」
「い、いやッ……」
麗香の顔がいっそう蒼ざめ、ひきつった。いやと抗う声も恐怖にかすれ、瞳が凍りついている。
赤沢はニタッと笑った。
「まず、おっぱいから見せてもらうかな」
「ああ、やめて、やめてください……そ、そんなこといや」
「いやでも姉さんのようにスッポンポンの丸裸にしてやるからねえ、ヘヘヘ」
赤沢は麗香のブラウスの胸のふくらみをニヤニヤとながめながら、その先を指でチョンとつついた。
「ああッ、いや」
麗香はビクンとのけぞり、白のミニスカートをゆすってあばれはじめた。
「あばれてもだめさ、ほれ、ほれ」
赤沢は手術用のメスを手にすると、ブラウスのボタンをひとつひとつ、はじきとばした。
「ああ、助けてッ」
麗香は夢中で救いを求めた。これまで一度たりと、男の眼に裸身をさらしたことのない麗香なのだ。
「お、お姉さん、助けてッ」
麗香は姉の由紀に泣き顔を向け、悲痛な声で叫んだ。
「やめて、やめてくださいッ……妹には手を出さないでッ」
突然妹の麗香に手を出しはじめた赤沢に、由紀は自分の置かれている立場も忘れ、やめさせようと身を揉んだ。
「やめて、お願いッ、麗香はだめ、だめよ」
「ヒヒヒ、これも由紀がわしに抱かれて、妹に性教育してやらんからじゃ。そうなりゃ、妹に直接身体で教える他なかろうが」
「そ、そんな……麗香は許してやって、お願いッ」
だが、赤沢はブラウスを切り裂いて剥ぎ取ると、麗香の純白のブラジャーのひもにメスをあてがい、プツンと切った。白桃を思わせる乳房がブルンとこぼれでた。
「ああッ、お姉さんッ」
麗香は小さな唇を花のように震わせ、羞恥の悲鳴をあげた。
「ほう、いいおっぱいしてるねえ、お嬢ちゃん。ピチピチしてるじゃないか」
眼を細めて麗香の乳房をながめながら、赤沢はさらに白のミニスカートに手をかけた。ジッパーを引きさげる。
「ああッ」
麗香の身悶えにスカートがゆれ、そのままスルリと足もとにすべり落ちた。小さなリボンのついた純白のパンティが露わになり、麗香はパンティ一枚の裸に剥きあげられた。
男たちの眼がギラリと光って、麗香の裸身に注がれた。しっとりと吸いつくように熟れきった由紀の肉体とは対照的に、ピチピチと健康美あふれる青い果実を思わせる麗香の肢体だった。
「この身体つき、まぎれもない生娘じゃわい、ヒヒヒ」
梅島はだらしなく口もとを崩すと、麗香に近づいて乳房に手をのばした。
「い、いやあ……、触らないで」
麗香が弓なりにのけぞって、悲鳴を噴きあげた。
梅島が指先で生娘の乳房を味わうように揉みこむと、麗香は激しく頭をふりたくる。薄いピンクの乳首が、夢見がちにツンと突きだして可愛らしい。それを梅島はそっとつまんで、ゆっくりと揉んだ。
「あ、あ……お姉さん、助けて……あ、ああ、しちゃいや、いや」
男に乳房をいじくりまわされるあまりの恥ずかしさに、麗香はほとんど気が遠くなった。
「プリプリと固い、ヒヒヒ、こたえられん手触りじゃわい」
「いや、いやッ」
麗香は右に左にと顔をふって、泣きだした。
その前で、由紀が悲痛な声で叫びつづけている。
「やめて、麗香を許してやってッ……お願い、妹に手を出さないでッ」
「フフフ、由紀さん、処女に眼のない叔父さんのことだ。早いとこ、妹の性教育のために自分から輪姦にかけられると言わないと、手遅れになるよ」
竜二がネチネチと由紀に語りかけた。
「さあ、自分から叔父さんを求めるんだ、由紀さん。妹の処女がどうなってもいいのかい」
「そ、それは……」
「叔父さんはやめないぜ、フフフ。おっぱいどころか今にパンティだって」
竜二がそう言うのをニヤニヤして聞いていた梅島は、手をスーッと乳房から腰へとすべりおろして、パンティのゴムにかけた。
「ヒヒヒ、パンティを脱がしてやろう」
「ひッ、いやあ……やめて」
「恨むなら、素直でない姉の由紀を恨むことじゃぞ」
パチンとゴムをはじいてから、ゆっくりとずりさげにかかった。
「や、やめてえッ。由紀が、由紀が犯されますから、麗香を許して、許してやってッ」
由紀は、我れを忘れて叫んでいた。このままでは妹の麗香まで、けだものたちの毒牙にかかり、くい荒されてしまう。自分はもう、李に犯されてさんざん弄ばれた身だ。それに、さっきからズキン、ズキンと身体を蝕む媚薬クリームに、どこまで抗しきれるかわからない。せめて、妹だけでも守らねば……。由紀は後ろ手に縛られた裸身をねじるようにして泣き叫んだ。
「お願いです、由紀を、犯したければ由紀を。妹だけは助けてやってッ」
「ほう、由紀をねえ、ヒヒヒ」
梅島がパンティをずりさげる手をとめた。麗香のパンティはもう、太腿の付け根までずりさげられ、はかなげな飾り毛がわずかにのぞいていた。
「由紀さん、とうとう輪姦にかけられたくなったと言うんだね。犯される姿を妹に見せて、性教育をしてやりたいと、フフフ」
「そ、そうです……由紀は、由紀はどうなってもいいですから、妹の麗香には何もしないで。お、お願いですから」
由紀は妹の麗香を守るのに必死だった。
四人のけだものの相手をし、それを妹に見られる……。その恐ろしさをかえりみる余裕は今の由紀にはなかった。
「フフフ、それじゃ由紀さん。証拠を見せなくっちゃ」
竜二は由紀の耳もとに口を寄せると、ボソボソとささやいた。何を言われたのか、由紀の顔が真っ赤になると、激しく狼狽したように、いやいやとかぶりをふった。
「早くしないと、妹が処女を失うよ、由紀さん。パンティをずりさげれば、すぐに叔父さんが……フフフ」
竜二が言うまでもなく、梅島はさらに麗香のパンティをずりさげる動きを見せた。ひッという麗香の泣き声が、由紀を悲痛に追いつめる。
「ま、待ってッ、麗香を脱がさないで」
血を吐くように叫びながら、由紀は必死の思いで自分から太腿を割り開いた。吊りあげられた左足から、右足を横にいっぱいに開いたのである。その姿勢の浅ましさに、由紀は顔を横に伏せたまま嗚咽した。
「ヒヒヒ、自分から股を開いて催促か。妹の前じゃというのに、そんなに輪姦されたくてたまらんのか」
梅島がへらへらとあざ笑った。笑いながら麗香の黒髪をつかむと、グイと顔をあげさせて、由紀のほうへ向ける。
「ほれ、姉のほうを見んか。由紀は股をおっぴろげて、熟しきったオマンコがどんなものか、妹のために見せてくれとるんじゃぞ」
「いやッ」
由紀は本能的に右足を、吊りあげられた左足にすり寄せていた。自ら太腿を割り開いた浅ましい姿を妹に見られるのかと思うと、耐えられない。
「やはりいやか……麗香を女にしてやる以外に方法がないようじゃのう」
「ヘヘヘ、姉さんが強情を張るんで、お嬢ちゃんにかわりになってもらうよ」
赤沢が一気に麗香のパンティを剥きおろした。パンティが爪先から抜き取られる。
「許して、いや、いや……」
麗香は死ぬほどの羞じらいにおののき、わあッと号泣した。
同時に由紀も、ああッと悲鳴をあげていた。
「やめてッ」
「由紀さんが言うことを聞かないから、麗香を叔父さんが犯すことになる」
「だめえッ、麗香だけはッ」
由紀は太腿をいっぱいに開いてみせた。
だが、梅島は麗香の後ろからまとわりつくと、たくましいペニスを意地悪く麗香の臀丘にこすりつけた。
ひッ、ひッと麗香がおびえた悲鳴をあげた。今にも気を失いそうで、蒼白な泣き顔を震わせる。
「やめて、お願いだからやめてえッ……麗香だけには、むごいことしないでッ」
由紀はもう、太腿をあられもなく開いたまま、狂ったように身を揉んで哀願した。
「由紀が言いなりになるわッ。どんな、どんなことでもしますから、お願い」
「その言葉に嘘はないだろうね、由紀さん」
竜二がニヤニヤと由紀の顔をのぞきこんだ。
もう、どうにもならない。麗香を守るためにはどんな辱しめにも耐えなくては……。ドス黒い絶望の暗雲におおわれていく自分を感じながら、由紀はうなずいた。
「よし、それじゃ、色気たっぷりに叔父さんにおねだりするんだ、永峰由紀」
竜二が冷たく命じた。
ああッと由紀は哀しげに声をあげた。だが、もう逆らおうとはせず、
「お、お願い……由紀を、由紀を……犯してください。由紀を犯して、女がどんなふうになるか……妹の麗香に、お、教えてあげて……」
あえぎながら、由紀は悲痛な声で口にした。それを耳にした梅島が、ニヤッと笑った。竜二もニッと白い歯を剥いた。
「叔父さん、こんなにおねだりしてるんだから、由紀さんを犯してやったらどうです」
「そうじゃのう、そんなにわしに犯されたいのか。ひとつぶちこんでやるかのう」
梅島はわざとらしく言うと、ソワソワと由紀のところへもどるのだった。
【2】
すべて、はじめから計画されているようだった。梅島が由紀のところへもどると、すぐに赤沢が麗香のもとへにじり寄り、顔を由紀のほうへ向けさせた。
「さあ、お嬢ちゃん。姉さんが性教育をしてくれるよ。ヘヘヘ、ほれ、しっかり見るんだ、姉さんを」
麗香は一糸まとわぬ全裸に剥かれた羞恥と衝撃、いつ犯されるかわからぬ恐怖に、半ば失神したようにグッタリとしたまま、低く嗚咽するばかりだった。もうされるがままに、焦点の定まらぬ瞳を姉の由紀に向ける。すると梅島と竜二の二人が、
「ヒヒヒ、妹が見ているんじゃから、奥まで熟れた肉をはっきり見せてやるんじゃ、由紀」
「そうそう、犯される前の由紀さんのオマンコがどんな具合いかをね。さあ、性教育だ」
と、うわずった声で言い、左右から由紀の媚肉の合わせ目をつまんでくつろげた。
ああッと声をあげた由紀だったが、唇をかみしめて顔を横に伏せたまま、もう逆らおうとしない。
奥の肉襞まではっきり見せて、秘められた女の花園はさらけだされていた。それはしとどに濡れそぼち、生々しく光っていた。
「すごい濡れようじゃないか、由紀さん」
「…………」
竜二にからかわれると、由紀は横に伏せた顔を震わせて、シクシクとむせび泣いた。
「フフフ、やっぱり熟しきった人妻だけあって、輪姦されると思うと感じてきたんだね、由紀さん」
「…………」
由紀がむせび泣くばかりで黙っていると、李が由紀の黒髪をつかんでしごいた。
「竜二先生が聞いてんだぞ。はっきり返事しねえか」
「ああ……そう、そうです……」
由紀は消え入るような声で言った。
梅島がケケケと笑って、麗香のほうを向いた。
「聞いたじゃろうが、麗香。女とは、男に犯されると思うだけで感じる動物なんじゃ。感じるとほれ、このようにお汁があふれて、男に入れてもらおうと身体が準備するんじゃ」
さらに媚肉をくつろげて、梅島ははっきりと麗香に見せつけるのだった。麗香が少しでも眼をそらそうとすると、赤沢が容赦なくきわどいところへ手をのばした。
「お、お姉さん……」
「ああ、麗香……」
由紀は総身をワナワナと震わせた。女の最奥を押し開かれ、しとどに濡れそぼっているさまを妹の麗香に見られていると思うと、気が狂いそうだった。
梅島の指が二本、女の最奥へ入ってきた。肉の構造を調べるように指が動く。
「あッ、あッ……」
総身がキュッと絞れた。女の最奥をまさぐられたことで、媚薬クリームにさいなまれていた肉襞が、いっせいに堰を切ったようにざわめきだした。
「ヒヒヒ、ズンと感じるんじゃな、由紀」
「ああッ……そ、そんなにしないで……」
「締めつけおって」
ドロドロにとろけた女肉が、妖しく指にからみついてくる。
「わしの指なんぞより、太い生身を入れてほしいんじゃろうが、永峰由紀」
「…………」
由紀は弱々しくかぶりをふった。
「ヒヒヒ、まだとろけ方が足りんようじゃのう、由紀」
「なんなら、もっと媚薬クリームを塗ってあげようか。入れてほしくてたまらなくなるようにねえ」
竜二は指先に媚薬クリームをたっぷりとすくい取った。梅島もすくい取る。
「い、いやあ……これ以上されたら、耐えられなくなるう……」
「耐えられなくなるからいいんじゃないか、由紀さん」
「そ、そんなことしなくても……お、犯されますから、かんにんして……」
激しく狼狽する由紀をあざ笑いながら、梅島と竜二は同時に指を沈めた。熱くたぎる女の最奥を深く縫って、ゆるゆると媚薬クリームを塗りこんだ。
「ああッ、あッ、い、いやあ……」
すでに由紀の媚肉は媚薬クリームにさいなまれ、充血しきってただれ、灼けるように蠢いている。そこにさらにたっぷりと塗りこめられるのだ。由紀は総身をはねあげんばかりにひきつらせて、そりかえった。
「あ、あッ、たまんないッ……変になっちゃうッ……」
「そうじゃ、どんどん変になるんじゃ」
「ああッ、もう耐えられないッ、かんにんして、かんにんッ」
由紀は媚薬クリームの強烈な感覚に、官能美あふれる太腿をブルブルと震わせ、荒縄に締めあげられた豊満な乳房を激しく波打たせながら泣きじゃくった。
「耐えられなければ、どうしてほしいのかな、由紀さん」
竜二がからかう。
「はっきり言わなきゃ、叔父さんは何もしてくれないよ」
「ヒヒヒ……」
梅島はわざとらしく、たくましい自分の肉棒を由紀の内腿にこすりつける。
「ああ……」
「ああじゃない。太いのを深く入れて、子宮までえぐってほしいんじゃろうが、ヒヒヒ」
「あ……あ……」
こすりつけられる肉に、由紀はからみつくような視線を向けた。腰から背筋にかけて、骨までがしびれ、とろけだすような強烈な感覚に、由紀の意思はもう、そこにはなかった。総身にジワッと汗が噴きでた。
「あ、ああ……して……」
耐えきれず、由紀はうつろな頭で口走った。
「フフフ、叔父さんに何をしてほしいのかな、由紀さん」
「もう、もう、犯して……」
「それは聞いたよ。それだけじゃだめさ、由紀さん。妹への性教育なんだから、もっとはっきり言うんだ」
切迫したように腰をうねらせる由紀を見おろし、竜二は冷たく言った。どのように梅島にねだればいいか、それはすでに教えてある。竜二はただ待てばよかった。
「ああ……」
由紀はヌラヌラと汗に光る裸身を、白蛇のようにうねらせながら、嗚咽とともに唇を動かした。
「由紀に入れて……深く入れて……し、子宮までえぐってください……由紀は、由紀はこんなに股を開いて、待っているのです……」
「ヒヒヒ、どこに入れるんじゃ」
「ああ、由紀の……由紀の……」
由紀は泣きながら浅ましい言葉を口にした。そんな言葉を、強要されたとはいえ口にする浅ましさ、恥ずかしさをかえりみる自分は、もうそこにはなかった。
「ああ、麗香、見て……姉さんがどんなふうに犯されるか……」
「……お姉さん」
麗香の叫びは声にはならなかった。あまりの衝撃に唇がワナワナと震えるばかりで、涙がとまらない。あの上品で美しく、幸福に満ちあふれていた姉の姿とは思えなかった。由紀の美しさ、気品は、妹の麗香にとってはあこがれでさえあった。それが今は、別人のようなのだ。
由紀はいっぱいに開いた内腿にまで甘蜜をしたたらせ、まるで催促するかのように腰をうねらせている。そして、太腿の付け根に、女の媚肉が生々しく口さえ開いて、咲き誇っていた。
「ヒヒヒ、麗香、よく見ておれよ。今から姉さんのオマンコに入れてみせるからのう」
梅島はそう言うと、ゆっくりと由紀の両脚の間に身を割り入れた。
「いやッ、お姉さん……」
麗香は息もとまりそうに狼狽して、サッと泣き顔をそむけた。ブルブル震えだす。
だが、由紀は顔をのけぞらせて、
「ああッ、いや……」
と言いはしたものの、快感とも受け取れる声をあげ、腰を震わせた。もう待ちきれない風情だ。
どんな刺激でも欲しい……。由紀の肉体は媚薬クリームに苦悶の叫びを放っているのだ。
梅島はたくましい肉棒の先を、由紀の媚肉にこすりつけるようにしてから、先をわずかに含ませた。
「ああッ」
由紀はキリキリと唇をかんで、狂おしく腰をふりたてた。まるで梅島を待ちかねていたように、熱くたぎった媚肉はさらに甘くとろけて、おびただしい反応を見せ、深く吸いこもうとした。だが、梅島はわずかに先を含ませただけで、じらすようにする。
「ヒヒヒ、欲しいか、もっと」
「は、早くう……して、もっとしてッ」
由紀はわずかしか与えられないもどかしさにうわ言のように口走った。
「お、お願い、もっと……気が、気が変になっちゃう」
由紀の腰が梅島を求めて、ガクガクとゆすられた。ただれきった媚肉が貪欲にからみつき、わずかしか含まされないものを奥のほうに呑みこもうと蠢いている。
その感触を梅島は舌を巻く思いで感じながら、さらに少しもぐりこませた。
「こりゃ、大したもんじゃ、竜二。吸引力といい粘着性といい、極上もんじゃ」
梅島がうなるように言った。
それを竜二と李がニヤニヤと聞きながら、眼を細めて由紀の太腿の間をのぞきこんでいる。黒光りする梅島の肉棒が、半分ほども由紀の最奥を貫いているのが、はっきりわかった。その前では赤沢が、耐えきれずに眼をそむける麗香を叱咤している。
「ほれ、しっかりと姉さんを見るんだ。さもないと、同じように太いのをお嬢ちゃんにもぶちこむよ」
「ああッ、いやッ」
赤沢に後ろから腰を押しつけられ、麗香はまた、泣き濡れた瞳を由紀に向けた。麗香もまた、あまりの衝撃にわけがわからなくなっていった。
由紀はもう、半狂乱に近い状態で泣き悶えていた。
「してッ……お願い、もっと、い、入れてッ」
媚薬クリームに気も狂わんばかりにさいなまれつくす媚肉。そしてわずかに含んだ男のペニスがその感覚をやわらげるのを知って、由紀は恥も外聞もなく梅島を求めた。乳房をゆすりたて、さらに深く梅島を受け入れようと腰をふる。
「フフフ、妹に見られているというのに、すごいじゃないか、由紀さん」
竜二が意地悪く由紀をからかった。
「い、言っちゃいやあ……」
そう泣き叫びながらも、由紀は浅ましい身悶えをとめることができなかった。
「ああ、ひと思いに……じ、じらさないでッ」
由紀は泣き声さえ混じえて、ひきつった声を放った。これがあの気の強い由紀なのかと疑いたくなるほどの変わりようだ。
「媚薬クリームの効き目はすごいな」
「なにしろ、じらしつづけたら女は発狂するかもしれないほど強烈な催淫薬ですからねえ。どんなジャジャ馬もイチコロですよ」
赤沢の説明に、竜二は大きくうなずいた。気の強い由紀が、こうも肉欲の牝と化してしまうのだから、大した効き目だ。
「して、もっとッ……あううッ、ひと思いに入れてッ、狂っちゃうッ」
由紀の泣き声が、どこか悲愴感さえ漂わせてきた。総身汗びっしょりの女体も、苦悶にのたうつようにうねりだした。それを見た梅島は、
「どれ、ぼちぼち深く入れてやるかのう。あまりじらして、気がふれでもしたら、竜二の奴に恨まれるからのう」
ニタッと笑うなり、梅島はからみつく肉襞を内側へめくりこむようにして、一気に奥まで突き入れた。
「ひいいッ……」
深く串刺しにされる感覚が、強烈な快美感を生み、由紀は歓喜の声を放った。梅島の先端が子宮口に達し、さらに押しあげるようにえぐってくる。
「あ、あうッ、あああ……」
この世のものとは思えない快美に、由紀はあられもなく泣いた。抑えても抑えても、歓びのあかしにどっぷりと濡れた泣き声が噴きこぼれた。
梅島は容赦なく責めはじめた。とろけきった肉が妖しくからみつき、梅島を締めつけてくる。その感触をじっくりと味わいながら、梅島は一回、また一回と自分を打ちこんだ。数えきれないほど女たちを犯してきた梅島だが、由紀の肉の構造はまぎれもなく、これまでで最高だった。
これほどの女……竜二の一人占めにしておくのはおしい。わしの実験材料にしたいぐらいじゃわい……。
女はよりどり見どりで、一人の女に固執したことのない梅島が、思わずそうつぶやかずにはいられなかった。
「竜二、この永峰由紀、大した上物じゃぞ。いい味しとると李に聞いてはおったが、これほどとはのう。時々、わしに貸さんか」
「フフフ、肛門以外だったら由紀さんはいつでも叔父さんの好きにしていいさ」
「そうか、ヒヒヒ」
梅島はうれしそうに笑った。
赤沢と李が、眼を血走らせ、梅島に犯される由紀をながめている。眼の前で犯されのたうつ由紀の、妖しいまでの身悶えを見せつけられ、じれたように盛んに生唾を呑んだ。
「ヒヒヒ、何をぼんやり見ておる。総がかりじゃ」
梅島がそう言うなり、赤沢と李はたちまち由紀にまとわりついた。その言葉を待っていたのだ。
「俺はこの色っぽい唇を使わせてもらうぜ。ヘヘヘ、たまらねえ」
李が由紀の黒髪をつかんで、ハアハアとあえいでいる唇に吸いついていけば、
「それじゃ、俺はおっぱいだ」
赤沢は豊満な乳房に、いやらしく唇を開いてしゃぶりついていった。
だが、竜二は加わらなかった。三人の男にまとわりつかれ、犯されている由紀をニヤニヤとながめながら、麗香のそばへ寄る。
「フフフ、どうだい、すごいもんだろう。女はあんなふうに犯されるんだ。よく見ておくんだぞ。おっと、ここからじゃ、つながってるところは見えないか……フフフ、あとでどんなふうに入れられてるか、じっくり見せてやるからねえ」
竜二は、麗香の白い双臀をスルリと撫であげて、意地悪く笑った。
麗香は何も言わなかった。ただ、ブルブルと震えながら、竜二に強要されるままに泣き濡れた瞳を姉に向けている。その瞳は、もううつろだった。
「大した歓びようだろ。男を知らない麗香にはわからないだろうが、姉さんは犯されるのが好きなのさ。フフフ、いやだと言っても、男に入れられりゃ、あのザマだからね」
竜二はあざ笑った。
由紀が犯され、それを妹に見られていることが、竜二には愉快でしようがないのだ。その間に、李が由紀の顔のところに膝をついて、腰を押しつけていく。
「ほれ、おしゃぶりがはじまるよ。女は下の口でも、上の口でも男を咥えこむことができるからね」
竜二がそう言った時には、李がグッと腰を落とし、由紀の顔をあげさせて、ガボッと由紀の唇のなかへ押しこんでいた。
「ううッ……う……うぐッ」
激しくせきこむように、唇をいっぱいに開いて、由紀はガクガクと裸身をはねあげた。下では梅島が一段とピッチをあげてえぐりあげ、乳房は赤沢の手でこねくりまわされている。ガキッと乳房がかまれる。
「あ、あうッ……あ、あああ、あうッ」
由紀は狂ったように泣いた。苦しい。息が満足にできない。由紀は顔をふり、背筋をそりかえらせ、吊りあげられた左足をうねらせてのたうった。
「あ……うむ……いッ、いいッ」
すさまじいばかりの感覚が内臓をひっかきまわし、総身に這う。
「いいッ……」
「ヒヒヒ、大した歓びようじゃ」
「あうッ、あ、あん……いいッ」
もう由紀の脳裡には、妹の麗香のことはなかった。今、自分が犯されているということすら忘れた。あるのは、気も遠くなるようなめくるめく肉欲の快美だった。由紀は総身がバラバラになり、骨までとろけるように凄絶な快美のなかで翻弄されていた。何もかも薄れ、めくるめく官能の渦に身を巻きこまれ、それにいざなわれて、由紀は官能の絶頂へと走りはじめていた。
「あうッ……ああッ……」
ガクンと腰をせりあげ、両脚をピンと突っぱらせ、由紀はキリキリとのけぞった。
「ひいッ、ひッ、ひ……」
「いけいッ……そりゃ、そりゃ」
梅島が猛然とラストスパートをかけた。
息つく間もなく、由紀は絶頂へと突きあげられた。総身がのけぞり、激しく収縮し、ひッ、ひッと喉を絞って、肉という肉に痙攣を走らせた。
「あう、う……うぐうッ」
内臓を絞るような声で、由紀は口走った。その瞬間を狙って、梅島はドッと白濁の精を放っていた。
「フフフ、姉さんは気をやったよ。犯されて満足したんだ。麗香には気が狂ったとしか思えないだろうけど、あれが男を知った女さ」
永峰由紀は牝なのさ。竜二はあざ笑いながら言った。これで由紀は、夫以外の男を李とともに二人知ったことになる。もっと多くの男に犯させてやるのだ。これはまだほんの手はじめだ。竜二はほくそ笑んだ。
由紀の女体は、グッタリと力を失っていた。両眼を閉じ、おびただしい汗に濡れる乳房から下腹にかけてだけが、ハアハアと波打っている。
その由紀から梅島が満足げに離れた。
「フウーッ、いい味をした女じゃわい。永峰由紀、こたえられんのう」
「所長、そんなにいいんですかい、ヘヘヘ。所長のお墨つきじゃ、相当のもんらしいですね」
モゾモゾと身を乗りだしてきた赤沢が、待ってましたとばかりに、由紀の上へおおいかぶさっていく。もう、梅島の放った精と、由紀の甘蜜にしとどに濡れそぼっているのもかまわず、腰を突きだして押し入った。
「う、うむ……」
由紀は赤沢が貫いてくる感覚にのけぞった。のけぞったまま、総身を絞るようにして低くうめいた。
赤沢は梅島ほど長くはないが太かった。
「ああ……」
由紀は腰をよじるようにして、かすんだ眼を開いた。赤沢のあぶらぎった顔が見える。自分の上にのしかかっている赤沢に気がついて、
「もう、許して……あ、ああ、待って……」
「今度は俺の番だよ、奥さん。たっぷり楽しませてもらうぜ、ヘヘヘ」
グイと深くねじ入れてから、赤沢はゆさゆさと腰をふりはじめた。
「待って……少し、少し休ませて……ああ、お願いですから、待って……」
「ヘヘヘ、輪姦に待ったもクソもないぜ」
「あ、あああ……おかしくなっちゃうッ」
赤沢が動きだすと、由紀はにわかにうわずった声をあげ、頭をふりたくった。
「どうだ、ズンといいだろうが。俺のは真珠入りの特別あつらえだからな」
「そ、そんな……」
ただれきった肉襞に、いくつもの真珠がこすれ、由紀は再び息もできないような状態へと追いこまれていった。
【3】
赤沢につづいて李が由紀を犯した。そしてもう一度、梅島、赤沢、そして李の順で由紀を犯した。いずれの場合も、三人の総がかりだった。三人とも、女の身体を知りつくしている男たちだ。ただ入れて精を放つだけの強姦とはわけが違う。一回ごとに確実に由紀を官能の渦に翻弄させ、絶頂へと追いあげるのだ。
そのたびに激しくそりかえったまま、もう息さえできず、肉だけをブルブル痙攣させるさまは、凄惨ですらあった。由紀はもう、口の端から白い泡さえ噴いて、汗と男たちの唾液と精にまみれた裸身はグッタリとなり、失神状態に落とされていた。
「ヒヒヒ、竜二の番じゃぞ。もうそろそろ犯らんか。由紀はのびとるじゃないか」
梅島がニヤニヤと竜二の肩をたたいた。
「それじゃ、犯るか」
竜二は頃合いよしと見たのか、ペロリと舌舐めずりをすると、由紀のところへ近づいていく。
梅島のほうは、麗香のもとへ行く。
「ヒヒヒ、麗香、もう女がどのように犯されるか、わかったじゃろうが。たっぷりと見せてやったからのう」
「…………」
麗香は顔を蒼白にして、唇をワナワナと震わせていた。今まで眼の前で展開されていたすさまじい光景が信じられない。次々と美しい姉にのしかかっていく男たち、あられもなく泣き叫ぶ姉の狂態……悪夢としか思えなかった。
あ、あれがお姉さん……由紀姉さんだなんて……嘘、嘘よ……。
麗香の頭のなかは火のように灼けていた。今にも気が遠くなりそうで、何がなんだかわからなくなった。だが、恐ろしい現実に心臓は破裂せんばかりに高鳴り、膝がガクガクと震えている。
不意に梅島の手で裸の双臀を撫でられ、麗香はひいッと我れにかえった。
「どうしたんじゃ。姉が犯されるのを見て、生娘の麗香も感じおったのか、ヒヒヒ」
「…………」
「どれ、股を開いて、わしに見せてみい」
梅島の手が麗香の前へのびてきた。ビクッと麗香が震えたかと思うと、
「いや、いや……こっちへ来ちゃいやッ」
おびえたって、梅島の手を避けようと夢中で腰をふった。
「腰をふるのは、男に入れられてからじゃ。姉を見てわかったはずじゃぞ、ヒヒヒ」
梅島は麗香をからかいながら、後ろからまとわりついた。ピチピチとした麗香の背後に、ぴったりと肌を密着させた。
「ああ、いや、いや」
「いやでも男は女を犯す時には、こうやって肌をくっつけるんじゃ、ほれ、ほれ」
梅島は後ろから両手で乳房をわしづかみにした。まだ男を知らぬ、青い果実のような固さを残した形のいい乳房だった。二度にわたって由紀を犯したというのに、もう回復している硬直した肉を、必死にふりたてる麗香の臀丘の割れ目に押しつけた。
「ああ、いやあ……許して……」
「ほうれ、こうすれば麗香のおっぱいだって揉めるし、犯そうと思えばすぐに入れられるじゃろ」
「あ、あ、離れて、離れて」
激しい恐怖に、麗香は泣きだした。姉の由紀が犯されるすさまじい光景を見せられたあとだけに、その恐怖はひとしおだった。臀丘の割れ目に押しつけられるものの大きさが、麗香のおびえをふくれあがらせた。
だが、そんな処女のおびえと身悶えが、梅島には心地よかった。成熟した人妻の由紀を犯した時とは、またひと味違う嗜虐の快美だ。
「さあ、股を開くんじゃ」
「い、いやあ……」
「女は股を開くもんじゃ。姉を見習わんか」
梅島は赤沢と李の二人に、麗香の両脚を開かせろと、眼で命じた。左右から赤沢と李が、麗香の足首をつかんだ。
「いやあ……」
ビクッと閉じ合わせている両脚に力を入れるのを、赤沢と李はジワジワと割り開いた。
「いや、いやッ」
「ヒヒヒ、男に股を開かれる恥ずかしさ、そいつをよく覚えておくんじゃぞ。そうすれば、姉のようにいつまでも色っぽい女になる」
「かんにんしてッ……た、助けて」
のけぞらせた麗香の首筋に、梅島の唇が吸いついてきた。
乳房をつつんだ両手のひとつが、下腹をすべって若草のような乙女の茂みに触れた。その茂みを指先で弄ぶようにいじくりまわしてから、かき分けた。
「ほれ、いくらいやがっても、麗香のオマンコは剥きだしじゃ」
無残に両脚が割り開かれ、まだ他人の眼に触れさせたことのない秘肉があけっぴろげなのを実感させるように、梅島は指をのばした。スーッと媚肉の合わせ目にそって、縦に指でなぞった。
「ひいッ……しないでえ」
麗香は悲鳴をあげた。
麗香の足首をつかんで左右に割り開いている赤沢と李が、首をのばしてのぞきこんでいる。麗香の媚肉は、たくましい梅島のペニスで突き破るには、あまりに無残と思えるほど、ひっそりと口を閉じ合わせていた。
「こりゃ、まぎれもなく処女だ……」
「ヘヘヘ、可愛いもんだ。これが男を知って由紀のように妖しく開花するのが信じられねえようだぜ」
赤沢と李は盛んに舌舐めずりした。
梅島の指先が、固く貝のように閉じた媚肉にゆっくりと分け入った。片手で乳房をゆるやかに揉みながら、媚肉に分け入らせた指で女芯をさぐりあてる。
「ひッ……ひッ……やめて……」
嬲られる麗香は、頭をふりたてて金切り声をあげ、後ろから抱きつかれた裸身を揉みゆすった。
「た、助けて、お姉さんッ……」
だが、グッタリと失神している由紀の返事はなかった。
その由紀には、竜二が一人、まとわりついていた。かがみこんでニヤニヤと、梅島たちに犯されたあとをのぞきこんでいる。まだ媚肉の合わせ目を外へ向かってめくりだすようにして口を開き、しとどに濡れそぼった女の最奥はヒクヒクと痙攣している。それは、眼もくらむような生々しさだった。
「フフフ、派手に犯られたもんだ。こりゃひどい……痛々しいねえ」
そう言いながらも、竜二の眼はうっとりと酔っていた。
由紀が他人に弄ばれ、さいなまれるほどに、竜二の由紀への倒錯の愛はふくれあがるのだ。それは竜二にとって、長年想いを寄せてきた由紀への恨みと表裏一体だった。可愛さあまって、憎さ百倍というところだ。
由紀さん、もっとひどいことをしてやるからねえ。女に生まれたことを後悔させてやる、フフフ。こんなのはほんの序の口、ジワジワとやってやる……。
竜二は自分自身に言い聞かせていた。
「フフフ、由紀さん、まだ気を失うのは早いよ。これからだからねえ。今度はこの俺がたっぷりと犯してやるよ」
正体のない由紀に向かって語りかけながら、竜二は由紀の左足を天井から吊っている縄をほどいた。由紀を抱き起こし、後ろ手に縛った縄はそのままに、あぐらをかいた竜二の上に後ろ向きに乗せた。
「叔父さん、こっちの用意はいいよ」
「ヒヒヒ、そうか、少し待っておれ」
梅島は一段と麗香への愛撫を強くした。
もう、揉みこまれる麗香の乳房は、生娘の乳首を恥ずかしげにツンと尖らせていた。指先を深く分け入られている媚肉は、綺麗な形のまま、その奥だけを甘蜜でいっぱいにしていた。
「あ、あ……かんにんして……」
麗香はシクシクと泣くだけで、されるがままだった。肌をまさぐられるショックに、すっかり気分を喪失し、どっぷりと羞恥にうちのめされ、まるで生き人形だった。
梅島は赤沢と李に手伝わせて、麗香を後ろ手に縛りなおした。
「ヒヒヒ、麗香、これで姉の由紀と同じかっこうじゃ」
後ろ手に縛った麗香を、梅島はあぐらの上に後ろ向きで抱きあげた。そして、由紀を抱いている竜二と向かい合った。
「ああ、こんなの、いや……」
姉と裸の正面をさらして向かい合う羞恥と恐ろしさに、麗香は弱々しくかぶりをふった。うちつづく衝撃に、麗香はもう、逃げようともがく気力もなかった。
「用意はいいぞ、竜二、ヒヒヒ」
「それじゃはじめるよ、叔父さん」
赤沢と李がそれぞれ梅島と竜二の横にひかえると、竜二は気つけ薬を由紀にかがせた。
「うッ、う、ううん……」
右に左にと顔をふるようにして、由紀は意識を取りもどした。うつろな瞳を開く。その瞳に、正面の麗香の裸身が映った。
「麗香……」
妹の名を口にした由紀は、ハッとよみがえった。
「お、お姉さんッ」
麗香は由紀の意識がもどったと知ると、肩を震わせて泣きだした。
「お、お姉さん、助けて……」
「麗香ッ」
妹が一糸まとわぬ裸身を後ろ手に縛られ、梅島の膝の上に抱きあげられているではないか。その両脚は梅島の膝をまたいで、無残に割り開かれている。そして、そこに梅島の指が分け入っているのを見ると、由紀の顔が驚愕にひきつった。
「どう、どういうことなのッ……妹には手を出さないって約束よッ」
由紀は自分が輪姦されたことも忘れたように悲痛に叫んでいた。
竜二がクククッと笑った。
その声に、由紀は自分もまた、竜二のあぐらの上で妹と同じ姿勢をとらされていることに気づいた。ああッと驚愕の叫びを張りあげた。
「気がついたようだね、由紀さん。今度は俺が楽しませてもらうよ」
「い、いやあ……竜二さんはいや、いやッ」
由紀は瞳をひきつらせ、戦慄に総身を凍りつかせた。見知らぬ梅島や赤沢らに犯されるのとは、わけが違う。竜二は愛する夫の友人で、由紀も古くからよく知っている。それに竜二は、自分や妹をこの肉地獄に引きずりこんだ張本人なのだ。憎んでもあまりあるけだものだった。
「いや、竜二さんだけは……」
「いやでも犯してやるよ、由紀さん。たっぷりとぶちこんで、友彦の奴に思い知らせてやるんだ。俺が由紀さんを犯したと知ったら、友彦の奴、どんな顔をするかな、フフフ」
「い、いやあ……」
由紀は激しくかぶりをふって、両脚をバタつかせた。
「それだけじゃない。今度は妹に、俺が由紀さんを串刺しにするところをはっきり見せてやる」
「ヒヒヒ、それを麗香に見せながら、わしが同じように麗香を串刺しにするというわけじゃ。性教育実技編じゃよ」
「由紀さんを手本に、麗香は女になるんだ。フフフ、姉妹そろって串刺しだ」
気の遠くなるような竜二と梅島の言葉だった。
「そ、そんな……約束が違う、違うわッ、由紀が言いなりになれば、麗香には手を出さないって……」
「フフフ、甘いな、由紀さん」
竜二はせせら笑った。はじめから麗香をも犯す気だったのだ。
「ひ、ひどい、ひどいわ……けだものッ、竜二さん、あなたは悪魔よッ」
由紀は声を限りに泣き叫んだ。だが、いくら泣き叫んでもどうにもならない。
「お、お願い、麗香だけは許してやって……由紀は、由紀は竜二さんに犯されますから」
「あきらめろや、由紀さん、フフフ」
竜二は後ろから由紀の太腿をグッと割り開いて、膝にまたがらせた。それを李が手伝って押さえつける。
「いやあ……」
「おとなしくするんだ、由紀さん。どんなふうに串刺しにするか、じっくり妹に見せるんだからさ」
竜二はグッと由紀の腰を抱きこんで、硬くそそり立った肉の先で、開ききった媚肉をこすった。
由紀は悲痛にわなないた。竜二の膝の上で、こすりつけてくるものから逃れようと、けんめいにもがいた。しかし、後ろ手に縛られた裸身を、腰を抱きこまれていては、なす術はない。
「ほれ、入るよ、由紀さん。しっかり咥えこんで、妹にお手本を見せるんだ。妹のためとなりゃ、友彦の奴も案外許してくれるかもしれないぜ」
竜二は意地悪くからかいながら、わざとゆっくり、硬直した自分を由紀の媚肉に分け入らせた。
「あ、あッ……いやあ……」
由紀は悲痛に泣き叫び、狂おしく頭をふりたくった。竜二の上で、縄に上下を縛められた乳房が、ブルブルとはずんだ。それにかまわず、竜二はゆっくりと、だが深々と沈めた。なかは灼けるような熱さだった。
「とうとう俺とつながったね、由紀さん。深く入ってるのがわかるだろう」
「ああ……け、けだもの……」
深々と貫かれてしまうと、由紀は右に左にと顔をふるだけで、逆らう気力を喪失させた。
とうとう竜二にまで……。そのことを実感させる肉の形が、由紀を暗い絶望の闇に落とした。
「フフフ、こうやって俺とつながっているところを、友彦の奴に見せてやりたいよ」
「ああ、夫のことは言わないで……」
「友彦のことなんか忘れたいってわけかい。フフフ、そうだろうな。由紀さんは人妻の身で、亭主以外に俺が四人目の男だもんね。これで由紀さんは四人の男を知ったわけだ」
竜二は意地悪く言った。四人どころか、そのうち、数えきれないほど多くの男をとらせてやる……。竜二はそう思った。
「さて、もう一度、入れてるところを妹に見せてあげようか、フフフ」
竜二は低く笑うと、一度深々と貫いたものを抜いて、再びゆっくりと埋めこみにかかった。
それは驚くほどの生々しさを見せて、正面の麗香にもはっきりとわかった。開ききった姉の女の最奥に、竜二のドス黒い肉棒がまるでクサビでも打ちこむように、ズブズブと沈んでいく。
麗香は生まれて初めて見る男女の行為に、気の遠くなる思いだった。生娘がそんな光景を見せられるなど、ありえないことだ。頭がクラクラした。
「お、お姉さん……」
それに答えたのは梅島だった。
「女なら誰でも経験することじゃ。それを見て動揺するとはだらしないぞ、麗香」
生娘が動揺するのは当然と思いながら、梅島は意地悪く語りかけた。すでに甘蜜をあふれさせている媚肉を指先でまさぐりながら、首筋に唇を這わせる。
「ヒヒヒ、麗香もあんなふうに、わしのものを入れられるんじゃぞ」
「か、かんにんして……」
「ほれ、口ではいやがっても、麗香のオマンコはこのように、わしを受け入れたくてしようがないと言っとるぞ」
梅島は麗香の媚肉をまさぐっていた指をかざしてみせた。それは妖しく濡れ光っていた。梅島もまた、由紀を貫いた竜二に一歩遅れでつづくように、麗香の腰をあやつってたくましい肉棒の先を媚肉の合わせ目に触れさせた。
「ああッ、いやッ……助けて……」
いよいよ犯されると知って麗香は、悲鳴をあげた。
「あ、あ……こわい、こわいッ」
「ヒヒヒ、そうじゃ、そうやっておびえ、泣きながら女になるんじゃ」
「た、助けて、お姉さん……こわいッ」
妹の悲鳴を聞いても、由紀にはどうすることもできなかった。由紀は竜二に深々と貫かれている身である。
「や、やめてえッ、麗香は許してやって、お願いッ」
そう叫んで、竜二の上でもがくのがせいいっぱいだった。
「けだものッ……妹にまで手を出すなんて……ああ、お願い、麗香は許してえ……」
だが、由紀が泣き叫び、もがけばもがくほど竜二を歓ばすことになる。
「フフフ、由紀さんがそうやって動いてくれると、ズンといい気分だ。ほれ、もっと腰をゆすっていいよ」
そんなことを言いながら、竜二は由紀の腰に手をやって、女体をあやつりはじめた。
「ああ、や、やめてッ」
さんざん犯された由紀の女体は、突きあげてくるものに、たちまちカアッと灼けていった。
「こわいッ、お姉さん……お姉さんッ」
「ヒヒヒ、入れるぞ、麗香」
「お姉さん……」
麗香が姉の名を呼べば、由紀も呼びかえす。
「そうじゃ、うんとおびえて互いに呼びかわすのじゃ、ヒヒヒ」
梅島は後ろから、泣きじゃくる麗香の顔をのぞきこみながら、ゆっくりとまだ未開の禁断の花園に押し入っていった。
「ひいッ……う、うむ……」
麗香は唇をかみしばって、大きくのけぞった。まだ少女らしさを残す顔が、苦痛に、痛々しいまでにゆがんだ。
「ああッ……」
由紀が声をあげて泣きだした。
とうとう妹の麗香までが、けだものの毒牙に……。妹を守りきれなかった。
「け、けだものッ……よくも麗香まで。それでもあなたたちは人間なのッ」
由紀は泣き叫んだ。狂ったように裸身をもがかせた。それが竜二を歓ばすことになるとわかってはいても、由紀は泣き叫ばずにはいられなかった。
「け、けだものッ、鬼、悪魔ッ……」
「そう、俺は鬼で悪魔さ。だけどけだものは由紀さんのほうだ。性に狂った牝にされるんだからね、フフフ。ほれ、姉妹そろって串刺しにされたところで、本格的にお楽しみといこうじゃないか、由紀さん」
竜二は由紀の腰を自由自在にあやつって激しく責めはじめた。その前では梅島が、ゆっくりと麗香をいたぶっている。
「ヒヒヒ、これが男じゃ、しっかりと覚えとくんじゃぞ、麗香」
梅島が笑えば、竜二も、
「これが俺だよ。友彦の奴なんかより、ずっといいだろ、フフフ。よく覚えるんだよ、由紀さん」
「い、いやッ、いや……」
「いやでも覚えこませるさ」
竜二はグイグイとえぐりあげた。しとどに濡れそぼち、ただれきった媚肉が竜二に妖しくからみついてくるのがわかった。
梅島の押し入っている麗香のほうは、由紀ほどの粘着力と吸引力こそまだないものの、肉襞がヒクヒクとこたえてくる。奥の肉のきつい感触もなかなかのものだ。
「ヒヒヒ、こりゃ、鍛えれば、由紀のような極上の肉壷になるぞ」
梅島は生娘の肉の構造をしっかり確かめようと、わざとゆっくり動いた。
「由紀のような熟しきった肉もいいが、生娘もよいのう。ヒヒヒ、たまらんぞ」
麗香は泣き濡れた顔を真っ赤にして、苦しげにうめいていた。もう、息も絶えだえの風情だった。それでも、ふと、姉の由紀と眼が合うと、ああッと狼狽して眼をそらした。それは由紀も同じだった。由紀は早くもめくるめく恍惚の波に翻弄されはじめていた。
「ほれ、由紀さん。姉の貫禄を見せて、うんと腰を使って歓んでみせるんだ」
竜二がはやしたてた。
【4】
すべてが終わった時、麗香は、犯された女が一様に見せる、身を切られるような嗚咽のなかに暗く深く沈んでいた。処女喪失を物語る出血が痛々しく、無残である。
「ヒヒヒ、麗香、ついに女になったか。これからは日に日に女としてみがきをかけてやるぞ。楽しみにしておれ」
梅島は、嗚咽する麗香に、手ぬぐいでさるぐつわをかませた。我れにかえった麗香が、犯されたショックのあまり舌でもかんだら元も子もない。
「初めてだからのう、麗香、今日はこのくらいにしておこう」
麗香を膝の上に抱いたまま、梅島は耳もとでささやいた。その言葉に、赤沢と李が一瞬、顔に不満の色を漂わせた。てっきり梅島のあと、麗香の身体を楽しめると思っていた二人である。だが、所長の梅島には逆らえない。
「お嬢ちゃんは幸福者だぜ。梅島所長一人に女にしてもらったんだからよ。恋人に抱かれていたような気分だっただろ」
「姉さんのほうは輪姦にかけられ、まだまだ責められるんだからねえ」
赤沢と李は皮肉混じりに麗香に向かって言うのだった。
「ヒヒヒ、あせるな、そのうち、お前たちにも抱かせてやる。これは性教育だということを忘れるな。今の主役は由紀じゃ」
梅島はへらへら笑った。
「所長、そんなつもりじゃねえんで……」
赤沢と李は、あわててペコペコと頭をさげた。
竜二は、たっぷりと犯した由紀を、膝の上から布団にうつ伏せに横たえていた。
由紀はそうされてもグッタリと、ハアハアとあえいでいた。とうとう竜二にまで犯されたのだ。それも二回、たっぷりと精を吐きかけられた。そして妹の麗香までもが……。由紀は激しい屈辱と哀しみ、絶望のなかにうちひしがれていた。竜二に犯されたことより、妹を守りきれなかったことの哀しみのほうが大きかった。
「麗香、許して……あなたを守れなかったお姉さんを許して……」
うわ言のように口走りながら、由紀は肩を震わせて、むせび泣いた。竜二の手が、上を向いた由紀の双臀にのびてきた。ゆるゆると撫でまわされる。
「フフフ、由紀さん、とうとう俺と他人でなくなったね。それにしても大した歓びようだったじゃないか。あのクソまじめな友彦の奴じゃ、ああは燃えないんじゃないのか」
「い、言わないで……」
由紀は泣き声を高くして、シーツに顔を埋めた。憎んでもあまりある竜二に犯され、愛する夫に抱かれる時以上に燃えた自分が、由紀には信じられなかったし、恨めしかった。輪姦され、妹までが犯されるのを見せつけられるという異様な状況が、由紀をも異常にしたのだろうか。
「友彦なんかより、俺のほうがずっとよかっただろ、由紀さん」
意地悪くからかいながら、竜二は赤沢と李に手伝わせて、うつ伏せの由紀の両脚を大きく割り開かせた。
「ああ、まだ……まだ何かしようというの」
由紀が泣き濡れた瞳で竜二をふりかえった。
「フフフ、由紀さんの性教育のおかげで、麗香がめでたく女になったからね。そのほうびをあげようというんだよ」
「ああ、もう、かんにんして……どこまで、どこまで辱しめれば気がすむんです」
「勘違いしちゃいけないな。ほうびに由紀さんが歓ぶことをしてあげるんじゃないか」
竜二はニヤニヤと欲情の笑いを浮かべ、おもむろに由紀の臀丘を割り開いた。
ひッと由紀は息を呑んだ。竜二が今度はどこをいたぶる気か、はっきりわかった。
「いやッ……お尻は、いや……」
「ほう、俺はまだどこをいじるとは言ってないよ。それをお尻とは……フフフ、なんだ、ごほうびに由紀さんは、肛門をいじくりまわしてほしいのか」
「違うわッ……いや、お尻はいやッ」
「フフフ、照れなくてもいいさ」
竜二は手をのばして、臀丘の奥にすぼまった由紀の菊蕾をまさぐった。小さくすぼまり、踏みにじられた花のようにただれている女の最奥とは、ひどく対照的だった。
「いやッ、お尻……あ、ああッ、やめてえ……」
「フフフ、そんなに気持ちいいのかい、由紀さん。ほうびなんだから、遠慮なく楽しんでいいんだよ」
竜二は粘膜が指先に吸いつくような感触を楽しみながら、ジワジワと揉みほぐした。驚いたことに由紀の菊蕾はすぐに柔らかくとろけはじめ、ふっくらと盛りあがるようにゆるんできた。
「ほう、だいぶ肛門をいじられるよさがわかってきたようじゃのう、ヒヒヒ」
麗香を抱いてのぞきこむ梅島が、眼を細めた。
「麗香、見てみい。由紀はああやって尻の穴までいじらせておる。ヒヒヒ、ほれ、指を尻の穴に入れるぞ」
竜二は揉みほぐす指に力を入れはじめた。
「あッ……入れないでッ」
ビクッと由紀の双臀が硬直したが、ゆるみきった蕾は小さな震えを見せながら、竜二の指を呑みこんでいく。
「どうだい、由紀さん。指の付け根まで入れたよ、フフフ」
竜二は残酷に知らせた。
「あ、ああッ、指を取って、取ってえ……」
由紀の悲鳴がひきつれた。犯される姿を妹に見られるより、ずっとおぞましく、屈辱的だった。
「麗香、見ないで……あ、あうッ」
腸管で指が曲げられ、なかがまさぐられた。犯された直後とあって、まだ官能の残り火がチラつき、それがゆさぶられるようだ。
「あ……ああ……」
竜二の指がきつく締めつけられた。それがフッとゆるんだかと思うと、またキュッと締まった。
「……もう、やめて……お尻は、いや……」
ハアハアと由紀は息を吐いた。
顔をもたげて後ろをふりかえると、這いつくばるようにして指を動かしている竜二が見えた。指がむごく自分の菊蕾を縫っている。
そして、梅島の膝の上でさるぐつわをかまされたまま、うつろな瞳を自分に向けている麗香が見えた。
「ああッ」
由紀は狼狽して顔をシーツに埋めた。
「だめ、麗香、こんな姿を見てはだめよ……お尻をいじられるなんて、狂ってるのよ」
由紀は嗚咽しながらうめいた。
竜二の指は腸管で蠢き、なおも由紀を責めさいなんでくる。
「ほれ、指があんなに深く由紀の尻の穴に入っとるじゃろうが。腸のなかまで触られとるんじゃぞ、ヒヒヒ」
梅島が盛んに麗香にささやきかけている。
「指だけではない。今朝なんかはパチンコ玉を尻の穴に入れられたり、太いねじり棒を入れられたりした由紀じゃ」
ペロリと麗香の耳たぶを舐めてから、梅島はさらにささやきつづけた。
「あれだけいい尻をした由紀じゃからのう。尻の穴にいたずらして、いろいろと入れてみたくなるんじゃよ」
梅島のいやらしい声は、由紀にも聞こえてきた。その声を聞くまいとするかのように、由紀は激しくかぶりをふっていた。
突然、竜二の指が引き抜かれた。そのことが由紀に、恐ろしい予感を与えた。
ま、まさか……。
あわてて後ろをふりかえった由紀は、竜二の手に千五百CC容量のガラス製注射型浣腸器を見て、悲鳴をあげた。浣腸実験で使われた巨大なガラスの筒だ。おぞましい浣腸実験が、由紀の脳裡によみがえった。
「い、いやあ……それだけは、やめてッ」
由紀は我れを忘れ、本能的に逃げようとした。だが、両手は背中で縛られ、両脚は赤沢と李の二人に押さえられている。
「かんにんしてッ。妹の、妹の前でそんなことは、いや、いやよッ」
「フフフ、何をあわててるんだ。ほうびに由紀さんの大好きな浣腸をしてあげようというんじゃないか」
「それだけはいやッ……妹の前でなんて、みじめすぎますッ」
そんな由紀を見つめている麗香の瞳はうつろだ。犯されたショックに、まともに反応すらできない様子だった。
麗香の意識がしっかりしているかどうか、そんなことは今の由紀には問題ではない。妹の前でおぞましい浣腸をされること自体が、強烈な責めとなった。
「かんにんして……」
「妹の前でたっぷり浣腸して、と言うんじゃ。せっかくのほうびじゃからのう。いやなら麗香にくれてやるぞ」
「ひッ、だめえッ」
由紀は夢中で叫んでいた。麗香を守りきれなかった由紀だ。これ以上、麗香を無残な姿にするわけにはいかない。
「麗香はだめッ、これ以上、麗香には何もしないで」
「ヒヒヒ、それなら由紀がほうびに浣腸されると言うんじゃな」
「ああ……さ、されます」
由紀はガックリと首を垂れた。
浣腸がどれほどおぞましく、恥ずかしいものか、由紀が一番よく知っている。そんなことを、犯されたショックに放心している麗香にさせることなど、できるはずがなかった。由紀が耐えるしかないのだ。
「されますじゃ何かわからないよ、由紀さん。はっきり言うんだ」
竜二が千五百CCのグリセリン原液を、キューッとガラスの筒に吸いあげながら言った。
由紀の総身が震えだし、歯がカチカチと鳴った。
「……妹の、妹の前で、由紀にたっぷりと……か、浣腸してください……」
由紀は気も遠くなる思いで、あえぎながら口にした。千五百CC、そしてグリセリンの原液……由紀の美貌はもう、血の気を失って蒼白だった。
「由紀に……由紀に浣腸して……妹の前で、たっぷりと浣、浣腸して……」
由紀は何度も言わされた。それを聞くと、男たちは欲情の笑いをあげた。
竜二が千五百CC、たっぷりとグリセリン原液を吸いあげた浣腸器を手にかまえると、
「ああ、麗香、姉さんを笑わないで……こんなことされる姉さんを……見ないで」
シーツに顔を埋めて、由紀は泣きだした。
「さあ、由紀さん。ほうびの浣腸だよ、フフフ、じっくり味わうんだ。麗香も見ていてくれるからねえ」
竜二は由紀の臀丘を割って、嘴管の先をそっとあてがった。すでに指でほぐされている由紀の菊蕾は、楽々と嘴管の先を受け入れた。
「ああッ……」
冷たい嘴管の先に縫われて、由紀の菊蕾がピクッとすくんだ。竜二は深く沈めて、嘴管でこねるように由紀の菊蕾を弄ぶ。
ひッ、ひッと声をあげて、由紀は美貌をのけぞらせた。キリキリと歯をかみしばる。いくらかみしめても、声がもれ、身体が震えてとまらなかった。
「フフフ、おいしそうに咥えて、まるで乳首に吸いつく赤ん坊の口だな」
竜二はうわずった笑いを浮かべながら、嘴管でさいなみつづけた。
「あ、あ、そんな……ひと思いに……」
「フフフ、せっかくのほうびだから、じっくり楽しませてあげようという親心だよ」
「かんにんして……ああ、あッ、辱しめるなら早くすませてッ」
由紀は嗚咽しながら、双臀をうねらせた。こんなふうにじらされ、さいなまれるのはたまらない。浣腸は気も狂うほどのおぞましさ、恥ずかしさなのだ。どうせ逃れられないなら、ひと思いに、少しでも早く終わらせてほしい。
梅島に赤沢、李がニヤニヤと由紀をながめている。
「ヒヒヒ、浣腸器が由紀の尻の穴に、しっかり突き刺さっておるのがわかるじゃろ、麗香」
「大きな浣腸器だろ、あれで姉さんは千五百CCも尻の穴に入れられるんだ」
「千五百CC、わかるかい、お嬢ちゃん。フフフ、コーラのペットボトル一本分の量だぜ。そのうち、お嬢ちゃんにも所長がしてくれるさ」
いやらしく麗香に語りかけた。そのたびに、さるぐつわをかまされた麗香の顔が、ピクッとひきつった。由紀はそんなことを気にする余裕もなく、
「ああ、じらさないで……そんな……あ、あう、もう、もう、浣腸して……」
「好きなんだな、由紀さん。催促か」
竜二はゆっくりとポンプを押した。ゾクゾクと嗜虐の血が全身を駆けめぐった。何度やっても、このポンプを押す時の感じが、竜二にはたまらなかった。
ドクッ、ドクッとグリセリン原液が、由紀の繊細な粘膜を蝕んで流入してくる。
「あ、あ、ああ……」
総身の神経が、注入される一点に集中した。それがかえって注入を生々しく感じさせ、おぞましさに羞恥をカアッと昂らせる。
「あ、あ、たまんない……い、いやあ……」
少しでもおぞましい感覚を打ち消そうと、シーツをかみしばり、頭をふりたくるのだがだめだった。ずっと男の精を浴びせつづけられているようで、腰がひとりでに蠢きだした。
「なんだ、その腰の動きは。フフフ、浣腸のよさがわかってきたのかい、由紀さん」
「ち、違うわッ……あ、あ、いや、いや、いやあ……」
由紀はすすり泣きながら、狂おしげに双臀をうねらせている。流入するグリセリン原液は、腸管から全身へとしみこんでいくようで、爪先までがしびれていく気がした。
しだいにふくれていく腹部が、熱っぽくググッ、グウッと鳴った。それが、やがて襲ってくる気も狂うような破局の前ぶれであることを、由紀は思い知らされている。
浣腸器はまだ、三百CCの目盛りを刻んだばかりであった。
【第七章 地下牢の弄虐】
【1】
竜二は椅子に腰をおろし、両足を机の上へ乗せたかっこうで、ニヤニヤと笑いながらガラス製の巨大な浣腸器をみがいていた。
永峰由紀に使うため、特別につくらせた容量四千CCの注射型浣腸器だ。ガラス筒の化物みたいで、長さは四十センチほど、太さは一升瓶の倍近くもあった。
「クククッ……たまらねえな」
竜二はそれを由紀に使う時のことを考えて、思わず嗜虐の笑いをもらした。
昨夜は由紀を、妹の麗香の前で輪姦にかけ、竜二自身も由紀を犯した。夢中になって二度三度と由紀にいどみかかった。ひと晩に一人の女を何回も犯すなど、竜二には初めてのことだった。
そのあと、妹の前で由紀に浣腸までした。だが、麗香は途中で気を失ってしまい、最後まで見とどけさせることはできなかった。
「もう一度、妹の前で浣腸してやる必要があるな、フフフ、それもこの特太のやつでな」
あれやこれやと淫らな思考をめぐらせながら、竜二はゾクゾクと胴震いがとまらなかった。
浣腸器の他にも肛門拡張器や肛門用バイブレーター、何本もつながったソーセージに腸内診察コードなどが机の上に並べられている。すべて由紀の肛門責めに用いるため、特別にあつらえたものだ。由紀の肛門を限界まで開きっぱなしにして、排泄を調整できる人工肛門まであった。
由紀を犯した今、竜二はいよいよ本格的に由紀の肛門責めにとりかかる気なのだ。そしてまた、由紀を肛交で犯したいという竜二の欲望は、もう抑えきれないところまでふくれあがっていた。
女に生まれたことを心底後悔させてやる。見てろ、永峰由紀。妹の麗香の前で……いや、今度はまゆみも連れてきて、この特別あつらえの責め具を、ひとつひとつ使ってやる。そのうえで、由紀の肛門を俺のものにするんだ。フフフ、そうだ、こいつを友彦の奴に見せつけない手はない……。
竜二はてのひらがじっとりと汗ばむのを感じた。夫の友彦の前で由紀の肛門を責め、肛交で犯す……。竜二にとって、これほどの舞台はなかった。長年の夢を、いよいよ実行に移せる。
てのひらの汗をぬぐうと、竜二は電話に手をのばした。
「フフフ、今日の舞台に友彦の奴をご招待といくか。ジワジワと思い知らせてやるぜ」
学会で出張の友彦は、もうもどってきているはずだ。由紀がいないのでオロオロしているにちがいない。竜二はうれしそうにダイヤルをまわした。
その頃、女体管理部長の赤沢は、地下牢の前でニタニタと笑いながら、檻のなかに蠢く由紀の白い女体をながめていた。
「へへへ、永峰由紀、まったくいい女だ。勝気そうなその美しい顔といい、ムチムチした身体といい、味のほうだって最高だぜ。奥さんのようないい女は、初めてだ」
赤沢は舌舐めずりしながら言った。
輪姦で由紀を犯してからというもの、すっかり由紀に夢中の赤沢なのだ。眼がギラギラと光っている。それは、女を物か欲望のはけ口としか見ないけだものの眼だった。
由紀は妹の前で輪姦され、浣腸までされたショックがまだ醒めず、後ろ手に縛られた裸身を、檻の奥にちぢこまらせてうなだれていた。それでも、いつ赤沢の手で檻から引きずりだされるのかという恐怖に、時々おびえた顔をあげた。
だが、それ以上におびえているのは、由紀の背中に隠れるようにちぢこまっている麗香だった。
「お、お姉さん……」
すすり泣くような声で言ったものの、麗香は口もきけずに、おびえきっていた。麗香の裸身がブルブルと震えている。身体が引き裂かれるのではないかと思うほどの痛苦……処女を失う瞬間は、麗香にとって死にもまさる恐怖と羞恥だった。またあんなひどい目にあわされるのかと思うと恐ろしさに眼がくらみそうだった。
だが、赤沢の眼はギラギラと由紀に向けられていた。
「永峰由紀、ヘヘヘ、こっちへ来いよ」
赤沢はいやらしく手招きした。妹の麗香に勝手に手を出すことは、所長の梅島に固く禁じられている。それだけに、赤沢は麗香への欲望をも、由紀一人にぶつけてくる。
「どうしたい。昨夜は輪姦でいい思いをしすぎて、口をきく元気もないほど、疲れたってえのか、奥さん」
赤沢はいやらしく由紀をからかった。
だが、由紀が何も言おうとしないと、赤沢は細い竹を持ちだしてきた。先に大きな筆がつけられている。それを檻の格子の間から差しこんで、奥にちぢこまっている由紀にのばした。筆の穂で、由紀の肌をスッ、スッと撫でる。
「な、何をするんですッ……あ、あッ、やめてッ」
由紀は身をよじって悲鳴をあげた。
縄に上下を絞りこまれた乳房に、すくめた太腿、わき腹へと、穂先は由紀の敏感な箇所を的確に狙って這ってきた。そのたびに、由紀は背筋に震えが走った。
「やめて、やめてください……ああ、あ、こんなことをして、なんのつもりなの」
「ヘヘヘ、こっちへ来いと言ってんだよ」
檻の中まで入ってこようとしないのは、梅島や竜二がいないのをいいことに由紀にいたずらをしかける後ろめたさがあるからにちがいない。赤沢は、由紀を格子のところまで来させようと、盛んに手招きした。
「俺と仲よく腰をふり合った仲じゃねえか。いい気持ちにしてやるから、こっちへ来いよ、奥さん」
「い、いやですッ、誰が、誰があなたなんかと……」
由紀が激しくかぶりをふると、赤沢はいっそう竹を動かして、穂先を敏感なところへ這わせてきた。いくら身をよじっても、狭い牢のなかで後ろ手に縛られている身では、どうすることもできなかった。
「い、いや……あ、あ、やめてッ」
穂先が這う肌が震えて熱くなる。どんなにおぞましいと思っても、性感をさぐりあててくる愛撫にはちがいなかった。それでも寄ってこようとしない由紀に、赤沢は業を煮やした。
「どうしても俺のそばへ来ねえというんだな、奥さん」
「いや、いやですッ」
「そうかい、ヘヘヘ、いやって言うならしようがねえな」
赤沢は今度は、由紀の後ろの麗香を狙いはじめた。穂先がスッと麗香の乳房を這う。
「ああ、いや……」
麗香が悲鳴をあげた。まるで男の舌で舐めあげられるようだった。それが、昨夜の梅島に犯された時の恐怖をひときわ呼び起こすのか、麗香は泣きだした。
「やめて、麗香にいたずらしないで……」
由紀がいくら泣き叫んで、麗香をかばおうとしても無駄だった。
「ヘヘヘ、これも奥さんがいやがるから悪いんだぜ。奥さんがだめなら麗香にかわらせるしかねえだろうが」
ゲラゲラ笑いながら、赤沢は巧みに麗香に竹をのばした。のばしながら、由紀の反応をうかがう。明らかに赤沢の関心は由紀にある。
「やめてッ。お姉さん……あ、ああ、た、助けてえ……」
麗香がおびえの悲鳴をあげ、泣きじゃくった。犯されることで処女を失った麗香にとって、いやらしくのびてくる穂先は、恐ろしい男の蛇にも思えた。
「やめてちょうだいッ、妹にかまわないで……由紀がそこへ、そこへ行きますから……」
血を吐くように由紀は屈服の言葉を叫んでいた。妹の処女を毒牙から守ることのできなかった由紀だ。これ以上、麗香につらい思いをさせたくない。
「やめてほしけりゃ、奥さんがこっちへ来ることだ」
「い、行きます。ですから妹には……」
「ヘヘヘ、ここへ来るほうが先だぜ、奥さん」
由紀は唇をかみしめると、赤沢のいる格子の前へ身を進ませた。横向きで片膝を立て、少しでも肌を隠そうと上体を膝に伏せる。
「こっちを向いて、身体をよく見せろ」
赤沢は血走った眼をいっそうギラつかせ、ペロリと舌舐めずりした。由紀は上体を起こして、身体の正面を赤沢にさらした。豊満な乳房が悩ましげにゆれる。
「そんなんじゃ見えねえぜ。オマンコまではっきり見せろ」
「ああ……かんにんして……」
「膝を立ててパックリ開くんだよ、奥さん」
早くしねえと、また妹が泣くぜといわんばかりに、赤沢は竹を意地悪くふってみせた。弱々しくかぶりをふった由紀は、屈辱にワナワナと震えながら、床に双臀を落とした。両膝を立てて左右へ開く。両脚をMの字に開く浅ましい姿勢だ。
クククッと笑うと、赤沢はかがんでのぞきこんだ。肉感的な太腿は、あられもなく開ききっていた。その奥に、あるべき女の茂みを剃りあげられた恥丘が、妖しく光る肌を見せ、媚肉の合わせ目をはっきりのぞかせていた。
「いいながめだ。そそられるぜ」
赤沢は低く情感のこもった声で言った。
由紀は唇をかみしめ、屈辱に震えていた。スッと媚肉の合わせ目がなぞられた。今度は赤沢の指だ。赤沢はかがみこんでのぞきながら、格子の間から手を差し入れて、由紀の媚肉をまさぐりに来る。
「ああッ、いやッ」
由紀は本能的に両膝を閉じ合わせ、赤沢の指から逃れようとした。
「ほれ、おとなしくオマンコを触らせねえかよ、奥さん。おっぴろげろ」
片手に持った竹をふって、赤沢は奥の麗香を狙うふりをする。麗香がおびえた悲鳴をあげると、由紀はあわてて、また膝を開いた。膝がガクガクと震えてとまらなかった。
赤沢の指先が、媚肉の合わせ目をなぞってきた。媚肉がくつろげられ、秘められた肉襞がサーモンピンクの妖しい色合いを見せて、生々しくさらけだされた。
「いや……」
指を感じて由紀は背筋をおののかせながら、双臀をよじり、両脚を閉じ合わせる動きを見せた。
「じっとしてるんだ。いやなら妹の麗香をいじってもいいんだぜ、ヘヘヘ、もう男を知った麗香だからな」
格子の間から差しこまれた竹が、麗香の前でゆれている。由紀が逆らえば、すぐにでも麗香に襲いかかりそうな勢いだ。
麗香はおびえきって、声もなく嗚咽していた。眼の前でゆれる竹がおびえを誘い、赤沢にいたぶられる姉の姿が、犯された恐怖を呼び起こす。
そんな妹のことを思うと、由紀は逃げられなかった。赤沢の指が蠢くたびに、由紀はかぶりをふり、唇をかみしめたまま泣き声をあげた。
「あ、あ……そんな……」
指が女の最奥へ沈んでくる。媚肉がかき分けられて、女芯にも指はのびてきた。
「ああ、そ、そこはかんにんして……」
羞恥と屈辱に、由紀は総身がカアッと灼けた。妹の前で自分から両脚を開き、赤沢の指に身をゆだねるおぞましさに、由紀は背筋に汗を噴いて泣きはじめた。
どんなにおぞましくとも、妹のことを思うと、M字に開いた両脚を崩し、赤沢の指を拒むことはできない。
「ヘヘヘ、敏感だな。もう濡れてきたじゃねえか」
「いや、妹の前で言わないで」
敏感な女芯をいびられて、由紀は泣き声を高めて腰をよじった。夫との愛の営みではぐくまれた人妻の感受性に富んだ性は、由紀の意思に関係なく反応してしまう。ツーンと身体の芯がしびれ、ジクジクとにじませる。
「好きなんだな、奥さん、ヘヘヘ、もう腰をふりだしやがってよう」
「ああッ、いや……いやいやッ」
由紀は腰をよじって泣いた。逃げることもできず、弄ばれて感じる自分がみじめでつらかった。
「こんなに濡らして、キリキリ肉をからみつかせてきやがって、フフフ」
「いやッ」
「いやじゃねえ。うれしいくせしやがってよう、永峰由紀」
赤沢はうれしそうに笑うと、いきなり由紀の足首をつかんだ。格子にそって、上へ持ちあげる。
「ああ、いや、何をするんです」
あお向けに倒されて、由紀は狼狽の声をあげた。いくらもがいてもだめだった。足首がまっすぐ上へ持ちあげられ、鉄格子にそれぞれ縛りつけられた。
由紀は檻のなかであお向けにされ、双臀を格子に押しつけるようにして、両脚をVの字に吊られるという、あられもないかっこうにされたのだ。
「これでどこをどう触ろうと、もう思いのままだぜ」
赤沢はニヤニヤと眼を細めた。
開いた太腿の付け根に、由紀の女の花園が咲き誇っていた。すっかり剃られているので、媚肉の合わせ目が奥まではっきり見えた。それはすでに妖しく濡れそぼっていた。
赤沢は指をのばして、再びまさぐりはじめた。媚肉が指先にとろけるようだ。
「ああ……いや、こんなかっこうで……いやです」
妹の麗香がいるせいか、それともまだ昨夜の衝撃にうちのめされているのか、由紀は弱々しく声をあげて、右に左にと頭をふりたくった。
「どうして……言う通りにしているのに、どうして、こんなふうに縛ったりするんです」
「ヘヘヘ、縛らなきゃ、とてもじっとしていられないことをしてやろうと思ってな」
赤沢の手に綿棒があった。
そんなもので何を……と思っている間にも、思いもかけぬところが襲われた。
「ひッ……いやッ」
由紀は顔をのけぞらせた。
媚肉の合わせ目が大きくくつろげられたかと思うと、綿棒の先が尿道口に触れてきたのだ。ゆっくりと回転しながら押し入ってくる。
「い、いやッ、そんなところッ……」
「小便を出してみせな、奥さん。ほれ、こうすると、したくなるだろう」
赤沢はゆっくりと綿棒を押し入れていく。ひッ、ひッと由紀は悲鳴をあげた。そんなところにいたずらされるなど、信じられないことだった。
竜二に梅島と李、そしてまた赤沢と、ここが狂った変質者の巣窟であることを、まざまざと思い知らされた。赤沢はうれしそうにケタケタ笑っている。
「どうだ、小便する気になったか、奥さん」
「いやッ、そんなこと、できるわけがないでしょう……や、やめてえ」
「そうかい。まだ出してみせる気にはなれねえってのか」
スーッと綿棒をさらに押しこまれて、由紀はひいッとのけぞった。
「やめてッ……い、痛い……」
そんなところに異物を咥えこまされているおぞましさと、みじめさに由紀は泣きだした。
「オマンコや肛門をいじめられるのもいいだろうけど、こいつもなかなかのもんだろ、奥さん。女って動物はどこの穴でも感じるからよ」
「痛い……う、うむ……」
深く押しこまれて、由紀はうめいた。鋭い痛みに腰がよじれて、ブルブルと震えた。
もう綿棒は半分以上も、由紀のなかへもぐりこんでいる。それを赤沢は、ゆっくりねじりこむようにさらに押しこんだ。繊細な身体の奥が刺激される。
「ひいッ……」
鋭い悲鳴をあげて、由紀の腰のあたりがビクンと苦痛を表わしたかと思うと、深く突き刺さった綿棒の周囲から、チョロチョロと泉が流れでた。
「あ、あ……」
それは由紀の意思に関係なく、次々と流れでてくる。
「小便が出てきたぜ、おっとと……」
赤沢は格子の間から手を差し入れて、由紀の腰を抱き寄せ、流れでる清流を口で受けようと、顔を突きだした。唇を尖らせ、ベチョッと吸いついた。
「ひッ……なんということを……いや、いやッ、離れてッ」
唇で吸いつかれる不気味な感触に、由紀は震えあがった。顔をのけぞらせ、ヒュッと息を吸いこむ。背筋に悪寒が走った。
赤沢は夢中で清流をすすっている。ゴクゴクと喉を鳴らしては、舌をのばして、突き刺さった綿棒のまわりをグチュグチュと舐めまわす。
「うめえぜ。奥さんのようないい女は、小便までうめえ。極上の女酒だ、ヘヘヘ」
熱い息を吐いて、うなるように言うと、赤沢はまた、いっそう強く吸いついていく。
「いやあ……もう、いや、いや、やめてえッ」
豊満な乳房をブルブル震わせて、由紀は泣いた。
まるで蛭か吸血鬼に血を吸われているような、不気味な汚辱感だった。いくらもがいても、赤沢の唇は離れなかった。綿棒で導尿されている。流れでる清流を押しとどめる術もなかった。
檻の奥では、あまりにも恐ろしい光景に、麗香が顔をあげられずに、むせび泣いている。赤沢が姉の由紀の股間に顔を埋め、女にとって最も恥ずかしいところに唇を吸いつかせ、尿水をすすっているなど、麗香にとっては悪魔の仕業としか思えなかった。
ようやく赤沢が顔をあげた。口のまわりがベトベトに光り、赤沢はペロペロと舌舐めずりした。
「いい味だったぜ、奥さん。こんなうめえ小便なら、毎日飲んでやるからな」
赤沢はうわずった声で言った。その顔は、由紀の尿水を飲んだことで、いっそう欲情が昂るのか、嗜虐の色をじっとりとにじませていた。
「く、狂ってるわ……こんなことをして、あなたは普通じゃないわ、変態よッ」
由紀はすすり泣きながら口走った。汚辱感と屈辱に、ハアハアと汗ばんだ腹部をあえがせている。
「ヘヘヘ、狂ってるともよ。俺は奥さんの身体に狂ったんだぜ。狂ったところで、女酒で精をつけたことだし、ひとつお楽しみといくか」
赤沢はズボンを脱いで、すでにたくましくそそり立った肉塊を、ブルンとふって見せつける。
由紀は、ひいッと息を呑んで顔をそむけた。
「いや、それはいやあッ」
由紀はけたたましい悲鳴をあげた。狂ったように裸身をもがかせる。由紀は両脚を鉄格子に吊られ、双臀はぴったり鉄格子につけられている。檻の外からでも、犯すぐらいは雑作もなかった。
「いや、いやあ……」
「ヘヘヘ、そういやがるもんじゃねえ。昨夜はたっぷりとこいつで楽しんだろうが」
「いやあッ、妹の前ではいや、いやよッ」
由紀の悲鳴を無視して、赤沢は吊りあげていた由紀の太腿に手をまわすと、ゆっくりと腰を突きだしていった。火のような灼熱が、由紀の媚肉に触れた。
その時突然、廊下のベルが鳴った。由紀を連れてこいという、竜二からの合図だ。
「ちくしょう。これからという時に……」
ついてねえぜ……赤沢はいまいましそうに言った。
【2】
赤沢は、薄暗い地下の廊下を、由紀を引きたてていた。
由紀は一糸まとわぬ全裸を後ろ手に縛られ、足には黒のハイヒールをはかされた姿だった。官能美あふれる由紀の臀丘が、足を運ぶたびにムチッと悩ましくゆれた。
その双臀を、縄尻を持つ赤沢が後ろから、よだれを垂らさんばかりにながめている。九十一センチの見事なまでの由紀の尻だ。
「いつ見てもたまらねえ尻してやがる。さっきは犯れなかったけどよ、必ず折りを見てその尻を犯してやるぜ」
赤沢はまぶしいものでも見るように、眼を細めた。
「それにしても竜二先生も好きだぜ。きっとまた肛門責めだろうな、奥さん。ヘヘヘ、もっともこれだけの尻を見ちゃ、浣腸したくなるのも無理ねえか」
由紀はうなだれたまま、何も答えなかった。屈辱に肩だけがブルブル震えていた。
エレベーターに乗って地下の実験室から、地上二階の研究所へあがった。竜二の専用研究室へ連れこまれる。
ブラインドを通して、陽が差しこんでいた。由紀にとって、ひさしぶりの陽光だった。薄日なのに、とてもまぶしく感じる。
竜二は白衣をまとい、窓の前を往ったり来たり落ちつかなかった。いつになく神経が昂っている。連れてこられた由紀に気づくと、
「来たね、由紀さん、フフフ……」
待ちかねていたように顔を崩し、足早に歩み寄った。由紀はハッとして、顔を伏せた。昨夜はとうとう竜二に、さんざん犯された。まともに竜二の顔が見られない。
「フフフ、気分はどうかな、由紀さん」
竜二は由紀のあごに手をかけ、うなだれた顔をあげた。
ゾクッとさせられる美貌だ。唇をかみしめ、固く眼を閉ざして必死に感情を押し殺しているが、かえって妖しい色気を感じさせる。由紀は何も言わなかった。
「冷たいんだな、由紀さん。僕に抱かれてヒイヒイ泣きながら、腰をふった仲じゃないか。フフフ、何回も犯ったんだよ。忘れたのかい」
竜二は意地悪く言った。
あごにかけた竜二の指に、由紀のかすかな震えが伝わってくる。必死に屈辱に耐えている風情だ。
「もう由紀さんと僕は男と女の関係、フフフ、由紀さんは僕の女になったわけだ。友彦の奴なんかより、ずっといいはずだよ」
「…………」
「これからは、僕の女として、容赦なく実験にかけるからね。特に由紀さんの肛門には、これからもっとみがきをかけてあげるよ」
「…………」
由紀は何も言おうとしない。それでもじょじょに、美しい顔がこわばったまま、血を昇らせていく。そんな由紀を、メロメロに崩し、泣きわめかせることを考えると、竜二はもう、たまらなくなってゾクゾクした。
「あれだけ責められても、まだだんまりかよ、奥さん」
縄尻を持つ赤沢は、由紀が竜二に対してひときわかたくなな態度を見せるのが驚きだった。それだけ竜二を憎み、嫌悪しているということか。
「竜二先生、口を開かせましょうか」
赤沢が言うのに、竜二は首を横にふった。由紀が自分を憎み、嫌悪し、かたくなになればなるほど、逆に竜二の嗜虐の血は昂り、騒ぐ。
「フフフ、この気の強いところがいいんだよ」
「しかし……甘やかしては、こういう女はつけあがりますぜ。ビシビシ責めなくちゃ、竜二先生」
「わかってるさ。もう手は考えてある、フフフ……それに、浣腸でもしてやりゃ、いやでも口を開くさ」
浣腸という言葉に、ピクッと由紀の頬がひきつった。みるみる頬が灼けた。竜二の手が由紀の双臀を、スルッと撫でまわすと、由紀はハッと眼を開いた。
「け、けだものッ」
吐くように叫んで、竜二をにらみつける。
「どこまで辱しめれば気がすむというの……妹、妹までもおもちゃにして、あなたは、けだものだわッ」
「フフフ、そうこなくっちゃ。気の強い由紀さんにもどってもらわなくちゃ、今日の舞台はおもしろくない」
竜二はうれしそうに笑った。
竜二は赤沢に手伝わせて、由紀を診察台に乗せた。あお向けに乗せて、腰をベルトで固定し、両脚を大きく開かせて、天井から吊った棒の両端のベルトに固定した。
由紀は低くうめくだけで、唇をかみしめたまま、ひと言も発しなかった。両脚は開ききっている。そして綺麗に剃りあげられた恥丘を割るようにして、媚肉の合わせ目がくっきりとさらけだされていた。さっき赤沢の手と口でいたぶられた媚肉は、そのあとも生々しく充血し、しとどに濡れそぼっていた。
「フフフ、赤沢部長、つまみぐいしたんじゃないのか。そうでなきゃ、こうは……」
「永峰由紀があんまり色っぽいんで、つい……ヘヘヘ、このことは所長には、内緒にしてくださいや、竜二先生」
赤沢は照れ笑いをして、頭をかいた。
竜二は別にとがめもしない。それどころか、赤沢が由紀に夢中なのが、うれしいようですらあった。
「いくらでもつまみぐいしなよ。僕には関係ない。由紀さんの肛門以外ならね」
「そう竜二先生に言ってもらえば、気が楽になりますぜ。ヘヘヘ、実は……」
赤沢はへらへらと笑いながら、由紀の尿道口をいたぶったことを口にした。竜二はそれを聞いて、ゲラゲラとうれしそうに笑った。二人のいやらしい会話に、由紀はかぶりをふり、声をかみ殺して肩を震わせている。
「ところで、由紀さん。友彦の奴に電話したんだけど、由紀さんがいなくなったってオロオロしてたぜ」
だしぬけに竜二は言った。ハッと由紀は顔をあげ、竜二を見た。唇がワナワナ震えている。
あ、あなた……友彦さん……。
由紀は胸のうちで、愛する夫の名を呼んだ。
竜二にここへ連れこまれてもう何日がたつのか。由紀は、夫の友彦が出張からもどっていることを思いだした。
「友彦の奴、自分の女房が誘拐されて犯され、浣腸までされているとも知らず、由紀がどこへ行ったか知らないかときた。まったくおめでたい野郎さ」
「い、言わないでッ……」
由紀は激しくかぶりをふった。だが、竜二はやめない。意地悪く由紀に語りかけた。
「それとも友彦の奴に言ってやりゃあよかったかな。由紀さんは僕の肛門実験用の牝として、これから浣腸されるところだってね、フフフ。ねえ、由紀さん」
「いやあッ、いや……友彦さんに、そんなひどいこと言わないでッ」
「だって本当のことだろう、由紀さん。夫婦の間で隠し事はよくないよ、フフフ。そうか由紀さんはもう僕の女だったね」
由紀は泣きだした。それまでこらえていたものが、一気に崩れたかのように、
「だ、誰があなたの女なんかに……けだものッ、鬼ッ」
由紀は、総身を揉みゆすって号泣した。竜二は赤沢と顔を見合わせて、へらへらと笑った。
「ヘヘヘ、まだ泣くのは早いぜ、奥さん」
赤沢がからかえば、
「そうそう。泣くのはこれからだよ、由紀さん。僕の女になった以上、容赦なく実験にかけると言ったでしょうが」
竜二も嗜虐の興奮にうわずった声で言った。
「フフフ、それにしても友彦の奴のことを言うと、由紀さんがこうも狼狽するとは……思った通り、最高の舞台になりそうだ」
舞台……いったいなんのことか。泣きながら竜二の眼を見た由紀は、ゾッとした。まるで眼のなかに淫虫でも蠢いているような、狂人のそれだった。何かとてつもなくひどいことを、恐ろしいことを考えているにちがいない。
「由紀さん、それじゃ本日の舞台の幕開けといこうかねえ」
竜二は手ぬぐいを取りだすと、いきなり由紀の口にかませた。
「ああ、何を……ううッ」
由紀の声はさるぐつわに押し殺された。
激しくかぶりをふり、吊りあげられた両脚をうねらせる由紀は、恐怖におののいていた。何をされるのか、どんな恐ろしい実験にかけられるのか……。そう思うと、生きた心地もない。
だが、竜二と赤沢はニヤニヤと笑うばかりで、すぐには何もしかけてこなかった。煙草を口に咥え、由紀の裸身をながめながら、何かを待っている。それが、かえって由紀の恐怖と不安をふくれあがらせる。
「ううッ、うッ」
由紀はさるぐつわの下で、おびえのうめきをもらした。
コンコンと研究室のドアがノックされる音がした。竜二と赤沢がニヤッと笑って、立ちあがった。竜二がドアに向かうと、赤沢はカーテンを引いて診察台と由紀の裸身を隠した。自分もカーテンのなかに隠れて、
「ヘヘヘ、奥さん、いよいよ地獄のはじまりだせ。恨むなら、奥さんが美しすぎたってことを恨むんだな」
赤沢は低く笑った。
いったい何がはじまるのか……由紀にはわかるはずもない。ただ、気も遠くなるような不安のなかで、総身を固くするばかりだった。
【3】
李の声がする。李の案内で誰か入ってくる気配がした。カーテンが引かれているため、由紀には部屋のなかが見えなかった。ということは、向こうからも由紀が見えないはずである。
はじめは、また妹の麗香を連れてきて、その前で嬲る気かと思った由紀だが、李が案内してきたところを見ると、妹ではない。誰なのか。由紀は不安に耳をすました。
竜二と話す男の声が聞こえた。その声を聞いた由紀は、自分の耳を疑った。
「竜二、由紀の姿が消えたんだ。頼む、力になってくれないか」
男の声は弱々しかった。その声が、まぎれもなく愛する夫のものであることを知った瞬間、由紀は驚愕に顔がひきつり、凍りついた。
ひいッと息を呑んだ由紀は、
「あ、あなた、あなたあッ」
夢中で叫んでいた。
だが、必死の叫びもさるぐつわのため、くぐもった低く小さいものにしかならなかった。
あなた、助けてッ……ここよッ!……
由紀はうめきつづけた。
だが、夫の友彦には聞こえない。カーテンの向こうで、竜二がしらじらしい言葉を口にしていた。
「あの由紀さんが蒸発だなんて、まったく信じられないよ、友彦」
「さがすところは全部さがした。頼みは君だけだ……」
必死に由紀をさがしたのだろう、心身の疲れが友彦の声にも出ていた。
そんな友彦が、竜二からの電話にとびつき、李の迎えの車に乗ってきたことは、充分に推測できた。ワラにでもすがりたい気持ちなのだろう。
「心当たりがないこともないんだが……」
竜二は思わせぶりな口調で言った。友彦の肩をたたいて、落ちつけとソファに座らせると、竜二はカーテンの裏へまわった。
「診察中だったので、ここから話させてもらうよ、友彦」
カーテンから顔だけ出して、竜二は言った。由紀はさるぐつわの下で悲鳴をあげ、裸身を硬直させた。竜二がカーテンに隠れて、由紀の内腿にいやらしく手を這わせはじめたのだ。
はじめは我れを忘れて夫の名を叫んだ由紀だったが、竜二に肌をまさぐられて、自分が両脚をあられもなく開いて吊られている全裸なのに気づいた。カーテンの向こうには夫がいる。妻として、とても見せられるかっこうではなかった。夫がこっちへ来たら……そう思うと、由紀はもう、生きた心地もなかった。無理やり犯され、弄ばれたとはいえ、まともに夫に顔向けできる身体ではないのだ。
あ、あなた……。
由紀はさるぐつわをかまされたまま、嗚咽しはじめた。
その間にも竜二の指は、ネットリと肌をまさぐってきた。内腿が撫でまわされ、乳房がいじりまわされる。
「手がかりになるかどうか……先日、由紀さんが精神科の僕のところに、夫には内緒にしてほしいと相談事でやってきたんだ」
竜二はもっともらしい口調で、つくり話をする。
「君とのセックスが不満だと言うんだよ」
「そ、そんなはずはない」
友彦は真剣な顔で言った。毎晩とはいかないまでも、心から由紀を愛してきた友彦だ。
「いや、由紀さんには、少し変わった好みがあってね。肛門がひどく感じるそうだ。A感覚というやつだよ。友彦が由紀さんの肛門に触れようとしないのが不満なんだそうだぜ」
そう言いながら、竜二は由紀の臀丘に手を這わせ、はざまの菊蕾に指をすべりこませた。可憐な由紀の菊蕾は、あられもなく剥きでている。
ああッ、いやッ……。
由紀はかぶりをふりたくった。カーテン一枚をへだてて、愛する夫の前でおぞましい排泄器官をいじられ、由紀は今にも気が狂いだしそうだった。
竜二はまだ、しらじらしくしゃべりつづけている。
「友彦、由紀さんの肛門に指を入れたことがあるのか?」
「いや、そんなことは……」
「問題はそこだな。由紀さんは指で肛門をいじくりまわされたい、という欲求にさいなまれていたんだ」
竜二は平然とうそぶいた。
う、嘘よ……あなた、あなた、そんなこと嘘だわッ……。
由紀は叫んだが、夫には聞こえるはずもない。竜二の指先が、ゆるゆると菊蕾を揉みほぐしてくる。ほぐしながら、指先がゆっくりと蕾を割って入ってきた。
ああッ、いやあ……。
何度経験させられても、吐気をもよおすおぞましさだ。毒を含んだその感覚に胴震いがとまらない。
「ヘヘヘ、恋しい亭主がいると思うと、いっそう感じるだろ、奥さん」
赤沢が、激しくふりたくろうとする由紀の頭を押さえて、耳もとで低くささやいた。
いつもより、締めつけがきついようだ……。
竜二の指はそう言っているように、ゆっくり回転しながら深く入ってきた。
いやあ……。
由紀は腰をよじって、さるぐつわの下で泣いた。
「由紀がそんな……信じられない」
友彦がつぶやいた。
あの美しく気品あふれる妻が、肛門の愛撫を好むなど、友彦には信じられなかった。そしてまた、そんなことを、たとえ精神医とはいえ、友人の竜二に相談するなどということも友彦には信じられなかった。だが、どんな手がかりでも欲しい友彦には、竜二を疑う余裕はなかった。友人として信じきっている。
「僕だって信じられないくらいだよ……だが、よくあるだろう、性的に満たされなくて人妻が蒸発するってのが」
「バカ言うなよ。由紀に限って……」
「しかし、由紀さんが内科へ行って肛門検診や浣腸をねだったという情報も入っているしな」
「ほ、本当なのか。内科の誰だ」
「落ちつけ、友彦。あくまで噂だ」
竜二は腹のなかで、ペロリと舌を出した。普通なら、信じられないような会話にもかかわらず、妙に不自然さを感じさせないのは二人が医者のせいだろうか。
いや、いやあ……言わないで。嘘、嘘よッ……あなたあッ……。
由紀は竜二の指で菊蕾をえぐられ、意地悪い言葉にさいなまれながら、泣きじゃくった。
「うッ、う、う……」
由紀の低いうめき声がもれるのだが、友彦はそれを気にする余裕を失っていた。頭のなかには、姿を消した由紀のことしかない。
「由紀……本当に僕への性的不満で……ああ、どこへ行ったんだ。僕には信じられない……」
友彦は頭をかかえこんでつぶやいた。
竜二はニッと笑った。ドアの外には李が立ち、赤沢もいる。万が一カーテンの裏の由紀に気づかれても、あわてることはなかった。
フフフ、まぬけな野郎だ。女房の由紀がここにいるとも知らずによう。ほれ、俺は今、由紀の肛門に指をねじこんでいるんだぜ……。
竜二は大胆になった。カーテンを少し開いて、由紀の腰のあたりが友彦にも見えるようにすると、
「なあ、友彦。由紀さんのような美人で上品な人妻に欲求不満型が多いんだよ。今、僕が診察している患者もそうでね」
竜二は指に変えて、ゴム製のイボイボつき肛門用張型を使いはじめた。由紀の菊蕾は指のいたぶりで、水分を含んだ真綿のようにほぐれていた。楽々と呑みこんでいく。
あッ、ああッ、入れちゃいや、いやあッ……あなた、あなたあ、助けてッ……。
押し入れられた深さに、由紀は眼がくらんだ。イボイボが腸襞を激しくこすりつけてくる。
い、いやあ……う、ううむ……。
由紀は腰をふりたてつつ、泣き声を噴きこぼした。
「そんなに歓ぶなよ。尻のあたりは亭主に丸見えなんだぜ、奥さん」
赤沢がささやく。
ひッと由紀は総身を硬直させた。下半身だけとはいえ、愛する夫に見られているのかと思うと、気が狂いそうだった。
「ヘヘヘ、俺も手伝ってやるからな」
赤沢は由紀の乳房に唇で吸いつきつつ、肛門用張型が埋めこまれているわずか上方、開ききった媚肉に手を這わせはじめる。
竜二の眼は嗜虐の欲情に、いやらしく笑っていた。だがその顔は、友彦の手前、笑ってはいなかった。
「見えるだろ、友彦。こうやって肛門をいじくりまわすと歓ぶのがこの患者の症状でね。こっちへ来て、よく診てみないか」
竜二は友彦を誘った。
だが、友彦は顔を横にふる。友彦の眼にも診察台の上の女体の下半身が、横から見えていた。黒いゴムのイボイボが、女体の臀丘に埋めこまれているのもわかった。いつもなら、そんなバカな診察はやめろととめに入る友彦も、今は由紀のことで頭がいっぱいで動こうとはしなかった。まさか、眼の前で菊蕾をいじられている女が、妻の由紀だとは夢にも思わない様子だ。
あなた、あなたあ……。
叫ぶ間にも、張型が淫らにあやつりだされ、えぐられ、こねくりまわされる。夫の前だというのに、下半身をさらけだされ、おぞましい排泄器官にそんな物を深々と受け入れさせられている現実が、由紀には信じられなかった。
張型のイボイボが、菊蕾と腸管の襞にこすれる。赤沢の指も、それに合わせるように女芯をつまみ、グリグリとしごいてきた。背筋が震えだし、身体の芯がしびれてくる。
死にたいほどの恥ずかしさとおぞましさが、ツーンツーンと湧きあがる快感とともに由紀をくるんだ。いくらこらえようとしてもだめだった。総身が火のようになって、その炎がドロドロと肉をただれさせていく。
いや、いやあ……ああ、あ、だめえ……。
由紀はあえぎ、泣き、うめきながら、ひとりでに腰をふりたてていた。夫に見られているのだ。いけない、浅ましいと思いながらも、張型と指で弄ばれる肉は、うつろになるほどの快美を求めて、敏感なまでに反応した。もうとめどがなかった。
かんにんして……ああ、いや、いやッ……たまらないッ……。
由紀はかぶりをふりたくって泣いた。
本当に気が狂いそうだった。ゴムの張型が由紀の菊蕾を深くえぐりこむたびに、カアッと身体の芯が灼けた。快美のうねりはしだいに高まってくるのではなく、一気にカアッと燃えあがるのだ。
あなた……あなたあ……あうッ……。
夫を想う意識さえ、うつろになっていく。そのなかで、張型のイボイボが菊蕾の肉襞を灼き、動きにつれてめくりだし、まためくりこむ感覚だけが、妖しくふくれあがっていく。いびられる乳首と女芯も、痛いまでに固く突起して肉の快美をふくれあがらせた。
「由紀さんがまさかと思うかもしれないけど、良家の人妻で品のある女ほど、肛門が弱いんだ。この人妻の乱れようを見ればわかるさ、友彦」
竜二はしらじらしい口調で、友彦をからかっていた。
大胆にもさらにカーテンを開いて、由紀の裸身を胸のあたりまでさらけだした。もう、由紀の下半身は両脚を天井から吊られた姿勢で、丸見えだった。ゴムの張型が、由紀の双臀に淫らに蠢いている。
友彦が冷静な判断力を失っていなかったら、診察台の女体が縄で縛られていることに、不審を抱いただろう。そして、眼の前の哀れな女体が、愛する妻の由紀であることに気づいたにちがいない。だが、今夜の友彦は、由紀が消えたショックに顔もあげられず、頭をかかえてうなるばかりだった。竜二は、由紀が息も絶えだえにあえぎだしたと知ると、眼で赤沢に合図を送った。ここで由紀を犯すんだ……竜二の眼はそう言っていた。この突然の合図に喜んだのは、赤沢だった。
「ほ、本当にいいんですかい、竜二先生」
そうささやきながらも、赤沢は早くもズボンをおろしていた。檻のなかの由紀を犯す直前に待ったをかけられた赤沢だった。それだけにずっと生煮えの状態に置かれており、地獄で仏の気持ちだった。
赤沢は素早く、吊りあげられた由紀の両脚を胸のほうへ押しつけるようにして、上からのしかかった。
ああ、何をする気なの……。
由紀はうつろな瞳を驚愕に見開いて、たくましい赤沢の肉塊が迫るのを見た。犯される……あわてて腰をよじって避けようとした時には、火のような灼熱が媚肉に分け入っていた。
ああッ、いやあッ……夫の前ではいや、いやあ……助けて、あなたあッ……。
由紀はうめきながら腰をよじった。夫の前で犯されるなど、由紀には信じられない。しかし、灼熱の肉塊は、たくましいまでにググッと沈んできた。
「ううッ、うむ……ううむ……」
悲鳴がくぐもったうめきとなって、さるぐつわからもれる。めりこんでくる感覚に、いやおうなく総身が炎にくるまれ、顔がのけぞった。
由紀の熟れた性は、待ちかねたように赤沢にからみつき、さらに深く咥えこもうと蠢くのがわかった。夫の前で犯されているというのに、そんな自分の身体の成りゆきが、由紀にはおぞましく、信じられなかった。
「ヘヘヘ、奥さん、深くいっぱいまで入れてやるからな」
赤沢がおおいかぶさって、耳もとでささやいた。子宮を突き破らんばかりに挿入する。由紀は押し入ってくる深さに白眼を剥いた。
さすがに竜二はカーテンを引いて、由紀の裸身を友彦の眼から隠した。友彦はまるで気づく様子がなかった。
由紀の媚肉に分け入り、赤沢が深々と貫いているのが、竜二の眼にもはっきりわかった。その下方では、ゴムの張型が由紀の菊蕾を貫いている。
「とうとう俺とつながったな。どうだ、亭主の前で犯されている気分は、ヘヘヘ」
赤沢がささやくと、由紀は狂ったようにかぶりをふる。
た、助けて……いや、いやッ、あなた、あなたッ、どうして助けてくれないのッ……。
赤沢が由紀の胸のうちを読んだように、クククッと低く笑った。
「亭主の前だってえのに、グイグイ締めつけてくるじゃないか、奥さん。尻の穴にも入れられているんで、ズンといいんだろ」
赤沢が意地悪くささやきながら、腰をゆすってえぐりだすと、竜二はひとまずカーテンから出て、ソファにもどった。
「友彦、そうシケた顔するなよ。お前の心配をよそに、案外今頃由紀さんは男に抱かれて楽しんでるかもしれないぜ」
竜二は友彦に向かって、からかうように言った。チラッとカーテンのほうを見る。
「バカな冗談はよせ」
うなだれていた友彦が、ムッとしたように顔をあげた。竜二はわざとらしく笑った。
「フフフ、そう怒るなよ。由紀さんほどの美人なら、男に襲われて犯されていてもおかしくないぜ。由紀さんはいい尻してるからなあ……あれじゃ男を挑発しているようなもんだ」
竜二は友彦の顔色をうかがいながら、ポケットにしのばせたリモコンスイッチを作動させた。
由紀の菊蕾に埋めこんである肛門用張型が、ブーンと振動し、クネクネと蠢動しはじめた。
「うッ、うむ……ううん、うッ」
由紀のうめき声が聞こえた。
赤沢に犯され、菊蕾の張型までが淫らに動きだしたことで、由紀はたちまち半狂乱になっていく。薄い粘膜をへだてて前と後ろで、突きあげてくるものがこすれ合う。火と化した女体がいっそう灼けただれ、狂おしくうねり、はねるのが竜二には眼に見えるようだった。
「肛門にでもいたずらされりゃ、いくらいやがっても由紀さんはイチコロだぞ。フフフ、今頃ヒイヒイ泣いてよがってる気がするんだけどな」
「くだらないことを言うな、竜二」
友彦は声を荒らげた。心に余裕がないところに、愛妻をからかわれるようなことを言われ、おとなしい友彦がめずらしく苛立っている。
だが、竜二はしゃべるのをやめなかった。
「だけどな、友彦。僕は由紀さんが今、すぐ近くで男に犯されている気がしてしようがないんだ。それも肛門にバイブレーターをぶちこまれながら犯されているような……」
「やめろと言ってるんだ」
「それだけじゃない。犯されたあげく、すごい浣腸責めにかけられる予感もある。医者から見ても眼をそむけたくなるような、強烈な浣腸をね」
竜二はしゃあしゃあと言ってのけた。
友彦の顔色が変わった。ひきつっている。混乱した友彦の頭には、竜二の言うことがすぐには理解できない様子だった。
「な、何を言いたいんだ、竜二……」
「エリート助教授先生のくせに鈍いな。永峰由紀は犯されたうえで、徹底して肛門にいたずらされることになると言ってんだよ。浣腸され、肛門を開かれ、肛門まで犯されるんだ。尻責めを好む牝に調教されるってわけさ」
「竜二……ま、まさか君が……」
思わず立ちあがった友彦の言葉が、急に途切れて、身体が崩れた。いつの間にか後ろへしのび寄ってきた李が、ニヤッと笑って友彦の首から麻酔注射を引き抜いた。
「ヘヘヘ、ちょろいもんですぜ、竜二先生。気づいた時はあとの祭りだ」
「悪く思うなよ、友彦。フフフ、あとでゆっくり由紀さんに会わせてやるからな」
竜二は床の上にころがっている友彦を見おろして、せせら笑った。そんなことを知ってか知らずか、由紀はもう、すさまじいまでの官能のるつぼに翻弄されていた。
「うん、ううん……ううッ」
顔をのけぞらせ、汗にヌラヌラと光る裸身をうねらせている。グイグイとえぐりこんでくる赤沢と、妖しく動く肛門用張型と。もうわけもわからずに、身体中の肉という肉がとろけ、炎のなかに灼きつくされる。
「フフフ、どれどれ、色っぽい声を聞かせてもらうかな、由紀さん」
竜二がさるぐつわをはずすと、由紀は堰を切ったように泣き声を放った。
「あ、あああ……あなた、あなたあ……あ、あうッ」
ベトベトに濡れたさるぐつわに、由紀の口から唾液が糸を引いてあふれた。
「どうだい、由紀さん」
竜二が聞いても、由紀はグラグラと頭をゆするばかりだ。今の由紀には、カーテン一枚へだてた向こうの夫と、自分を犯している赤沢とがオーバーラップして判断ができなくなったのか、
「いい……あなたあ、いッ、いいッ……あう、あうッ、あなた、あなたッ」
赤沢にこたえるように、狂おしく自分から腰をゆさぶっている。前と後ろの二本をしっかりと咥えこみ、さらに引きこんで離すまいとからみつかせてくる。
「ヘヘヘ、亭主の前だってのに、すごい燃えようじゃないか、奥さん」
赤沢は由紀の妖しい吸引力と粘着性に舌を巻く思いで、もう夢中になって責めたてた。竜二も由紀の菊蕾で蠢く肛門用張型に手をやって、激しくあやつりはじめた。
「ああッ、いいッ……たまんないッ、あなたあ……」
汗まみれの女体が激しくこたえた。
「あうッ……も、もう、あ、ああッ」
泣き声が途切れて、切羽つまった声があがった。
「ああッ……ああ、いく、いくうッ」
由紀は歯をキリキリとかみしめ、眼尻を吊りあげて凄艶な表情をさらし、ググッとそりかえった。
「いくッ、いくうッ……」
由紀の裸身が恐ろしいまでにひきつれた。そして、おびただしいまでの精のほとばしりを、身体の奥底へ感じたとたん、由紀は頭の芯まで灼きつくされていた。
【4】
軽く頬をたたかれて、由紀はハッと眼を開いた。竜二と赤沢がニヤニヤと笑って、由紀の顔をのぞきこんでいた。カーテンもすっかり開かれていた。
あ、あなた……。
うつろな頭がしだいにはっきりしてくるにしたがって、夫のことがよみがえってきた。あわてて顔をあげたが、もう部屋には夫の姿はなかった。
「スリル満点だったろうが、奥さん。そのせいか、大した乱れようだったぜ。やっぱり人妻ってえのは、亭主の前で犯るのが一番だなあ、ヘヘヘ」
赤沢が満足げな顔でからかうと、由紀はにわかに泣きだした。
「……ひどい、ひどすぎる……ああ、あんまりだわ」
カーテンでさえぎられていたとはいえ、愛する夫の前で犯され、いやがうえにも官能の炎に翻弄された由紀だ。歓喜に身を灼いた背徳感に、由紀は死にたい気持ちだった。
竜二がニッと笑って、由紀の顔をのぞきこむ。
「フフフ、スリルだけじゃ不満だったかな、由紀さん。友彦に直接見せてやったほうが、おもしろかったかねえ」
ひッと由紀は声をあげると、いやいやと激しくかぶりをふった。
「そ、そんなひどいことはしないでッ」
「今度は由紀さんに浣腸するところを、友彦の奴に直接見せてやってもいいんだよ」
「いやッ、そんなことだけはいや、いやッ」
由紀は、はじかれたように叫んだ。
夫に気づかれなかったとはいえ、カーテンの向こうに夫がいるだけで、由紀は生きた心地もなく、気が狂いそうだったのだ。それを直接夫の眼の前で……。考えただけでも心臓がキュッと収縮する。
「フフフ、そうか、友彦の前で責められるのは、そんなにいやなのか」
竜二はわざとらしく念を押した。意地悪く意味ありげにニヤッと笑って、いっそう由紀をおびえさせる。
「友彦の前で浣腸して、ひりだすところまで見せつけるのもおもしろいんだが……フフフ、それとも昨夜のように輪姦のほうがいいかな」
「人工受精で妊娠させるのもおもしろいですぜ、竜二先生」
「由紀さんはやっぱり肛門を責めなくっちゃ。なにしろ、由紀さんの肛門は亭主の友彦でさえ手つかずだからね」
気も遠くなるような竜二と赤沢の会話だった。由紀の裸身がブルブルと震えて、とまらない。
「いやあッ、そんなことされるなら、死にますッ」
必死の叫びも、激しい戦慄に震え、かすれた。おぞましい排泄器官を嬲られ、浣腸されるところを夫に見られるなど、由紀には信じられないことだった。だが、竜二ならその信じられないことを平気でやるにちがいない。
「竜二さん、かんにんしてッ……いや、いや、絶対にいやよッ」
「すごい拒絶反応だな、フフフ。無理もないがね。亭主の前で嬲られるのは、人妻にとって、一番つらいことだからねえ」
そう言ってから、竜二はわざとらしく何か考えるふりをして、
「そんなにいやなら、許してやらないこともないが……」
「本気ですかい、竜二先生。こんなチャンスはめったにないですぜ。それをみすみす許しちまうんですかい」
赤沢が大げさに言った。竜二と赤沢は、わざとらしい芝居をして、由紀の反応を楽しんでいるのだ。
「さて、どうするかな、フフフ」
「亭主の前で犯りましょうぜ。たまらねえお楽しみですぜ」
「フフフ……」
竜二は意地悪く由紀の顔をのぞきこんだ。
「か、かんにんして、竜二さん……お願い、そんなひどいことだけはッ」
由紀は必死に竜二に哀願した。愛する夫の前で嬲られると思うと、我れを忘れてすがるしかなかった。だが、竜二が舌舐めずりをして、
「代償は高いよ、由紀さん」
と取りだしてきたガラスの筒を見て、由紀はひッと息を呑んだ。
それは巨大な注射型浣腸器だった。竜二が由紀に使う予定で隠しておいた容量四千CCの、眼をみはる大きさのものだ。やはり浣腸責め……。夫の前で凌辱するのを許してくれるとなれば、ただではすまないとは思っていたが、浣腸器を見せつけられ、さすがに背筋が寒くなった。
「フフフ、どのくらいの量が由紀さんに入るか、試してみたくてね」
「奥さん専用として、竜二先生が特別注文した浣腸器だぜ。実験用の女たちのなかでも、こんな化物並みのを使われるのは、奥さんが最初だろうな、ヘヘヘ」
「大量浣腸実験というわけでね」
竜二と赤沢は、顔を見合わせて笑った。
由紀はブルブルと震えだした。見せられた浣腸器のあまりの大きさに、声さえ出せない様子だ。その大きさときたら、由紀の太腿の太さぐらいある。
「こいつで妹のまゆみと麗香に、浣腸実験の手本を見せるんだ、由紀さん」
「ヘヘヘ、わかるだろう。奥さんが自分から進んで浣腸実験をねだり、浣腸性教育をしてやるってわけよ」
どのように浣腸され、また、浣腸された女体がどうなるか、ひとつひとつ妹たちに見せつけ、性教育をするというのだ。由紀はあまりのことに、声もなくかぶりをふりつづけていた。
「友彦の前で尻をおもちゃにされるか、それとも大量浣腸実験を自分から進んで受けるか、選ぶのは由紀さんだよ」
竜二は冷たく言った。
どっちを選ぼうと、由紀には地獄にちがいない。総身におびえを露わにし、ブルブルと震えながら、嗚咽する由紀が、たまらなく竜二と赤沢の嗜虐の興奮を昂らせる。
「黙ってちゃ、わからねえぞ。亭主の前でおもちゃにされたほうがいいのか」
「いやあ……」
「それじゃ、妹たちの前で大量浣腸実験のほうだと言うんだな」
「い、いや、いや……」
どちらにもいやいやと首をふる由紀に、赤沢は苦笑いをして、パシッと由紀の双臀をはたいた。
「いい加減にしろ。竜二先生が好意でどっちかを選ばせてやろうと言ってんだぞ。なんなら、亭主と妹たちをそろえて、その前で大量浣腸実験にかけてもいいんだぜ」
赤沢がわざとらしく、声を荒らげた。由紀は悲鳴をあげた。もう迷っている余裕はなかった。
「いや、夫の前ではいや、かんにんしてッ」
それが由紀の答えだった。もうどうにもならない。ドス黒い絶望が深く由紀をおおった。
「はっきりと竜二先生におねだりしねえか、永峰由紀」
「ああ……竜二さん、由紀を……由紀を、か、浣腸実験にかけて……」
由紀は泣きながら、あえぎあえぎ口にした。見るのも恐ろしい巨大な浣腸器を、自分から求めねばならないおぞましさに、由紀は声をあげて泣かずにはいられなかった。
「フフフ、由紀さん。自分からたっぷりと浣腸をねだって、妹たちに女がどのように浣腸されるかを見せたいと言うんだね」
「……ああ、言われた通りにします……ですから、友彦さんの前だけでは、許して……」
「フフフ、よしよし」
竜二はうれしそうにうなずいた。
赤沢と二人で、由紀の縄を解き、診察台からおろした。あまりの恐ろしさに、由紀は立っていることもできず、ズルズルと床に崩れた。
「ほれ、しっかりしねえか。肛門実験室に行くんだよ、奥さん」
赤沢は強引に由紀を引きずり起こした。
その頃、李は由紀の夫の友彦を、地下の肛門実験室へ引きずりこんでいた。手足はもちろん、身体中イモ虫のように縄をグルグル巻きにした友彦を荒々しく引きずる。口にはさるぐつわをかませてあった。
友彦はすでに麻酔から醒め、必死にもがいた。
「この野郎、じっとしてねえか」
李は足で友彦を二度、三度と蹴った。
「ヘヘヘ、恋しい女房に会わせてやろうというんじゃねえか。もうすぐ、ここで由紀の実験がはじまるからな」
李は友彦を柱の前まで引きずってくると、柱に縛りつけた。そして、友彦に白い布をかぶせた。
そこはちょうど照明が暗くなっていることもあって、まわりからは白いものがうずくまっているとしか見えなかった。だが、友彦のところからは、布地を通して肛門実験台が明々と見える。
「じっとしてりゃすげえ実験を見物できるぜ、ヘヘヘ。実験材料は永峰由紀、おめえの恋女房だ。その女房がどんな実験にかけられるか、まあ楽しみにしてるんだな」
李は友彦を見おろして、せせら笑った。
すべては竜二の計画通りなのだ。竜二ははじめから、由紀を夫の前で浣腸実験にかけ、おもちゃにする気だったのだ。
まさか愛する夫が肛門実験室にすでに連れこまれていようとは、由紀は知るよしもなかった。
竜二と赤沢に連れられて、由紀が肛門実験室へ入ってきた。綺麗に化粧をほどこされ、真っ赤なルージュに唇の左下のホクロがアクセントとなって、妖しいまでの美しさだった。黒地に紫の水玉の入ったワンピースを着ている。由紀の白い肌が映えるよう、黒地の服は竜二の好みだ。縄はかけられていない。
うッ、ううッと、由紀に気づいた友彦がうめいた。
「じっとしてろと言ったろうが」
李が、白い布の下でもがく友彦の腹を、鋭く蹴った。
由紀は夫に気づかない。由紀の眼に入ったのは、夫とは反対側の柱に、一糸まとわぬ全裸を立ち姿で縛られている妹のまゆみと麗香の姿であった。
「あ、麗香」
そう叫んだものの、その隣りのまゆみに気づくと、
「ああッ、まゆみッ……まゆみ」
一瞬、由紀はその場に立ちつくした。あまりのまゆみの変わりようだった。結婚式を間近にひかえ、幸福いっぱいのハツラツとした妹の姿は、そこにはなかった。
「ひ、ひどい……まゆみまでも……」
由紀は絶句した。
凌辱の限りをつくされ、毎晩のように梅島たちに弄ばれてきたのだろう。自殺を防止するためか、口にはさるぐつわがかまされていた。
「うッ、うむ……」
姉の由紀の姿を見るや、まゆみは大粒の涙をポトポト落として泣きだした。
「お、お姉さん……」
麗香も嗚咽しはじめた。
二人とも、さるぐつわをかませてはおもしろくないと思ったのか、麗香のほうは口を封じられてはいなかった。
「ああ……ひどすぎるわ……悪魔ッ」
まゆみのところへ駆け寄ってやりたくても竜二に手を握られている。それをふり払って駆け寄る気力は、由紀にはなかった。これからはじまることを考えると、由紀もまた気も狂うような地獄の底にいたのである。
「ヒヒヒ、永峰由紀、今日もまた浣腸を竜二にねだったそうじゃのう」
梅島がニヤニヤと由紀に近づいてきた。
好色な梅島が、由紀が夫の前で実験にかけられると知って、やってこないわけがない。それでなくとも、人妻は亭主の前で責めるに限ると、日頃から言っているのだ。ハッと由紀は身体を硬くした。顔をそむけるようにうなだれる。
「ヒヒヒ、姉として浣腸の手本を妹たちに見せたいと、自分から言いだしたそうじゃのう」
「そうなんだよ、叔父さん。よほど浣腸されたいらしく、どうしても妹たちの前でしてほしいと言うんだ」
梅島と竜二は、わざとらしく大きな声で言った。由紀を意地悪くからかいながら、夫の友彦に聞かせている。
夫が実験室へ連れこまれているなど夢にも思わない由紀は、男たちのからかいに反発もせず、唇をかみしめてうなだれたままだった。屈辱か、それとも恐怖か、由紀の肩が震えている。
「ほれ、浣腸実験にかけられてえんだろ、奥さん」
「ああ……」
赤沢に双臀をたたかれて、由紀は今にも泣きだしそうにあえぎをもらした。由紀には、じっとしていることも黙っていることも許されないのだ。
よろめくようにまゆみと麗香の前へ進むと、ひきつった美貌をあげ、
「ま、まゆみ、麗香……お姉さんを笑わないで……」
哀しげな、ベソをかきそうな瞳を妹たちに向けた。
こんなこと、お姉さんの本心じゃないのよ……わかって、こうしなければ由紀は……ああ、あなたたちはわかって……。
由紀の眼は必死にそう言っていた。
「……い、今からお姉さんは……浣腸されるの……女がどんなふうに浣腸されるか、それをあなたたちに見せるわ……」
由紀は後ろを向いた。オズオズと、震える手でスカートをまくりあげ、自ら白い裸の双臀をさらした。妹たちに自分から浅ましい姿をさらしてみせなければならない屈辱とくやしさに、涙がこぼれ落ちた。
「ほれ、尻を開かなくちゃ肛門は見えないぜ、奥さん」
赤沢が由紀にささやきながら、鋭い口調で命令していく。
「ああ……」
由紀は命じられるままに、双臀を後ろへ突きだすようにして、両脚を開いた。その姿勢で両手を双臀へまわす。手がブルブルと震えた。自分からおぞましい排泄器官をさらけだすのかと思うと、気も狂いだしそうだ。
「さっさとしねえか。亭主をここに連れこまれてえのか」
赤沢がささやく。すでに友彦を連れこんでおきながら、由紀が知らないのをいいことにおどすのだから、なんともしらじらしかった。
由紀は唇をかみしめ、両眼を閉じて、双臀にまわした両手で臀丘を割り開いた。
「ああ、浅ましいお姉さんを笑わないで……」
シミひとつない初雪のような白い臀丘の谷の底に、おちょぼ口のような菊蕾が妖美にのぞいていた。それは由紀の双臀の白さに、ひときわ妖しく映えた。
「ああ、いや、お姉さん……」
姉の秘められた菊蕾をまともに見せられ、麗香は激しく狼狽して首をふった。まゆみも身を揉みながら、さるぐつわからくぐもったうめき声をもらした。
実験室の隅の薄暗いところで、白い布がまた蠢いた。友彦にしてみれば、あの美しい気高い由紀が、自分からスカートをまくって双臀をさらし、排泄器官まで見せているなど信じられないのだろう。
「ううッ、うむッ」
そんな友彦を李が蹴って、足で押さえつけた。今、由紀に友彦のことを気づかれては、元も子もなかった。
由紀のほうは赤沢に小突かれていた。
「どうした、竜二先生におねだりしねえか」
右に左にと顔をふった由紀だったが、
「ああ……お願い、竜二さん……由紀のお尻の……穴をいじって……」
すすり泣くような声で、強要された言葉を口にした。
竜二がニヤニヤとうれしそうに笑った
「指で肛門をいたずらされたいと言うんだね、由紀さん」
「……そ、そうです」
「フフフ、やっぱり由紀さんは尻責めが好きなんだな。指で肛門をいじくりまわしたうえで、浣腸されたいってわけか」
竜二は友彦に聞かせるように、大声で言って笑った。由紀の横へかがみこむと、妹たちに見せつけるように由紀の臀丘に指を這わせ、その奥の菊蕾をゆるゆると揉みほぐしはじめた。
「由紀さんの肛門は綺麗だねえ……フフフ、なにしろ亭主にも一度も触れさせたことがないんだからな」
「いや……」
由紀はなよなよと腰をくねらせた。
おぞましい、恥ずかしいと思っても、由紀には竜二の手をふり払うことは許されない。双臀をくねらせて、哀しい胸のうちを表現するのがせいいっぱいだった。
「こうやって肛門をいじらせてる由紀さんの姿を友彦が見たら、なんと言うかな。あいつ、由紀さんが尻を触らせるなんて信じなかったからな、フフフ」
「いや……い、言わないで……」
「妹の前で肛門をいじくりまわされて、いやもないだろうが、フフフ、永峰由紀さん」
竜二は執拗に揉みほぐしていく。すでに肛門用張型で嬲られている由紀の菊蕾は、すぐにふっくらとして竜二の指を深々と根元まで呑みこんだ。
「自分からねだるだけあって、敏感な肛門してるね、由紀さん。もう指がすっかり入っちゃったよ、フフフ。そんなに締めつけて、指をくいちぎる気かい」
竜二は由紀をネチネチとからかいながら、友彦にも聞かせている。
その声に、李の足の下で友彦がもがいている。それをチラッと見ながら竜二は、ゆっくりと埋めこんだ指で腸管をまさぐり、指を出し入れした。
眼の前でくりひろげられるあまりの光景に、麗香とまゆみは顔をそむけて泣きだした。その顔を、梅島が強引に由紀のほうへ向ける。
「ヒヒヒ、何を恥ずかしがっておる。せっかく姉の由紀が、肛門のいじられ方を見せてくれておるんじゃろうが。しっかり見んか」
そう言って、麗香の黒髪をしごく。
「ああ、いや……」
「いやではない。麗香もわしの手で女になったんじゃからのう。ゆくゆくは尻のほうも仕込むことになる」
梅島は麗香の双臀に手を這わせた。悲鳴をあげて、必死に硬直させる臀丘をこじあけて、そっと菊蕾に触れた。
ビクッと双臀が痙攣した。おちょぼ口のような肉襞がキュッと絞りこまれる。
「いやッ、そんなこと、いやッ」
「触れられたぐらいで、大げさじゃのう、ヒヒヒ。姉の由紀はほれ、指をあんなに深く入れられとるんじゃぞ」
梅島はせせら笑った。
まゆみのほうは赤沢が菊蕾をまさぐっている。そんな妹たちを見ても、由紀にはどうすることもできなかった。
「ああ、妹には手を出さないで……そのぶん由紀が……由紀のお尻の穴に触って……」
竜二のおぞましい指に排泄器官をゆだねながら、哀願するばかりだった。竜二の指が深々と腸管をえぐり、こねくりまわし、抽送される。
「あ、ああ……」
由紀は腰をふりたてて泣き声をあげた。女体の芯が、カアッと灼けるようだった。さっき、菊蕾に張型を用いながら赤沢に犯されているだけに、腸襞に蠢く指の感覚が、いやがうえにも由紀の情感を昂らせる。
「あ、ああ、もう充分ですわ……竜二さん、か、浣腸を……」
「フフフ、早く浣腸されたい由紀さんの気持ちはわかるが、まだだ」
竜二は意地悪く言った。
梅島はニヤニヤと、麗香の菊蕾をいじくりまわしている。麗香は初めてのおぞましい感覚に、まいりきって、声もなくすすり泣くばかりだった。
「のう、永峰由紀。尻の穴に触れられついでじゃ、一度肛門で気をやるところを妹に見せてやらんかのう、ヒヒヒ」
「そ、そんな……」
由紀は唇をかみしめた。それは明らかに命令だった。言う通りにしなければ、亭主の前で責めるという響きがあった。
由紀はガックリと首を折った。その由紀の眼に、ねじり棒を持つ竜二の手が見えた。ハッと由紀は顔をあげた。
「お願い、縛ってッ……お尻をこれ以上責めるなら、由紀を縛ってからにして」
由紀はそう叫ばずにはいられなかった。自分から臀丘を割り開いたまま、ねじり棒を受け入れ、気をやってみせるなどできるわけがなかった。いつ本能的に竜二を突き飛ばして、逃げようとするかわからない。だがそれは、とりもなおさず、夫の前で嬲られるという、より深い地獄への道なのだ。
「由紀を、由紀を縛ってッ」
「縄を求めるとは、だんだんマゾらしくなっていくな、由紀さん」
「ヒヒヒ、尻の穴をいじってと求めるわ、浣腸をねだるわ、縄まで欲しがって、好きなんじゃのう、永峰由紀」
竜二と梅島はへらへらとあざ笑った。
由紀の言葉を友彦が聞いていると思うと、嗜虐の炎がいっそうメラメラと燃えあがった。
「ち、違うわ、そんなんじゃありません」
由紀はすすり泣きながら、かぶりをふっている。赤沢が縄を取りだしてきて、ビシビシとしごいた。
「足を開いて、尻を後ろへ突きだしたかっこうを崩すなよ、奥さん」
赤沢は、前かがみになって臀丘を自ら割り開いていた由紀の両手を背中へまわした。手首に縄を巻きつけ、まくりあげているスカートの裾を縄目にくぐらせて固定する。さらにワンピースの胸もとをはだけて乳房を剥きだし、その上下に縄をくいこませた。
「ああッ……」
ねじり棒をいきなり押しこまれて、由紀は激しく双臀をふりたてた。眼の前で、妖しい火花が散る。指のいたぶりにただれた菊蕾が、拡張されていく。由紀は頭のなかが火になった。
「い、いやあ……たまらない……ああ」
ひとりでに腰がうねった。押し入ってくるねじり棒をしっかりと感じとろうとするかのように、白いムキ玉子のような双臀が大きく円を描いて躍った。おぞましいはずなのに、由紀は頭のなかがうつろになった。
赤沢が由紀の腰を腕にかかえこむように押さえつけ、竜二がねじり棒で責めたてる。
ねじり棒の螺旋状の溝が、どれほどたまらなく菊蕾を刺激するか、由紀はすでに一度思い知らされている。一気に燃えあがる灼熱の炎に、たちまち骨まで灼きつくされるのだ。
「ああ、あ、ううッ……あんッ」
由紀の唇が開き、こらえきれない泣き声がこぼれた。それはまぎれもなく、官能のうずきにどっぷりと濡れていた。
「ヒヒヒ、どうじゃ、姉の由紀は尻の穴をいじられてよがっておるぞ。気持ちよくてたまらんと由紀は泣いておるんじゃ」
梅島が麗香とまゆみをからかっている。両手をそれぞれ麗香とまゆみの双臀に這わせ、菊蕾をまさぐりながら、からかうのだ。
「そのうち、じっくりと二人とも、姉の由紀のようにしてやるぞ、ヒヒヒ」
麗香は、由紀の菊蕾で蠢くねじり棒に、声をあげて泣きだした。まゆみも泣く。若い乙女にとって、あまりにも強烈なながめだった。
だが、それ以上に激しい衝撃にうちのめされ、李の足の下でもがいているのは友彦だった。さるぐつわの下でわめいている。
「じっくりと見ねえか。恋しい女房が尻の穴をいじられて歓んでるじゃねえかよ、ヘヘヘ。女房が気をやるのを見とどけてやるのは亭主のつとめだぜ」
李が友彦をグイグイと踏みつけた。だが、友彦はもがくのをやめようとはしなかった。
そんなことも知らぬ由紀は、
「ああ、あうッ……ああッ、いやあ……」
泣き声をあられもなく放ち、ねじり棒にあやつられて妖美な尻ダンスを踊らされていた。いくらこらえようとしても、声が出てしまい、腰がうねった。
「フフフ、気持ちいいかい、由紀さん」
「ああッ、あう……」
「はっきり言うんだ、由紀さん。友彦の奴に聞かせるつもりでね」
竜二はひときわ深くねじり棒でえぐり、回転させた。
「あひッ、ひッ……いいッ、お尻をしてくれるから、いいわ……ああッ、気持ちいいッ」
由紀はもう、わけもわからず口走った。頭のなかが真っ赤に灼け、ドロドロとろけていく。
「いッ、いいッ……ああッ、たまらないッ」
「フフフ、尻の味をだいぶ覚えたな、由紀さん。大した歓びようだ。やっぱり由紀さんは肛門で感じる女、いや、牝なんだなあ」
竜二は勝ち誇ったように言った。言うまでもなく友彦に向かって言っているのだ。
「気をやったら、たっぷり浣腸だからね、由紀さん。フフフ、きついよ、大量浣腸実験は。今のうちにせいぜい、いい気持ちになっておくことだよ」
竜二はせせら笑った。由紀はもう、その声も聞こえないかのように、狂ったように身悶えながら、
「あうッ……いくッ……ああ、もう、いく、いくうッ」
顔をのけぞらせっぱなしにして叫んでいた。スカートから剥きでた白い双臀がねじり棒を咥えこんで、ブルブルと震えていた。
「由紀ッ……」
どこかで夫が、由紀の名を呼んだ気がした。
【第八章 夫に晒すアヌス奴隷の恥態】
【1】
永峰由紀は、汗にヌラヌラと光る双臀をさらして、グッタリと床に崩れていた。固く両眼を閉じ、唇を開いたまま、ワンピースから剥きだされた豊満な乳房をハアハアとあえがせている。
「フフフ、永峰由紀は肛門をいじられて気をやったぞ。やっぱり尻で感じる牝だぜ」
竜二は勝ち誇ったように言った。
肛門実験室の薄暗い隅で、白い布をかぶせられてころがっている由紀の夫の友彦に向かって言っているのだ。
「それにしても敏感な肛門だ。オマンコのほうもびっしょりじゃないか。これじゃ、由紀さんが肛門責めが好きなわけだ。フフフ」
竜二はわざと大声で言いながら、笑いがとまらない様子だった。夫の眼の前で、その妻の排泄器官を嬲る……。男にとってこれほどの法悦があろうか。
だが由紀は、愛する夫が見ていたとも知らずにグッタリとしたまま、腰だけをまだ悩ましげに蠢かせていた。ピッチリとねじり棒を深く咥えこんだ菊蕾とは対照的に、女の部分はしとどに濡れそぼち、奥の肉の蠢きは、まるで男を求めるような生々しさだ。すでにねじり棒で官能の絶頂へと、一度昇りつめさせられているとはいえ、女の最奥にも男の精をたっぷりと感じとらないと、成熟した由紀の性は満足しきれないのであろう。
その由紀からわずか数メートルも離れていないところで、夫の友彦がもがいていた。李が足で踏みつけている。
「ヘヘヘ、ザマねえな。あれがおめえの恋女房だぜ。亭主の前だってえのに、大したよがりようじゃねえか」
李が由紀には聞こえないよう小声で、夫の友彦をからかっていた。
何かを必死にわめいているのだろう、友彦はさるぐつわの下からくぐもったうめき声をあげ、グルグル巻きにされた身体をイモ虫のようにして、由紀のほうへ這い寄ろうとする。
「おとなしくしろ。ヘヘヘ、おもしろくなるのは、これからだ。女房が他人に寄ってたかって尻の穴にいたずらされるなんぞ、めったに見れるもんじゃねえぜ」
李はズルズルと友彦を引きもどした。
竜二のほうは、グッタリとしている由紀の縄を解き、引きむしるようにワンピースを脱がし、一糸まとわぬ全裸に剥きあげていく。
「ほれ、しっかりするんだ、由紀さん。これだけいい尻をして、たった一回気をやったぐらいでのびるなんて、だらしないぞ」
竜二は由紀を抱き起こすと、診察台の上に乗せあげた。
いよいよ妹のまゆみと麗香、そして夫の友彦の前で浣腸責めにかけようというのである。
「ああ、もうかんにんして……」
由紀はあえぎながら言った。妹たちの前でおぞましい排泄器官をいたぶられ、恥ずかしい狂態を演じただけでも、気が狂いそうだった。妹たちの顔が、まともに見られない。
クククッと竜二は笑いながら、診察台のレザーの上に由紀の両膝をつかせて四つん這いにさせると、両手をそれぞれ左右の足首に縛りつけた。上体を診察台に押しつけ、両膝をついて双臀を高くもたげる姿勢だ。
「ヒヒヒ、浣腸してほしくてたまらんといったポーズじゃのう。オマンコもビチョビチョに濡らしおって」
「こうなりや、とことん浣腸してやらなきゃ、おさまりませんぜ、この尻は、フフフ」
梅島と赤沢が由紀をからかった。からかいながらも梅島は麗香を、赤沢をまゆみをと、双臀に手を這わせながらその奥の菊蕾をまさぐっている。
まゆみも麗香も、おぞましい排泄器官をいじりまわされる衝撃に、今ではもう、すすり泣くばかりだった。声さえ出せない様子で、うつろな瞳を由紀に向けている。
竜二がパシッと由紀の双臀をはたいた。
「フフフ、由紀さん、いよいよ大好きな浣腸だよ」
浣腸という言葉に、由紀の裸身がビクッと硬直した。
「か、かんにしてッ、妹の前でそんなことしないで」
「何を言ってる、浣腸されたいくせに。妹たちに浣腸されるところを見せて、女の身体がどうなるのか性教育してやりたいと言ったのは、由紀さんじゃないか」
「う、嘘よ……いや、いやなの」
由紀は激しくかぶりをふった。
夫の眼の前で浣腸するとおどされ、一度は観念して妹たちの前で浣腸を承諾した由紀だったが、いざその期におよぶと、そんなものはけし飛んだ。
「お願い、妹たちの前でだけは……ああ、これ以上、みじめにしないで」
「フフフ……」
竜二はせせら笑った。
妹たちだけでなく、亭主の友彦の前で浣腸されるんだぞ、由紀さん……。
腹のなかでペロリと舌を出した。友彦を踏みつけている李も、梅島と赤沢も、ニタリと笑った。
「せっかくの妹たちへの性教育だからね、とっておきの浣腸器を使おう、フフフ」
竜二が取りだしてきた浣腸器に、由紀の美貌がひきつり、瞳が凍りついた。由紀にはそれが注射型の浣腸器であることが信じられなかった。容量四千CCもあるその浣腸器は、巨大なガラス筒を思わせた。一升瓶の倍近くはあり、先のノズルでさえ親指の太さで、長さは十五センチもあった。筒の部分に、永峰由紀専用浣腸器と書かれてある。
「すごいだろう。浣腸好きの由紀さんのために、特別につくったんだぜ、フフフ、由紀さん専用の実験用拷問浣腸器というわけでね」
「…………」
あまりのことに、由紀はすぐには声も出なかった。医師の妻だけに、見せつけられた浣腸器の巨大さ、恐ろしさがよくわかる。病院で使われる最大のものでも千五百CC。半分以下の大きさである。それを四千CCもの容量とは。キーッとガラスが鳴って多量の薬液がガラスの筒に吸いあげられていくのを見ると、由紀は悲鳴をあげた。
「い、いやあッ」
由紀は縛られた身をよじって、本能的に逃げようとした。それを竜二が押さえつける。
「おっとと、どこへ行こうっていうんだい、由紀さん。これから妹たちに浣腸責めの手本を見せるはずだろ」
「ああ、かんにんして、竜二さんッ……いや、いやですッ」
由紀は押さえつけられた腰をふりたててもがいた。妹の前でおぞましい浣腸をされる、それも恐ろしいまでの巨大浣腸器で責められるのだ。そう思うと、由紀は気の遠くなる思いで、哀願せずにはいられなかった。
「ひどすぎるわ、あんまりだわ……お願い。そんなひどいことしないで」
「フフフ、それじや、友彦の奴を呼んでの浣腸責めに切り替えたっていいんだぜ」
竜二は低いドスのきいた声で言った。
「そうじゃ、亭主の前での浣腸責めのほうがおもしろいぞ、ヒヒヒ」
麗香にまとわりついている梅島も、意地悪く由紀をからかった。由紀は激しくかぶりをふった。急速に由紀の身体から、抗いの力が抜けていく。愛する夫の眼の前で責められると思うと、もう逆らえなかった。
「ああ、かんにんして、夫の……友彦さんの前でだけはッ」
「それなら素直にすることだ」
双臀をはたかれ、由紀は今にもベソをかきそうになりながら、両膝をさらに開いて双臀を高々ともたげた。
「フフフ、どれ、肛門を見せてごらん、由紀さん」
ゆっくりとねじり棒が引き抜かれた。深々と埋めこまれていただけに、ねじり棒の溝が腸管の肉襞を外側へめくりだすようだ。
「あ、ああ、お姉さんを笑わないで……」
おぞましい排泄器官を妹たちにはっきりと腸腔までさらす恥ずかしさに、由紀は診察台のレザーに顔をよじりつけて、すすり泣きだした。長時間拡張を強いられていた由紀の菊蕾は、生々しいまでに口を開き、肉襞をのぞかせたままだった。
それをまともに見せられて、ああッと声をあげて麗香は顔をふった。まゆみもさるぐつわの下から、うめき声をあげた。
梅島と赤沢がしきりに麗香とまゆみの双臀を撫でまわしている。時折り、そっと揉みこむように菊蕾に触れた。
美しい姉の由紀が、ねじり棒で責められるのを見せられた直後だけに、菊蕾に触られる衝撃が恐怖を呼び起こし、麗香もまゆみも、もうわけもわからない状態だった。
「ほれ、しっかり見るんじゃ。姉の由紀が浣腸責めをされる女の手本を見せてくれると言っとるんじゃろうが、ヒヒヒ」
「たっぷりと浣腸され、姉の由紀がどうなるか、よく勉強するんだ、ヘヘヘ」
梅島と赤沢が、麗香とまゆみの黒髪をつかんで由紀のほうへ顔を向けさせる。そうされても二人は、もう逆らう気力もなく、放心したように、泣き濡れた瞳を、由紀の剥きだされた菊蕾に向けるのだった。それを見ると竜二はニヤリと笑って、ズッシリと重い浣腸器を持ちあげた。その重さが心地いい。
「浣腸責めをはじめるか、由紀さん」
竜二はうわずった声で言った。
【2】
由紀は固く両眼を閉ざし、胸のうちで愛する夫を呼びつづけていた。
あなた、あなた……。
浣腸責め……。それがどんなにおぞましく、恐ろしくても、今の由紀には逆らうことは許されなかった。実験室の隅に夫が連れこまれているなどとは夢にも思わない由紀は、これからはじまる地獄を必死に耐えようとしている。
高くもたげた双臀が、ブルブルと震えている。そして、その白くムッチリとムキ玉子のような臀丘の奥に、由紀の菊蕾が生々しいばかりに咲き誇っていた。
「まったくいい肛門をしているよ。これじゃ、由紀さんが浣腸されたいと言うのも無理はないねえ。この肛門のよさに気づかない友彦の奴は、とんだまぬけだ、フフフ」
竜二がからかえば、
「まったくですぜ、ヘヘヘ。それだけの極上の尻の穴をほったらかすなんて、もったいないなんてもんじゃねえですよ」
「ヒヒヒ、いいじゃないか、そのぶん、わしらで可愛がってやれるからのう。こうして竜二も浣腸責めを楽しめるんじゃ」
赤沢と梅島がへらへらと笑った。由紀は嗚咽しながら弱々しくかぶりをふっている。
「亭主にかわって永峰由紀に浣腸し、たっぷりと楽しませてやる、ヘヘヘ、こいつは人助けですぜ、竜二先生」
もがく友彦を踏みつけながら、李もせせら笑った。
「人助けとはうまいことを言うのう、ヒヒヒ」
男たちはドッと笑った。
竜二がニヤニヤと眼を細め、由紀の菊蕾をながめながら、ゆっくりと浣腸器をかまえると、由紀はにわかに泣き声をあげ、腰をうねらせた。
「ま、待ってッ、竜二さん」
「どうした、由紀さん。ダダをこねて、友彦の奴を連れてこられたいのかい」
「違いますッ……もう、もう、おとなしくそれをされますから、お願い……」
せめて浣腸液の量を減らしてほしい、量が多すぎるわ……と、由紀はすがるように竜二を見た。
五百CCでも、由紀には気の遠くなる量なのだ。それを八倍の四千CC……。由紀にとっては恐怖以外の何ものでもなかった。
「お願い、そんなにされたら、死んでしまう……」
「フフフ、これだけいい尻をした由紀さんなら大丈夫だよ。それにこれは、由紀さんのなかにどれくらいの量が入るかを調べる浣腸実験、いや、拷問浣腸だからねえ」
「そ、そんな……かんにんして」
由紀は泣きながら哀願した。
「フフフ、拷問浣腸なんだよ、由紀さん」
竜二はもう一度言った。
由紀は、号泣して逃げだしたいのを、必死にこらえた。そんなことをすれば、夫の友彦を連れてこられ、その前でもっとひどいことをされるのはわかっている。
「ヒヒヒ、竜二、減らしてやってもいいんじゃないか。由紀もあんなにおびえておる」
突然、梅島が思いがけないことを言った。
由紀はすがるように梅島を見た。だが、それは甘い期待でしかなかった。梅島が由紀に同情したり、助け舟を出したりするわけがない。
「麗香が五百CC引き受けてやってもよいぞ。ヒヒヒ、どうしても由紀がいやと言うなら、妹に少し、肩がわりさせるしかなかろう」
梅島がニタッと笑うと、つづけて赤沢が、
「まゆみには千CCを引き受けさせますか。ヘヘヘ、美人三姉妹そろって浣腸というのもおもしろいですぜ」
赤沢の声をさえぎるように、由紀が悲鳴をあげた。麗香とまゆみも悲鳴をあげたが、半分気を失っている妹たちよりも、はるかに由紀の悲鳴のほうが大きかった。
「だ、だめえッ……まゆみと麗香には手を出さないでッ」
由紀は、自分の置かれている立場も忘れて叫んでいた。
こんなひどい目にあうのは、自分一人でたくさんだ。男たちの狙いは自分にある。可愛い妹たちまで巻きぞえにするわけにはいかない。
「妹たちには関係のないことです。全部、全部、由紀にしてッ」
「ほう、四千CCを全部、由紀さんは浣腸されたいと言うんだね」
「そ、そうです……」
由紀の声は震えていた。四千CC浣腸……それがどんなに恐ろしいものかわかっていても、由紀にはそう答えるしかなかった。
「四千CC全部呑みたいとは、ヒヒヒ、好きな尻じゃのう」
「さすがに浣腸好みの奥さん、亭主に聞かせてやりたいぜ、ヘヘヘ」
梅島と赤沢が由紀をからかって、わざとらしく大声で笑った。
はじめから四千CCを由紀に注入することは決まっていた。それをわざと妹たちに分けるとからかって、楽しんでいる。李の足の下では、友彦のもがきが一段と大きくなった。死にもの狂いであばれていた。だが、グルグル巻きにされ、李に踏みつけられていては、その動きはたかが知れていた。
「あせるんじゃねえよ。女房に浣腸して、おめえにかわって可愛がってやろうというんじゃねえか。人助けと言ったろうが」
李も友彦をからかっていた。ここで夫の友彦がいることを由紀に気づかれては、おもしろ味が半減する。李はグイグイと友彦を踏みつけ、その動きを封じた。
「可愛い女房が、どれだけ浣腸好きか、よく見てろよ。ヘヘヘ、医師としても、女房にどれくらいの量が入るか、興味あるだろうが」
李はせせら笑った。
由紀は診察台のレザーに顔をよじりつけたまま、すすり泣いていた。もうどうにもならない。男たちの思いのままに弄ばれるしかない。ドス黒い絶望の暗雲が、由紀をおおっていた。
だが、由紀はじっとされるがままになっているだけでは許されない。
「ほれ、どうされたいか、はっきり言うんだ。黙ってちゃ、妹たちへの性教育にはならないだろうが」
竜二が嘴管の先で、由紀の臀丘をつついた。由紀は哀しげに唇をかみしめ、二度三度とかぶりをふった。
「……し、してください。由紀に……由紀に浣腸をして……」
「そんな言い方じゃ、亭主を連れてくるぞ。心からおねだりするんだ」
赤沢が近づいてきて、由紀の黒髪をつかんでしごいた。低い声だが、ヤクザらしくドスがきいていた。
「ああ……由紀は、由紀は浣腸されたいんです……お、お尻の穴がうずいて……浣腸されないと、由紀は満足できないんです」
由紀はあえぎながら、強要された言葉を口にしていく。みじめさ、くやしさで涙があふれてとまらない。
「お、お願い……四千CCを……由紀のなかにどのくらい入るか、浣腸実験にかけて……由紀に……」
「フフフ、由紀さんは友彦の女房だろ。いいのかい、人妻の身でそんなことを言って」
「……だって、夫はお尻に……浣腸してくれないんですもの……他の方にしてもらわないと……ああ、どなたでもいいんです。由紀を、由紀を浣腸責めにかけて……」
口にしながらも、それが自分の本心でないことを示すかのように、由紀はかぶりをふりつづけた。
竜二はうれしそうにケタケタ笑った。強要したとはいえ、由紀が夫の友彦の前で自ら浣腸責めをねだるのが、たまらなかった。
赤沢が盛んに由紀の耳もとで何かささやいている。そのたびに由紀の美貌がひきつり、真っ赤になり、いやいやとふられた。それでも赤沢に黒髪をしごかれると、泣き顔を妹たちのほうへ向けて、
「ま、まゆみ、麗香……お姉さんを見て。今からあなたたちに浣腸責めを見せるわ……お姉さんがどんなふうに浣腸で責められるか、しっかり見ているのよ」
由紀は泣きながら言った。そんな言葉を口にしなければならぬ恥ずかしさ、みじめさに頭の芯がカアッと灼けた。
夫の前で責められるとおどされなければ、誰がこんな恥ずかしい言葉など……。
由紀は唇をかみしめたまま泣いた。その泣き声につられ麗香も声をあげて泣きだした。
「お、お姉さん……由紀姉さん」
「ああ、麗香、あなたは心配しなくていいのよ……これはお姉さんが望んだことなの。由紀は、由紀は浣腸責めにかけてほしいと思っているんだから……」
由紀はもう、赤沢にあやつられる人形だった。どんなに屈辱的であろうと、今の由紀に他に道がない。
「ヘヘヘ、その調子だ。どんどんつづけな」
赤沢が耳もとでせせら笑った。
「ああ、竜二さん、お願い……由紀に、由紀に浣腸を……」
由紀は竜二に向けて、悩ましげに双臀をうねらせた。強要された恥ずかしい言葉を口にするたびに、由紀のなかで何かがこわれ、頭の芯がしびれていく。
「お願い、浣腸を……」
「フフフ、もう待ちきれないとは。こんな由紀さんを見たら友彦の奴、どんな顔をするかなあ。腰をふりながら浣腸責めをねだる由紀さんを、友彦に見せてやりたいよ」
竜二はしらじらしく言って、チラリと李の足もとの友彦のほうを見た。白い布が蠢き、友彦がその下でもがいているのがわかった。
「いくら由紀さんが浣腸好きの牝だと教えてやっても、友彦の奴は信じなかったからな、フフフ、これを見りゃ信じるだろうぜ」
「ああ、夫のことは言わないで……」
「よしよし、早く浣腸されたくて、亭主のことなどどうでもいいってわけか」
竜二はあざ笑うと、ゆっくりと嘴管の先を由紀の菊蕾に含ませた。
「あ、ああ……」
由紀は少女のような声をあげて、真っ赤になった顔を診察台のレザーによじりつけた。
ノズルの太さは親指大、長さは十五センチもある。
それがのめりこんでくる感覚に、由紀は唇を開き、あッ、あッと声を放つ。四千CCもの浣腸責めにかけられるという恐怖にもかかわらず、すでにねじり棒で一度気をやらされている由紀の菊蕾は、嘴管を埋めこまれて、はや身体の芯がうずきだすのをこらえきれなかった。
「ああ……あ、ああ……」
生々しく口を開いた由紀の菊蕾はヒクヒクとすぼまりを見せながら、嘴管を深々と受け入れた。まるで赤ん坊が、乳首に吸いつくようだ。
「さすがに浣腸好きなだけあって、うまそうにしゃぶりついてるじゃないか、由紀さん」
嘴管をピッチリと咥えこむ由紀の菊蕾に、竜二はゾクゾクと嗜虐の興奮をこらえきれなかった。秘められた粘膜が、ネットリと嘴管にからみつく。すでに一度気をやっているとはいえ、驚くまでの感受性だ。
「浣腸責めにかけられるんで、うれしいんだな、由紀さん。友彦の奴に聞かせるつもりで、うんとよがるんだよ、フフフ」
竜二がからかっても、由紀はしみ通るような嗚咽をもらすばかりだった。嘴管を含まされただけで、はや昂りを抑えきれない様子だった。
盛んに腰をよじりたてようとする。
「どうした、黙ってちゃ妹たちに手本を示すことにはならねえぜ、奥さん」
赤沢が由紀の耳もとで、鋭くささやいた。
「ああ……まゆみ、麗香、お姉さんを見て……お姉さんのお尻に……お尻の穴に浣腸器が入っているのがわかるでしょう……」
由紀はすすり泣きながら言った。
竜二が見せつけるように、いったん深々と埋めこんだ嘴管を引きだし、再び縫うようにえぐりこむことをくりかえした。
由紀は双臀をワナワナと震わせ、そりかえした喉で泣き声を絞った。
「ほれ、由紀をしっかり見んか」
梅島が、顔をそむけようとする麗香とまゆみの双臀をはたいて、一方の手を麗香に、もう一方の手はまゆみに這わせ、菊蕾に指先を押しつけていく。
「姉の由紀は、この指より太いガラスを入れられとるんじゃぞ、ヒヒヒ、ほれほれ、こんな具合いにのう」
「ああッ、い、いやッ」
放心したような麗香が、はじかれるように叫んだ。まゆみもビクンと裸身を震わせ、さるぐつわの下から、うめき声をあげた。必死にすぼめる菊蕾が、指先で揉みこまれながら、しだいに開かれていく。縫うように指先がもぐりこんだ。
「ああ、あ……いやあ……」
麗香とまゆみの裸身がのけぞり、激しく痙攣した。
「しないでえ……ああ、お姉さんッ」
「麗香……まゆみ……ああッ」
妹たちの悲鳴に由紀は呼びかえしたものの、どうすることもできなかった。
嘴管が由紀の菊蕾を出入りしつづけていると、頭の芯がうつろになった。特に、ググッとえぐりこまれると、しっかりすぼめられた由紀の菊蕾は、自分の意思とは無関係に嘴管にからみつき、さらに引きこもうとするかのような蠢きさえ見せた。女の部分は、すでにたぎるように濡れそぼっていた。初めて由紀の菊蕾をいたぶった時の、狭くかたくなに閉ざしていたのに較べ、眼をみはるようなA感覚の発達だった。
「ああ、まゆみ、麗香……浣腸責めがはじまるわよ……お、お薬がどんなふうにお姉さんに入っていくか、しっかり見て……」
由紀はもう、もうろうたる意識のなかで赤沢に教えこまれる言葉を口にした。
「り、竜二さん、も、もう、はじめて……」
「フフフ、よしよし、たっぷり入れてやるからな。さあ、永峰由紀への拷問浣腸のはじまりだ」
竜二は深々と嘴管を埋めこむと、ゆっくりとポンプを押しはじめた。
「ああッ、あ、あッ、い、いやあ……」
由紀の裸身が、オコリにかかったようにわななき、ビクンとそりかえった。
チュルッ、チュルルッとまるで男の精のほとばしりを思わせる薬液が流入してくる。その感覚に由紀は、左右の手首足首をいっしょに縛られ双臀を高々ともたげた裸身をブルブルと震わせ、あられもなく泣き声を放った。背筋が震えだし、頭の芯までしびれて、いっそううつろになった。
麗香とまゆみも泣き声を放っている。
「ヒヒヒ、これくらいで泣いてちゃ、しようがないのう。姉の由紀はもっと太いノズルを入れられ、グリセリンまで注入されておるんじゃぞ。姉の由紀を見習わんか、ヒヒヒ。女は尻の穴で感じてこそ一人前じゃ」
梅島は麗香とまゆみの菊蕾に指を埋めこんだまま、意地悪く言った。少しでも由紀から眼をそらそうものなら、梅島は容赦なくえぐりあげた。
「しっかりと見んか。姉の由紀は気持ちよくてたまらんといった様子じゃろうが、ヒヒヒ」
梅島がそう言うと、竜二も合わせてポンプを押しながら、
「気持ちいいんだろう、由紀さん」
「ああ……た、たまんない……」
「気持ちいいなら、ちゃんと妹たちに教えてやるんだ」
「あ、ああ……い、いいッ、気持ちいいわ……浣腸されてるから、ゆ、由紀、たまんない」
それが強要された言葉なのか、熟しきった女の身体が発する叫びなのか、由紀にはもうわからなかった。
男たちは、そんな由紀をかさにかかってからかった。
「ほれ、亭主に聞かせるつもりでもっとよがらねえか、奥さん」
赤沢が由紀の耳もとでささやいた。どうふるまうかを教えていくのである。由紀はもう、逆らう気力もなく、すすり泣いていた。
「ああ、あなた、あなた……由紀は、由紀は今、浣腸責めにかけられているんです……」
「もっとつづけねえか、亭主がすぐそばで見ているつもりでよ。ヘヘヘ、グズグズしてやがると、本当に亭主を連れてくるぜ」
すでに連れこんでおきながら、それを由紀には内緒にして、からかって楽しんでいる。
「あ、あなた、由紀は浣腸されて、とっても気持ちがいいわ……あなたに、あなたに抱かれるよりも、ずっといい……ああ、狂うわ、お尻が狂うわ……」
由紀は泣きながら、あえぐように口にして、キリキリと歯をかみしばった。本当に肉が狂いだしていた。チュルッと注がれるたびに、身体の芯が灼け、ドロドロととろけだす。
「あ、ああ、い、いいッ……あなた、あなた、浣腸されてるから、たまらないわ……き、気持ちがよくて狂いそう……」
夫が眼の前にいようとは知るよしもない由紀は、言われるままに恥ずかしい言葉を口にしていく。
ああ、前も触って……。
由紀はきゅうくつな身体を息ばらせ、双臀をうねらせた。そんな自分の浅ましさに、ハッと我れにかえるが、それも長くつづかない。自分でも信じられないほど、ドロドロと肉のうずきに巻きこまれていく。だが、注入が百五十CCを超えたあたりから、急速に苦痛がふくれあがりはじめた。
「あ、あ……ううッ」
由紀の泣き声が微妙に変わった。
注入される薬液が、グリセリンの原液のままであることは、由紀にもその重苦しい感覚からわかっている。それがしだいに腸管の奥へと流入し、ジワジワと腸襞を侵すのだ。
「ああ、ううむ……お腹が……」
由紀の双臀が硬くしこって、ブルブルと震えだした。
「フフフ、いい肛門しやがって……気持ちいいだろう、永峰由紀」
「ああ、か、かんにんして……お腹が、お腹が苦しいわ……」
「まだまだ、ほんの三百CCしか入ってないんだぜ、フフフ。三百五十……四百……」
竜二はわざと大きな声で目盛りを読みあげながら、ポンプを押していく。由紀と同時に実験室の隅でもがいている友彦に聞かせることが目的だ。
「ヘヘヘ、見ろや。色っぽい顔して浣腸されてるじゃねえか。亭主のおめえに抱かれても、ああは色っぽくならねえんじゃねえのか」
もがく友彦を李がニヤニヤとからかっている。
梅島も、麗香とまゆみの菊蕾をまさぐりながら、しきりにささやきかけていた。
「グリセリンがどんどん姉さんの尻の穴に入っていくのがわかるじゃろうが。ヒヒヒ、女は熟しきれば、あのように気持ちよさそうに呑むんじゃぞ」
ささやかれても、麗香とまゆみは声もなく嗚咽し、放心したような眼を由紀に向けるばかりだった。
「フフフ、たまらなくなるのは、これからだよ、由紀さん」
竜二はちょうど五百CC注入したところで、いったんポンプを押す手をとめた。あとは嘴管でゆるゆると、由紀の菊蕾をこねくりまわすようにいびる。
「ああ……どう、どうすればいいの……早くすませて……」
由紀はうめきながら言った。ここでやめてほしいと哀願して、聞いてくれる竜二ではない。いっときも早く終わってくれることを願うしかなかった。すでに五百CCもの量を注入されているのだ。湧きあがる便意に、裸身がじっとりと汗に濡れた。
「ううむ……いっそ、ひと思いに……」
「フフフ、そんなに浣腸されたいのか、由紀さん。だけど、これからはきついぜ」
「ああ、早くすませて……浣腸を……ああ、早くうッ」
時間がたてば、苦痛は増す一方だ。由紀はもう我れを忘れて泣き声をあげ、レザーによじりつけた美貌を右に左にとふった。
「亭主がいるつもりでふるまえと言ったのを忘れたのか、奥さん」
赤沢が由紀の黒髪をしごいた。この際、由紀をとことん弄ぼうという魂胆だ。
「ああ、あなた……由紀はもっと、もっと浣腸されたいんです……泣き叫ぶまでたくさん浣腸されないと、由紀は満足できないの……」
ああ、早くもっと浣腸して……由紀は泣きながら、再び強要された言葉を口にするのだった。
【3】
竜二がポンプを押しはじめた。チュルチュルッと流入するそれまでのやり方とはうって変わって、今度はグイグイ注入する。巨大なガラス筒のなかのドロリとした薬液が泡立って渦巻き、由紀のなかへと流れこんだ。
「あ、ああ、そんな……もっとゆっくり……ううむ」
「フフフ、どんどん入っていくのが、いいはずだぜ、由紀さん。ほうれ、六百……六百五十……七百……」
竜二は意地悪く目盛りを読みあげては、ポンプを力まかせに押した。キーッ、キーッとガラスが不気味に鳴って、多量のグリセリン原液が、ドッとばかりに注入される。
「うッ、ううむ……きつい、そんなに一度に入れられたら、く、苦しいッ」
由紀は苦悶のうめき声をあげた。
由紀の顔が蒼白になって、玉のような汗が噴きだしてきた。豊満な乳房も、官能美あふれる双臀も、どこもかしこもヌラヌラと油でも塗ったように汗で光った。黒髪までじっとりとしめっている。
「ああ、苦しいッ……ううむ」
「ほれ、千CCだ、フフフ。まだまだ入るぞ、永峰由紀」
竜二はやめない。おもしろがって一気に多量に注入していく。
「ああッ、きつい……この浣腸きついわ……ううむ、うむ、お腹が苦しいッ」
「フフフ、浣腸責めだからきついのは当たり前さ。由紀さんは拷問浣腸にかけられているんだからねえ」
「ああ、あ、ううむ……」
きつい、きついッと由紀は泣きだした。双臀がブルブルと痙攣して、とまらなくなった。玉のような汗があたりに飛び散った。
「いい声で泣くぜ、由紀さん。亭主に聞かせるつもりで、どんどん泣きわめけよ、ヘヘヘ」
赤沢が笑う。梅島が笑い、李も笑った。
「ヒヒヒ、千八百CC、ちょうど一升瓶の量が姉の由紀に入ったわけじゃ。うれしくて姉はいい声で泣いておろうが」
梅島が麗香とまゆみの耳もとでささやけば、
「激しいな、おめえの女房は、ヘヘヘ。浣腸好きなだけあって、泣き声も身悶えも大した激しさだ。あれじゃ、おめえ一人で満足できるわけがねえ」
李も友彦をネチネチといたぶっていた。
麗香とまゆみの二人は、あまりに無残で痛々しい由紀の姿と、眼の前でくりひろげられる浣腸責めの酸鼻さに、半ば気を失っているような状態だった。
だが、友彦のほうはまだ李の足の下でもがきながら、何かわめきつづけていた。さるぐつわをかまされていて、くぐもったうめき声にしかならないものの、その声はもう泣いているようだった。
愛する妻が、眼の前ですさまじい浣腸責めにかけられ、悪夢を見ているとしか思えなかった。
竜二が時折り、友彦のほうを見て笑った。
「そうれ、二千CCを超したぜ。フフフ、すっかり浣腸の味を覚えたようだ」
竜二はからかうように言った。医師の友彦なら、二千CCを超える浣腸がどんなものか、よくわかるはずだ。ましてグリセリン原液の注入である。
「ようやく半分だよ、由紀さん。四千CCにもなると、呑みごたえがあるだろ。フフフ、ほれ、もっといい声で泣くんだ。友彦の奴に聞かせるつもりでな」
「ううッ、もうしないで……これ以上、入れられたら……ううむ、つらいわ」
「何を言ってるんだ。まだまだ、いくらでも入るじゃないか、フフフ、二千二百……二百五十……三百……ほうれ」
美しい由紀の哀れな苦痛の身悶えを楽しみつつ、竜二はグイグイとポンプを押しつづけた。
「うううッ、うむ……お腹が裂けるうッ、たまらないわ……」
由紀は腸内が灼けただれるような苦しさに、背筋をたわめて、汗に光る裸身にさらにドロドロとあぶら汗を流した。
「ああ、もうかんにんしてッ……きつい、きついッ、ううむ……」
由紀はすでに二千五百CCの量を呑まされて、汗まみれの白い腹部は、胎児を孕んでいるようにふくれている。
「ああ、まだ入れるの……もう、もう、由紀は呑めないッ、うッ、ううッ」
「フフフ、由紀さんはそう言っても、肛門のほうはおいしそうに呑んでるぜ、もっとと催促するようにヒクヒクしてるからねえ」
「ううッ、ううん……もう、もういやあ……無理よ、死んじゃう……助けて……」
由紀は助けてと哀願した。由紀の恐怖のほどを示していた。
泣き声がしだいにかすれ、息も絶えだえに苦悶のうめき声をあげ、由紀は背中を震わせた。腸管がふくれあがり、腸襞がグリセリン原液にかきむしられる。
二千五百CCを超したあたりから、腸管はパンパンに張りきって、今にもはちきれそうになった。ポンプを押されるたびに、流入するグリセリン原液がビンビンと腸管に響いた。それは頭の芯にまで響き、意識もかすむ。
「し、死んじゃう……う、ううッ」
さらにポンプが押されると、由紀は眼を剥き、口もとから唾液さえ垂らして、半ば失神状態で死んだようになった。時々、うむ、ううむと身を絞るようにするものの、あとは嘴管を呑まされた菊蕾だけをヒクヒクと痙攣させる。
「ほれ、気を失うのはまだ早いぞ、永峰由紀。まだ浣腸は終わってねえんだ」
赤沢が由紀の黒髪をしごいた。
竜二はポンプを押す手を休めなかった。息も絶えだえの由紀に、むごくしかけていく。
「ううッ、うむ……」
三千CCを超すと、嘴管を含んだ由紀の菊蕾から、しょぼしょぼとグリセリン原液が噴きこぼれはじめた。それはガラスの筒を伝わって、竜二の手にまでしたたった。
「ああ、出る……出るう……」
由紀はうめくように言った。もう自分の意思ではどうにもならなかった。おびただしい量が出口を求めて、ひしめき合っている。
それをかまわず、竜二は注入をつづけた。すでにいっぱいに腸管に充満したグリセリン原液が、新たに注入されたぶんだけ、噴きこぼれる感じだった。それでも竜二はやめない。
「もらすなんて、だらしないぞ、由紀さん。ほれ、もっと肛門を引きしめないか」
竜二は由紀を叱咤した。
だが、由紀の返事はなかった。由紀はもう白眼を剥いて、総身を激しく痙攣させるばかりだった。
「フフフ、やったぞ。永峰由紀は四千CC呑んだぞ。ザマをみろ、友彦の奴め。由紀は俺の手で四千CCも浣腸されたんだ」
竜二は興奮に顔をひきつらせ、勝ち誇ったように叫んだ。
ポンプが押しきられ、嘴管が引き抜かれると同時に、なまぬるいグリセリン原液が、赤沢のあてがう便器めがけて、シャーとおびただしく排出した。
「ヘヘヘ、派手にひりだすじゃねえか、奥さん。そこらで亭主が見ているかもしれねえってのによ」
便器をあてがいながら赤沢がからかっても、由紀の反応はなかった。由紀はもう、白眼を剥いて気を失っていた。生々しく口を開いて、グリセリン原液とともにドロドロとひりだす由紀の菊蕾だけが、ひとつの軟体生物のように蠢いていた。
「フフフ、これで終わったと思うなよ、由紀さん。まだまだ、いくら気を失っても、もっといろいろ責めてやるからな」
竜二は眼を細めて、由紀の排泄をつぶさにながめながら、うれしそうにつぶやいた。とうとう夫の友彦の前で、由紀に浣腸してやったのだ。それも以前からやりたいと思っていた四千CCもの拷問浣腸だ。嗜虐の興奮に総身が汗ばみ、胴震いがとまらなかった。竜二は李に、友彦を由紀の後ろまで引きずってくるように言った。
「ヘヘヘ、竜二先生。いよいよ由紀に亭主と対面させるんですかい」
李がニヤニヤして聞いた。竜二は首を横にふった。まだ由紀を友彦に会わせる気はない。今は由紀が気を失っているのをいいことに、少しばかり友彦をからかおうというのだ。
「どうだ、友彦。おもしろかったかねえ、フフフ」
由紀の双臀の前まで引きずられてきた友彦のさるぐつわを解きながら、竜二は言った。さるぐつわがはずされるや、友彦は叫んだ。
「り、竜二、君という奴は……」
あまりの怒りのため、友彦は言葉がつづかない。
真っ赤にした眼に怒りを露わにして、竜二をにらみつけた。
「由紀さんへの浣腸責めの感想はどうだ。フフフ、亭主のおまえでもゾクゾクしたろうが」
「黙れ、黙れッ、よくも由紀を……妻をあんな目にあわせて。許さん、君を許さんぞ」
「勘違いしてもらっちゃ困るぜ、友彦。これは由紀さんにねだられてしたことなんだぜ、フフフ。聞いてたろ、由紀さんが浣腸責めを求めるのを」
竜二はしらじらしく言って、せせら笑った。
「バカを言うなッ。妻を無理やり嬲りものにしておきながら、よくも……」
「わからん奴だな。由紀さんは浣腸なしではいられない牝なのさ。フフフ、いい尻してるだけあって、浣腸のしがいがあったぜ」
「妻をあんな目にあわせて、そ、それも麗香やまゆみまでも……ただですむと思うなよ。告訴してやる」
友彦は竜二にかみつかんばかりに、グルグル巻きにされた身体で、にじり寄った。それを竜二は冷たく蹴とばした。
「そんなことより、今は由紀さんの排泄を楽しもうじゃないか。ほれ、由紀さんの肛門があんなに開いて、まだひりだしてるぜ」
竜二は由紀の菊蕾を指差して、あざ笑うように言った。
「ああ、由紀、由紀ッ。しっかりするんだ、由紀ッ。僕だ、僕だよッ」
友彦は夢中で叫んだ。
だが、気を失っている由紀には聞こえない。友彦の声がむなしく響くばかりだった。
【4】
梅島と赤沢が、激しい衝撃にうちひしがれ、半分気を失った麗香とまゆみを連れだした。もう由紀を責めるうえでの二人の役割は終わったのだ。あとは、由紀と夫の友彦、そして李の手助けがあれば、竜二には充分だった。
「フフフ、由紀さんを実験台に乗せるか」
竜二がうれしそうに手をすり合わせた。
李に手伝わせ、グッタリと気を失っている由紀の手足の縄を解くと、肛門実験台の上にうつ伏せに乗せた。
由紀専用のX字型の奇妙な実験台である。その上に乗せ、手足をX字型に合わせて、革ベルトで固定した。
「り、竜二、何をしようというんだ。これ以上、何をする気だッ」
床にころがされている友彦が叫んだ。さるぐつわをはずされてから、ずっと叫びつづけている。だが、グルグル巻きにされていては、もがくのがせいいっぱいで、いくら叫んでも無駄だった。
「これ以上、バカなことはやめてくれッ」
「フフフ、由紀さんにいいことをしてやろうというんじゃないか。感謝してもらいたいくらいだぜ、友彦」
竜二はニタニタと笑った。
「や、やめてくれッ……由紀に何をする気だ」
「由紀さんにすることは決まってるだろ。肛門で感じるとなりゃ、由紀さんの肛門を責めることしかないぜ、フフフ」
竜二は肛門実験台についているハンドルをグルグルとまわした。X字型の下の部分がさらに開いて、由紀の両脚を無残なまでに割り開いていく。竜二は百八十度近くまで開いた。
ムッチリと形のいい双臀が汗にヌラヌラと光って天井を向き、その臀丘の谷底に由紀の菊蕾がのぞいていた。それは両脚を百八十度近くまで開かれているため、これ以上はないというほど露わに剥きでていた。
「フフフ、友彦。これくらい由紀さんの肛門を剥きだせばいいかな。これなら、たっぷりと由紀さんの肛門をいじりまわせると思うが、どうだい」
竜二は意地悪く友彦をからかった。
「やめろ、やめてくれッ……頼む、これ以上由紀に手を出すなッ」
友彦はもう、泣きださんばかりだった。愛する妻が竜二の手で浣腸責めにかけられるのを見せつけられただけでも、友彦の心臓は張り裂けんばかりなのだ。
だが竜二は友彦の叫びには耳を傾けようともせず、さらにハンドルをまわして、由紀の両脚を百八十度まで開いた。
「これならお前も気に入るだろ、フフフ。ほら、由紀さんの肛門を触り放題だ」
竜二は、指先でゆっくりと由起の菊蕾を縫った。指は楽々と根元まで沈んだ。
由紀の菊蕾は、浣腸責めと排泄のあとも生々しく、赤くただれたようにふっくらと内側の肉襞をめくりだしてふくらんでいた。もうすっかり排泄したにもかかわらず、ただれた腸管は苦痛にヒクヒクと蠢いていた。
「やめてくれッ、竜二、やめろッ」
妻の由紀の菊蕾に竜二の指が深々と入っているのを眼にすると、友彦は狂ったように叫んだ。
「何がやめろだ、ヘヘヘ。眼の保養をさせてやろうというんじゃねえか。おとなしく、女房が尻の穴をどうされるか見物してな」
李がせせら笑いながら、友彦の口に再びさるぐつわをかませた。
「ううッ、ううッ」
もがく友彦を、李は邪険に蹴ると、肛門実験台の下へ引きずった。
由紀の両脚の下に顔が来て、由紀からはちょうど見えない位置だ。
「ヘヘヘ、ここなら女房の尻の穴が見えるだろうぜ、まあ、楽しみにしてな」
李は靴で友彦の胸のあたりをギュッと踏みつけた。
「竜二先生、亭主のほうはいいですぜ」
「フフフ、はじめるか」
ニンマリとした竜二は、気つけ薬を由紀にかがせた。
うッ、ううん……と、由紀は二度、三度と顔をふるようにして眼を開いた。しばし眼の焦点が定まらず、事態を呑みこめない様子だったが、菊蕾に竜二の指が埋めこまれている感覚に、ハッとよみがえった。浣腸の直後とあって、菊蕾の繊細な神経は昂っている。
「ああッ、いやッ……もう、もういやッ」
由紀は本能的に逃げようとした。だが、手足を革ベルトで固定されていては、腰をうねらせるのがせいいっぱいだった。
「フフフ、やっと眼が覚めたようだな、由紀さん。浣腸責めの途中で気を失うとは、よっぽどよかったんだな」
竜二は埋めこんだ指で、腸管をまさぐりながら言った。
「ああ……ひどいわ」
由紀は浣腸責めのつらさがよみがえったのか、シクシクと泣きだした。ヒリヒリとうずき、まだ便意だけが残っているようだ。吐気さえもよおす。
泣き声とともに、ゆるんでいた由紀の菊蕾が生ゴムのように収縮して、きつく竜二の指を締めつけたかと思うと、またフッとゆるむ。それは秘められた女の息づかいさながらに、ゆるんだり締まったりをくりかえした。
「フフフ、肛門は感じてるじゃないか、由紀さん」
「ああ……そ、そんなこと……」
由紀はハアッハアッとあえいだ。美貌がカアッと血が昇るように赤くなった。
「ああ、もう、かんにんして……つ、つらい浣腸をされたのですから……」
「フフフ、この実験台に乗って、かんにんしてもないだろ、由紀さん。それに肛門はまだ満足できないと言ってるぜ」
「そ、そんな……」
由紀は弱々しくかぶりをふった。浣腸責めで、もうクタクタに責めぬかれたように、由紀の身悶えは気だるげだった。逃げようと腰をよじるものの、それは強い抗いといったふうではなかった。
竜二はゆっくりと指をまわし、腸管をまさぐっては抽送した。
「あ、ああ……もう、やめて……ハアッ」
浣腸責めによる菊蕾のヒリつきがまださめやらぬ間に、新たな昂りを呼び起こされる風情だ。
「浣腸責めがきいたと見えて、すごいとろけようじゃないか。これがあの細かった由紀さんの肛門とは思えないねえ、フフフ。指が呑みこまれてとろかされるようだぜ」
竜二はたっぷりと熱く妖しい肉の蠢きを楽しんでから、棚のケースに入れておいた不気味な金属の器具を取りだした。クスコによく似ている。いや、クスコよりは小さいが、鳥のくちばしのような部分は、ずっと細くて長かった。長さは二十センチはあった。
それを、由紀の黒髪をつかんで泣き濡れた瞳に見せた。ハンドルの部分を握ると、二十センチもあるくちばしが、パクパクと口を開いた。
「フフフ、由紀さんのために特別につくったんだぜ」
「……そ、そんなもので、何を……」
「肛門拡張器だよ。こいつで由紀さんの肛門を開いて、奥までのぞこうって代物さ。二十センチあるから、奥まで開くぜ、由紀さん」
竜二は親指と人差し指で輪をつくり、その間に肛門拡張器を差しこんで、ググッと開いてみせた。
「ひッ……」
由紀は悲鳴をあげた。由紀の表情におびえが走るのを見ると、竜二の眼に嗜虐の喜びが色濃く宿った。
「いや、そんなもの……いや、いやよッ」
由紀は泣き声をひきつらせて、ガクガクと腰をふりたてた。
「いやでも由紀さんの肛門をひろげておく必要があるのさ」
竜二は意味ありげに、低いがはっきりとした口調で言った。李がケケケッと笑った。李には竜二が何を考えているのか、もうわかっている。
「ヘヘヘ、今のうちに奥さんの尻の穴をうんとひろげておきゃ、あとでつらい思いが減るってもんだぜ」
「そうとも。今は肛門をひろげられて、つらいかもしれないが、そのぶんあとでいい気持ちになれるんだ」
李と竜二は顔を見合わせて、ニタリとした。
由紀には二人が何を話し合っているのか、わからなかった。それを考えるよりも今は、おぞましい排泄器官を押し開かれる不安とおびえが先立った。
「あ、あ、やめてえ……」
冷たい金属の先が、熱くただれた菊蕾に氷のような鋭さで触れてきた。
ひいッと由紀は総身を硬直させた。
「永峰由紀、肛門拡張だ。フフフ、どのくらい肛門が開くか、楽しみだぜ」
竜二は実験台の下の友彦に聞かせるのが目的で、大きな声で言うと、ゆっくりと肛門拡張器を埋めこみにかかった。すでにふっくらとほぐれている由紀の菊蕾は、たやすく受け入れるはずだ。なのに竜二は、肛門拡張器の冷たい金属の感触をジワジワと味わわせるように、わざとゆっくりと貫いていく。
「あッ、あ、ああ、いやあ……」
由紀は顔をのけぞらせたまま、切羽つまった声をあげた。
それは嘴管やねじり棒とも指とも違った異様な感覚だった。硬質な金属の冷たさが、由紀をおびえさせた。
「フフフ、深く入ったぜ、由紀さん。二十センチも入ったんだ。わかるな。あとはハンドルを握って、由紀さんの肛門を開くだけだ」
竜二は由紀をおびえさせるだけでなく、友彦に聞かせるためもあって、しつこかった。
「由紀さん、肛門を開かれるんだぞ。どうだ、うれしいか」
「ああ、そんな恐ろしいこと……いや、いやよ」
由紀は泣き声を喉につまらせた。腰のあたりがブルブルと震えて、とまらない。
「フフフ、まだ誰も見たことのない永峰由紀の肛門のなかを見れるんだ、フフフ。どんな具合いか楽しみだよ」
「ヘヘヘ、これだけいい尻の穴をしてるんだ。さぞかしなかのほうも……」
竜二と李は、はや気持ちが昂るように、口もとの唾液をぬぐって笑った。
「さあ、由紀さんの肛門拡張にとりかかるぞ」
竜二は足もとの友彦に向かって言った。由紀はまだ夫が実験台の下にいることに気づいてはいない。
「い、いや、いやあ……」
「今はいやでも、一度肛門を開かれる味を覚えたら、ヤミつきになる。そのうち、いつも肛門を開かれていたくなるさ、由紀さん」
竜二はてのひらの汗をぬぐうと、肛門拡張器のハンドルを握った。ジワッと少し力を加えた。
「ああッ」
ビクンと由紀の双臀が硬直した。繊細な肉襞が内側から、ゆっくりと押し開かれていく感覚に、由紀は背筋に電流が走った。
「あ、ああ、こわいッ」
「おびえるなんて、由紀さんらしくないなあ。本当はうれしいくせに」
「ああッ……い、いや……」
冷たい金属のくちばしが、深さ二十センチにわたって菊蕾から腸管にかけて、さらにジワジワと押し開いていく。それは由紀が、これまで一度も味わったことのない、内側から押しひしがれるように開かれる、気の遠くなるような感覚だった。
「二センチ開いたぞ。フフフ、もっと開くかい……そうか、もっと由紀さんの肛門を開いたほうがいいんだな」
竜二は、そんなことを勝手に友彦に向かって言いながら、さらにジワジワと押し開いた。
「あ、うッ、ううんッ」
由紀は顔をのけぞらせたまま、うつ伏せの裸身を揉み絞った。
「フフフ、やっぱり肛門を開くといい声で泣くじゃないか。どうだ、だいぶ開いただろうが」
竜二は盛んに友彦に向かって語りかけているのだが、由紀はまさか夫がいるとは思ってもいなかった。
「い、痛……痛いッ……ああ、もう、かんにんして……」
「気持ちいいはずだぞ。これだけいい肛門をしてるんだから、苦痛を快感に変えるんだ、永峰由紀」
「うッ、ううむ……うんんッ」
由紀はのけぞったまま、キリキリと唇をかみしめた。それでも耐えきれず、ひッ、ひッと喉を絞って双臀を震わせ、ジワッと押し開かれていく。また、たちまち玉のような汗が、フツフツと肌に噴きだしてきた。
「いい肛門してるだけあって、よく開くじゃないか」
竜二は友彦を見おろして、ニタッと笑った。もう無残に開いた金属のくちばしの間から、ピンク色にヌラヌラと光る腸襞がのぞいていた。それは、金属のくちばしを押しひしがんばかりにからみついていた。
それが見えるのか、李に押さえつけられている友彦がもがいている。由紀が悲鳴をあげるたびに、友彦のもがきも大きくなった。
「ああ、痛い……裂けちゃうわッ」
「フフフ、まだまだ開くぞ」
「そ、そんな……」
耐えきれずに由紀は、ひいッと喉を絞った。いっぱいに輪状の括約筋が押し開かれていく感じで、それは身体を内臓から引き裂かれる錯覚を与えた。
「これだけ開けばいいだろう……なに、もっとか。よしよし、限界まで由紀さんの肛門を開けってんだな」
友彦に向かって、くさい一人芝居をしながら、竜二はさらにジワジワとハンドルを握る手に力を加えた。
「ああッ、ひッ、ひッ……かんにんッ」
血を吐かんばかりに由紀は顔をのけぞらせた。おぞましい排泄器官を拡張される汚辱感と苦痛に、由紀はもう、息も絶えだえだった。
「……ううむ……かんにんして……」
「パックリ開いたぜ、由紀さん。あの狭くきつい由紀さんの肛門が、ここまで開きゃ立派なもんだ。もっと歓ばないか」
「そ、そんなッ……ああ、きつい、お尻が裂けそうだわッ」
ちょっと腰を動かしただけで、菊蕾が張り裂けそうだった。息をするのも苦しかった。
そのくせ由紀は、身体の奥底で得体の知れない感覚がドロドロと湧きあがるのを感じとっていた。
竜二は眼を細めて、くい入るように由紀の菊蕾をのぞきこんだ。
「こ、これが永峰由紀の肛門のなかか……すごいねえ、腸のなかの肉襞まではっきりと見えるぞ……綺麗なもんじゃないか」
竜二は一種感動にも似た心のときめきを感じた。ピンク色に妖しく濡れた腸管の肉襞でさえ、たまらなくいとおしく思えた。由紀を生体解剖にかけて、もっと奥まであばきだしたい気になったほどだ。
竜二は欲望のおもむくままに、金属のくちばしの間から指を差し入れて、奥の肉襞をまさぐった。肉襞のひとつひとつ、菊蕾の開き具合いを確かめるように、丹念に指を使う。
「あ、ああ、だめえ……いや、いや……」
指を拒もうと菊蕾をすぼめようとすると、肛門拡張器の形をいやでも感じ、押し開かれている大きさを実感させられた。腰をよじろうとしても、肛門拡張器をクサビのように打ちこまれて力が入らなかった。
「ああ、お尻を開かれるなんて……」
由紀はカチカチと歯をかみ鳴らしながら、もうどうにもならないといったふうで、嗚咽をもらした。
「フフフ、いい肛門だ。色といい形といい、手触りだって文句ない」
竜二は友彦を見おろして笑った。
指先で腸管をまさぐると、キュッと肛門拡張器を押しひしがんばかりにすぼまろうとし、肉襞がいっせいにざわめくように蠢きを見せるのだからたまらない。
「竜二先生が夢中になるだけのことはありますぜ、こりゃ……極上もんだ」
李もうなり声さえあげて、くい入るようにのぞきこむ。もちろん、友彦の顔を起こして意地悪く見せつけるのを忘れなかった。
「竜二先生、犯るんでしょう」
「フフフ、そのつもりだが……」
「これだけ開きゃ、なんとか使いこなせますぜ」
「試してみるか、フフフ」
竜二は嗜虐の欲情に昂った笑いをこぼした。眼がギラギラと異様に光っている。
由紀は何か底知れぬ不安のなかで、二人の会話を聞いている。
「ああ、何を……このうえ、何をしようというの……」
由紀は竜二をふりかえった。
竜二はモゾモゾとズボンを脱いでいるところだった。恐ろしいものでも見たように、由紀はハッと顔をそむけた。
「……犯す気なのね、竜二さん」
「フフフ、犯すなんて人聞きが悪いな。由紀さんとの愛の営みだよ。それも由紀さん、処女から女にしてやろうというんだ」
由紀は何を言われたのか、理解できなかった。
「わからねえのか。なんのために尻の穴を開いてると思う。ヘヘヘ、奥さんが相手をする処女はここさ」
李が由紀の菊蕾を指先でなぞった。
「由紀さんの肛門を使って愛の営みをしようと言ってるんだよ」
「そ、そんな……」
信じられない竜二の言葉だった。おぞましい排泄器官を使って性行為をするなど、由紀には考えつかないことである。驚愕に由紀の総身が凍りついた。
「バ、バカなことを言わないでッ……そんなこと、狂ってるわ……」
「尻の穴で男の相手ができてこそ、女は一人前なんだよ、奥さん」
李がせせら笑えば、
「フフフ、これでも俺は友だち思いでね。友彦の奴のことを思うと、オマンコを犯るわけにはいかないだろ。となりゃ、尻の穴を犯るしかないわけだ」
竜二はしらじらしく言って、へらへらと笑った。
「い、いやあ……お尻でなんていや、いやあ、竜二さんッ」
由紀が悲鳴をあげるのもかまわず、竜二は由紀の菊蕾にゼリーを塗ると、肛門拡張器を引き抜きにかかった。今度は引き抜かれることが、恐怖につながった。
「いやあ……そんなこと、狂ってるわ」
「肛門に入れられて狂うのは、由紀さんのほうだぜ、フフフ」
「いや、いやッ……こ、こわいッ、前で、前でしてッ」
由紀は金切り声をあげて、裸身をうねらせた。前を犯されるおぞましさ、夫のことはもう意識になかった。あるのは排泄器官を犯されることへの恐怖だけだ。
竜二がブリーフをおろして、実験台の上の由紀の背中へのしかかった。硬直した双臀が両手でかかえこまれる。由紀の両脚は百八十度まで開かれている。拒む術はなかった。
「こわい、こわいッ……いやあ……」
「こわがることはないさ。最初は痛いかもしれないけど、俺のが入るまで肛門拡張器で開いたんだ。すぐに気も狂うほどよくなるぜ」
「いやあ……助けて、助けてッ」
由紀は泣き叫んだ。
竜二はへらへらと笑っていた。由紀の上へのしかかり、両手で腰をかかえこんでいるものの、すぐには犯そうとはしない。
「フフフ、由紀さんは助けてほしいそうだぜ、李さん」
「亭主にでも助けを求めてるんですかね」
「そのようだ、フフフ」
「それじゃ、助けてくれるかどうか、直接亭主に聞かせますかね」
竜二と李は、互いに顔を見合わせて笑った。いよいよ由紀を、夫の友彦と対面させる時が来た。
「た、助けてッ……お尻でなんていや、いやよッ」
由紀は狂ったようにかぶりをふり、泣き叫んでいた。竜二にすでに犯されている由紀は、そのたくましさを思い知らされている。おぞましい排泄器官を犯されると思うと、本当に気が狂いそうだった。
「前でしてッ……お尻でなんていや、いやよッ、助けて、竜二さん」
「フフフ、そんなに助けてほしいなら、友彦の奴に頼んでみな。無駄だとは思うがね」
竜二はたくましい灼熱の先を由紀の菊蕾にこすりつけながら、黒髪をつかんで顔を横に向けさせた。
李がニヤニヤと笑っている。そして李は何かモゾモゾと動くものをかかえていた。泣き濡れた由紀の瞳には、はじめそれが何かわからなかった。だが、それがまぎれもなく、グルグル巻きにされ、さるぐつわをかまされて上体を起こされた夫の友彦であることに気づいたとたん、
「ひいッ、ひッ、ひッ……」
すさまじい絶叫を噴きあげて、総身をふりたてた。
眼の前に愛する夫がいる。これまでのことをすべて見られ、聞かれていた!……由紀は気も遠くなるような衝撃に泣きわめいた。
「あなた、あなたあッ……」
今まさに、おぞましい排泄器官を犯されようとしていたことも忘れ、由紀は愛する夫の名を呼んだ。それは絶叫だった。
「あ、あなたあッ、許してえ……あなた、あなたあッ」
その叫びにこたえようと、友彦もうめき、もがいた。
「ヘヘヘ、奥さん、亭主に会わせてやったんだ。救いを求めねえのか」
李がニヤニヤと由紀をからかった。
「今さら、救いなんか求められやしねえよな。尻の穴で気をやり、浣腸責めにかけられ、尻の穴を開かれるところまで、すっかり亭主に見られたんだからな、ヘヘヘ。それも全部、奥さんが自分からねだったとなりゃ、なおさらだ」
李はへらへらとあざ笑った。
由紀はもう狂ったように、夫の名を呼ぶばかりだった。
【5】
人妻は、その夫の前で責める時が最も美しく、妖しい色香に満ち、激しい反応を見せる……竜二と李はそう思っていた。
その通りだった。
「あなた、あなたあッ」
泣き叫ぶ由紀は、初々しく、釣りあげたばかりのピチピチとはねる魚のようだった。たまらない由紀の反応だ。
「フフフ、友彦が見てるんだから、やっぱり肛門を犯るしかないだろ、由紀さん」
「そうそう、肛門を竜二先生に犯られるのを亭主に見られるんだぜ。ヘヘヘ、もっと張りきりな、奥さん」
竜二と李は、おもしろがって由紀をからかいつづけた。
「浣腸責めにかけられ、ひりだすところまで友彦に見せておいて、今さら恥ずかしがったり、いやがってもさまにならないぜ、由紀さん」
「敏感な尻の穴をしていることは、亭主にわかっちまってんだ。ヘヘヘ、竜二先生にぶちこまれりゃ、一発で気をやるかもしれねえくせによ」
そんなからかいの声が聞こえているのか、いないのか、由紀は泣き叫び、裸身をうねらせていた。
「それじゃ由紀さん、ぼちぼち肛門での愛の営みといくかね」
由紀の上にのしかかった竜二は、ゆっくりと腰を突きだした。
愛する夫に対面させられた由紀は、その衝撃に気も動転し、一瞬、竜二に何をされたのかわからなかった。わからないままに、菊蕾が押しひろげられる激痛が襲いかかってきた。
「ひいッ、お尻はいやあ……あなた、あなたあッ」
夫を呼ぶ声は、悲鳴に呑まれた。本能的に腰をガクガクと震わせ、実験台をずりあがろうとした。
「いや、いやあッ」
「往生際はよくするものだ、由紀さん。堂々と肛門で俺を受け入れるのを、友彦の奴に見せてやるんだ」
「ひいッ、ひッ……い、痛、痛いッ」
ジワジワと押しひろげられる苦痛の声を放った。菊蕾が、たくましい灼熱の肉塊に、メリメリと音をたてて裂けそうだ。苦痛もさることながら、愛する夫の前でそんなところを犯される恐怖と汚辱感に、由紀はいっそう苦痛を感じ、気が遠くなっていく。
「あなたあッ……うッ、ううむッ、痛、痛いッ……ひッ、ひッ、ひいッ」
「痛いはずはない。このくらいならさっき、肛門拡張器で開いているんだからね」
竜二はグイグイと押しつけて、少しずつ先をもぐりこませた。
由紀は必死にすぼめて、侵入を拒もうとした。だが、それがかえって、肉を引き裂くように押し入ってくるもののたくましさと、苦痛をふくれあがらせた。
「い、いやあッ……あなた、あなたッ」
激痛に由紀は、空気を求めるかのように口をパクパクさせ、何度も悲鳴を放った。肛門を拡張器で同じだけ開いていると言うが、その苦痛の比ではなかった。
押し入ってくるもの……それはねじり棒や嘴管、肛門拡張器の冷たく硬質な感覚ではなく、明らかに生身の男だ。そのことが、由紀の脳を灼けただれさせ、眼の前を暗くしていく。
「フフフ、先がもぐりこんでしまえば、ずっと楽になる。ほれ、もう少しだ。肛門をゆるめないか、由紀さん」
「ああ、裂けちゃう……ううんッ」
繊細な神経が極限まで引きはだけられ、不気味に押し入れられる苦痛に、由紀は眼の前が暗くなった。その闇のなかで、苦痛の火花がバチバチ散った。
「ヘヘヘ、見事に入りましたね、竜二先生」
深々と貫いているのを、李がのぞきこんだ。張り裂けんばかりに菊蕾が拡張され、ドス黒い竜二の肉塊がクサビのように打ちこまれていた。
「どうです、奥さんの尻の穴は」
「いい感じだ。熱い肉がヒクヒク締めつけてくる……灼けそうだよ」
「そいつはよかった。ヘヘヘ」
由紀の菊蕾を味わえる竜二がうらやましいといわんばかりの顔をして、李はくい入るようにのぞいている。
「うッ、ううむ……」
由紀はあぶら汗にまみれていた。もう、口さえきけずに、うむ、ううむッとうめきながら硬直した双臀を震わせる。それでも癒えぬ苦痛に、うなじを突っぱらせて白い歯を剥いた。腹の底までビッシリつめこまれた感じで、張り裂けそうだった。
「由紀さん、とうとう肛門で俺とつながったな。どうだい、深く入ってるのがわかるだろ」
竜二は由紀の黒髪をつかんで、後ろから由紀の顔をのぞきこんだ。
「いい顔だ……まさに犯される生娘って顔だな。肛門を犯されるその顔を、友彦の奴にも見せてやれよ」
「……い、いやッ……」
竜二は強引に、由紀の顔を友彦のほうへ向けた。由紀と友彦の眼が合った。友彦が狂ったように、グルグル巻きにされた身体をゆする。涙でさるぐつわをグチュグチュにしながら、由紀に向かってうめき声を放った。
「……ゆ、許して……あなた……」
由紀もまた泣いて、うめきながら言った。
夫の名を叫んで、力の限り抵抗を見せて竜二を突き離したくとも、おぞましい排泄器官を貫かれている苦痛と汚辱感に、全身がしびれてしまっていた。
「いい顔してるだろ、友彦。敏感な肛門しているだけあって、肛門にぶちこんでやっただけで、こんなに色っぽくなるんだぜ」
竜二は友彦に向かってあざ笑うように言った。
「どんなふうに尻の穴に入れられているかも見せてやるぜ、ヘヘヘ」
今度は李が、友彦の顔を由紀の双臀に向けた。
由紀の白くムッチリした臀丘の上に、竜二の下腹がおおいかぶさっている。そして、開きはだけられた菊蕾は、のびきったゴムのチューブのように、ドス黒い肉のクサビに貫かれていた。
それは夫として、正視できるながめではなかった。あまりに無残で、痛々しい妻の姿だった。
友彦のうめき声が大きくなり、身悶えも激しくなった。それが由紀にもわかった。
「……あ、あなた、見ないで……由紀の、由紀のみじめな姿を見ないで……」
「何を言ってるんだ。どんなふうに尻の穴を犯されてるか、亭主にじっくりと見てもらうんだよ、ヘヘヘ。竜二先生が奥さんの尻の穴に入ってるのが、はっきり見えるぜ」
李がへらへらと笑った。
竜二は由紀の菊蕾を深々と貫いたまま、まだ動こうとしない。由紀の腸管の熱さと、きつい締めつけをじっくりと堪能し、また、友彦に見せつけている。
「これまで何人もの女の肛門を犯してきたが、由紀さんのが最高だぜ、友彦。フフフ、おまえにかわって由紀さんの肛門を、たっぷりと味わわせてもらうぜ」
竜二はゆっくりと腰をゆすりはじめた。ミシッ、ミシッといった感じで由紀の菊蕾をえぐりあげる。由紀は白い喉をそりかえらせて泣き叫んだ。
「ひッ、ひいッ……動かないでッ。裂ける、裂けちゃうッ」
「すぐによくなるさ、フフフ。友彦の奴が見ててくれるから、気持ちが昂るはずだぜ」
「ひいッ……た、助けてッ」
されるがままであった。突きあげられるごとに、総身にドッと生汗が噴きだし、頭の芯がジリジリと灼けた。
犯されているという感覚を、これほど強烈に感じさせられたことはなかった。もう完全に自分の身体を男の肉塊に支配された感じで、完璧な凌辱だった。まして犯されているのは、おぞましい排泄器官だ。
「あ、あなた、あなたあッ」
由紀は泣きじゃくった。肉がきしんで悲鳴をあげ、腸管から胃までが突きあげられるようだ。
「助けて……お願い……あ、あなたあッ」
「いいぞ、由紀さん。そうやって友彦の名を呼びつづけるんだ」
竜二は、はやる気持ちを抑えて、ゆっくりと責めた。
熱くただれた肉がきつく締めつけてくる感覚に、はやる気持ちを抑えないと、のめりこみそうになる。すぐに精を放ってしまうにはあまりにもおしい。
「ヘヘヘ、すごいな。たまらねえながめだろうが……見ろよ。女房の尻の穴のあの動き」
李が友彦の髪をつかんで、結合部を見せつけながら、だらしなく口もとを崩した。今にも唾液が垂れ落ちそうだ。
由紀の菊蕾を貫いて、竜二の肉塊がむごく動いている。それにつれて、輪状の肉襞が外側へめくりだされ、内側へめくりこまれる。
「た、助けて……うッ、ううん、かんにんして……」
由紀は背筋をたわめてブルブルと震わせ、半狂乱になって泣きわめいた。
「いいんだろ、由紀さん、クイクイ締めつけてくるじゃないか」
「ううッ、うむ……ううんッ、あなたあ」
由紀は唇をかみしばったまま、グラグラと頭をふった。快美感などあるはずもない。今の由紀は、苦痛と汚辱感、羞恥に泣くばかりだ。
「ほれ、由紀さんも自分から尻をふってみな」
「いや……」
「気持ちいいと友彦の奴に聞かせてやれよ」
「い、いやッ……」
由紀は泣き叫ぶばかりだった。裸身はもう、おびただしい生汗にびっしょりと濡れていた。その汗まみれの裸身が、そりかえり、はね、のたうった。
「遠慮せずに腰を使うんだ、フフフ。そうすりゃ、気持ちよくなるんだ、永峰由紀」
「死んじゃう……ううん、あなた、あなたあ、助けてッ」
「フフフ……」
竜二は責めを強めた。グイグイと容赦なくえぐりこむ。腰の骨がきしみ、腸管がミシミシと鳴る。
もうたまらん……果ててもいい……。
竜二はそんな気持ちになって、行為にのめりこんでいく。
「由紀さん……由紀ッ、由紀ッ……俺は永峰由紀の肛門を犯してるんだッ」
竜二は吠えた。
「ひッ、ひッ、助けてッ……ひいッ」
激しく突きあげられ、由紀は背筋を驚くばかりにそりかえらせ、キリキリと舌をかんでは悲鳴を噴きあげた。
「ひッ、ひいッ……」
「由紀さんッ、ほれ、ほれッ……たまらねえ、くいちぎられそうだッ」
竜二は顔を真っ赤にして、えぐりあげ、こねくりまわし、激しく律動させた。あまりの激しさに、見ている李が由紀の菊蕾が裂けはしないかと心配になるほどだった。
「由紀、由紀ッ……うおッ、永峰由紀ッ」
竜二が吠える。
だが、由紀はもう、白眼を剥いてグッタリと気を失っていた。苦痛と汚辱感に羞恥、そして夫の前で犯されるショックによる失神だった。
「ちくしょう、のびるのはまだ早いぞッ、由紀、由紀ッ」
竜二はわめきながら、由紀を責めるのをやめようとしない。
ミシッ、ミシッと由紀の肉がきしみつづけていた。今の由紀にとっては、気を失っているほうが幸福だったかもしれない。しかし李は、由紀が気を失うことさえ許さなかった。
「しっかりしねえか。竜二先生に処女の尻穴を犯される初夜に、気を失う奴があるか。それに、亭主も見ているんだぞ」
李は由紀に気つけ薬をかがせる。
うッ、ううんッとうめいて、由紀は意識を取りもどした。肛姦地獄へと引きもどされるのだ。
「ひッ、ひッ、もう、かんにんしてッ……ああ、ううんッ」
「由紀、永峰由紀ッ、これが俺だぞッ……肛門に、肛門にしっかり覚えるんだ」
竜二はさらにピッチをあげた。いよいよラストスパートに入る。ドスン、ドスンとクサビを打ちこむように腰を突きあげる。
「ひいッ、ひッ……こわれちゃうッ」
白眼を剥いたまま、由紀はのたうった。しとどの汗が玉となって、グルグルとあたりに飛び散った。
白眼を剥いた眼を吊りあげ、パクパクと開く唇から唾液さえあふれさせ、由紀は凄惨なまでの身悶えを見せた。そして、
「ひいッ、ひいいッ……」
ひときわ高い絶叫を噴きあげたかと思うと、耐えきれずにグッタリと、再び気を失っていた。
【第九章 おぞましき肛虐実験台】
【1】
恐ろしさとつらさ、恥ずかしさがドロドロと渦巻き、永峰由紀は激しくうなされていた。悪夢を見ているのか、それとも現実なのか、それすらはっきりわからなかった。
由紀は一糸まとわぬ全裸にされ、実験台の上に縛りつけられている。白衣の男たちが由紀を取り囲んでいた。恐ろしげな医療器具を使われ、由紀の菊蕾がむごく拡張されていく。
ああッ、いや、いやあ……た、助けてッ……。
由紀は夢中で悲鳴をあげたが、なぜか声が出なかった。“永峰由紀肛門拡張実験”と書かれた看板が見え、大勢の見物人がニヤニヤと由紀を見ている。そして、そのなかに愛する夫の顔もあった。
あ、あなたッ……。
いくら叫んでもだめだった。ジワジワと押し開かれる菊蕾に男たちの眼が集中し、夫までがのぞきこんでくる。カアッと総身が灼け、死にたいほどの恥ずかしさだ。
あなた、あなたあ、助けて……。
由紀は半泣きになって、身を揉みながら夫に救いを求めた。だが夫は、他の男たちといっしょにくい入るように由紀の菊蕾をのぞきこむばかりで、何も言おうとしない。
さらに菊蕾が押し開かれ、キリキリと痛みが走りはじめた。もう、由紀の菊蕾は輪状の活約筋が限界にまで拡張され、今にも裂けんばかりだった。何やら不気味な金属の棒が、肛門拡張器の間から腸管に入ってくる。まるで内臓をこねくりまわされるようだ。
た、助けて……。
苦痛の恐怖から逃れようと、身をよじるようにして、由紀はハッと意識を取りもどした。身体中、びっしょりの汗だった。
「フフフ、気がついたか、由紀さん。肛門にぶちこんだくらいで気を失うとは、だらしないぞ」
竜二の眼が光り、顔が笑っていた。
由紀は一糸まとわぬ裸身を後ろ手に縛られ、後ろから竜二にのしかかられていたのだ。その姿勢に、由紀は気を失う前までのことが、ドッと意識によみがえってきた。妹たちの前での恥ずかしい大量浣腸実験、そして気も狂わんばかりの肛姦。おぞましい排泄器官を犯されるなど、まったく思ってもみなかったことだ。
そして眼の前に愛する夫がいた。たとえ夫であろうと、いや、夫であるがゆえに、決して見せてはならない行為だった。
あ、あなたッ……。
愛する夫がいたことを思いだし、由紀はブルッと身震いして、総身を硬直させた。あわてて顔をあげた。
「ひッ……」
由紀は息を呑んだ。
眼の前に李がいる。そして、その李に押さえつけられて夫の友彦がもがいていた。
「い、いやあ……あなた、あなたあッ」
由紀は驚愕と恐怖に顔をひきつらせて、悲鳴をあげた。
「何を今さらいやがってるんだ。フフフ、肛門にぶちこむところを、友彦の奴に見せつけてやっただろう。由紀さん」
竜二がせせら笑った。
「いや、いやあ……」
「フフフ、こうして俺と肛門でつながっていながら、いやもないもんだ」
「ひいッ……」
由紀はさらに高い悲鳴をあげた。菊蕾の苦痛と拡張感……。竜二は由紀が気を失っている間、突きあげるのをやめて、じっと待っていたのだろう。まだ腸管に深々と押し入れられたままだったのだ。
「友彦の奴が触ったことすらない由紀さんの肛門を犯すんだから、じっくり味わわなくちゃねえ、フフフ。時間をかけて由紀さんの肛門を楽しませてもらうよ」
「いやあ……あなた、あなたあッ……」
激しくかぶりをふりながら、由紀は泣き声を噴きこぼした。愛する夫の眼の前で、おぞましい排泄器官を犯される……。悪夢を見ているとしか思えなかった。
「ヘヘヘ、亭主の前だと、泣き声もイカすぜ、奥さん。尻の穴を犯されるのを亭主に見られるのが、そんなにいいのか」
李はニタニタと笑って、汗まみれの由紀の顔から、ほつれ毛をすきあげた。由紀の顔をしっかり友彦に見せつける。
「色っぽい顔してるぜ、奥さん。尻の穴をやられるのがたまらんといった顔だ。いいのか、亭主の前でそんな顔して、ヘヘヘ」
と由紀をからかうと、今度は押さえつけている友彦に向かって、
「おめえの女房は尻の穴を犯されてるんだぜ、ヘヘヘ。ほれ、しっかり女房の顔を見てやらねえか」
と小突く。むごい夫婦の対面だった。
愛する夫と眼が合うと、由紀は激しく狼狽してサッと顔をそらした。
「あなた、あなたッ……ゆ、許してッ」
由紀は声を高めて号泣するばかりだった。愛する夫の前で、おぞましい排泄器官を犯され、泣きながら許しを乞う以外に、妻としてどんな方法があるというのか。
「あ、あなた……」
夫を呼ぶ声は、ゆっくりと動きはじめた竜二によってひきつり、かすれた。グイッ、グイッと突きあげられて、たちまち激しい苦痛に揉みくちゃにされた。
「ああッ、い、痛……うむむッ」
由紀は白い歯を剥き、顔をのけぞらせたまま泣き叫んだ。
「動かないでッ……ううッ、うむむ……裂けちゃうッ」
「フフフ、嘘をつくんじゃない。肛門拡張で、今以上に開いてるんだよ。すぐに気持ちよくなるさ、由紀さん」
「あッ、ああッ、お尻が……裂ける、裂けちゃうッ、ううん……」
由紀は双臀からゆさぶられて号泣した。腹の底までビッシリつめこまれ、それが律動する苦痛に、腸管がミシミシときしむようだ。愛する夫に見られていると思うことが、由紀の苦痛を実際以上に感じさせるのだろう。
「フフフ、友彦、由紀さんの肛門はイカすぜ。灼けるように熱いうえに、ヒクヒク締めつけてくるんだからな」
意地悪く竜二は友彦をからかいながら、勝ち誇ったように腰を使っている。さるぐつわをかまされ、グルグル巻きに縛られた友彦が、眼を真っ赤にしてうめき、もがいた。
「あなた、あなたッ……ううむ……」
由紀も泣きじゃくりながらもがく。
「そうそう、そうやって友彦の奴を呼ぶんだ、由紀さん。肛門を犯されながら夫を呼ぶ……フフフ、いいねえ」
「気持ちよくなってきたんだろ、奥さん。ほれ、色っぽい泣き声を、もっと亭主に聞かせてやれよ」
竜二と李は、美しい人妻をその夫の前で弄ぶ嗜虐の快感に酔いしれていた。
いやいやと由紀は、激しくかぶりをふった。気持ちいいはずなどない。あるのは、気も遠くなるような羞恥と苦痛、汚辱だけだった。総身にじっとりと汗がにじみでて、ハアッハアッと息が噴きでた。そんな由紀の苦悶の美貌を、李が友彦に見せつけながら、ニヤニヤと笑っている。李は盛んに舌舐めずりをした。
「竜二先生、もっと亭主にはっきりと見せつけてやったらどうです。どんなふうに尻の穴をえぐられているかをね、ヘヘヘ」
李の声はうわずって、どこか催促するような響きがあった。
竜二にはわかっていた。李は見せつけられるだけでじれて、由紀の身体に手をのばしたがっている。李の眼はじれて、光が変わっていた。
「フフフ、いいだろう」
竜二は低く笑うと、由紀の手足の革ベルトを李にはずさせ、後ろ手に縛りなおさせたうえで、由紀の腰をいっそう深くかかえこんで、じょじょに上体を起こした。
「い、いやあッ」
由紀は金切り声をあげて、身をよじった。だが、李も手伝って上体を強引に起こされる。竜二の膝の上に、前向きで抱きこまれるかっこうだ。
「ひッ、ひッ、ひいッ……あなたあ……」
自分の体重で身体が竜二の上に沈み、さらに結合が深くなっていく。腸管を深々と押し入られ、胃までが押しあげられる。
「ひッ、こ、こわいッ……助けてえ……ああッ、う、うむッ、ううん……」
由紀は本当に気が狂いそうになった。白眼を剥き、顔をのけぞらせたまま、総身を揉み絞った。それでも癒えぬ苦痛に、白い歯をかみしばった。
「どうだ」
竜二は後ろから由紀の顔をのぞき込んだ。凄惨ともいえる苦悶の表情だった。
「し、死んじゃう……う、うむッ」
「フフフ、死ぬほどいいということか、由紀さん」
「かんにんして……つ、つらい……」
由紀は、あぐらを組んだ竜二の膝の上に抱きのせられ、両脚は膝をまたいで開ききり、ブルブルと震えている。それは貫かれているのが菊蕾ゆえに、無残ともいえるながめだった。由紀は顔を真っ赤にしてあえいでいる。
「由紀さん、こうしたほうが俺が由紀さんの肛門に入っているのが、はっきりわかるだろう」
竜二は一度、グイッとえぐりあげた。
ひッと由紀は喉を絞った。上体を、のびあがるようにずりあがらそうとするのを、乳房を両手でわしづかみにして押さえ、竜二はへらへらとうれしそうに笑った。
竜二は由紀の黒髪をつかむと、顔を友彦のほうへ向けた。
「ほれ、由紀さん。友彦の奴が見てるぜ。このかっこうなら、俺の由紀さんの肛門に入っているのが丸見えだな」
「ひいッ」
由紀はまた、喉を絞った。
「いやあッ……見ないで、あなた、あなたあ、由紀を見ないでくださいッ!」
眼の前に夫の友彦がいる。竜二の膝の上に両脚を開ききってまたがり、前向きに乗せられているため、由紀の身体の正面が夫に丸見えだった。
「見るなったって、これじゃ何もかも、いやでも丸見えだぜ、奥さん、ヘヘヘ」
李がせせら笑った。友彦を由紀の正面で押さえつけ、無理やり由紀を見せつけながら、自分も眼を細めて、くい入るようにのぞきこんでいる。由紀の媚肉があられもなくさらけだされ、そのわずか下方に、ドス黒い竜二の肉棒がむごく突き刺さっていた。
「ヘヘヘ、尻の穴の串刺しだな。いいながめだぜ、奥さん」
「いや、いや、見てはいやあ……」
「オマンコを剥きだしにして、尻の穴を貫かれているところまで亭主に見せて、いやもねえもんだ、ヘヘヘ」
李は盛んに舌舐めずりをして、ニヤニヤと笑った。由紀が泣きじゃくる。愛する夫に見られているのが、痛いまでにわかった。
許して、あなた、あなた……。
必死に夫に許しを乞おうとするのだが、菊蕾を深々と貫かれている衝撃と苦痛に、頭のなかが混乱し、もうろうとしてくる。
「フフフ、前のほうがさびしいんじゃないのかい、由紀さん」
竜二は由紀の耳もとでささやきながら、眼で李に合図を送った。李がうなずく。さっきから由紀の身体に手をのばしたくてしようがなかっただけに、口もとがだらしなく崩れて、今にもよだれを垂らしそうだった。
「ヘヘヘ……」
うれしそうに笑った李が、眼の前に開ききった由紀の太腿の付け根に手をのばした。媚肉の合わせ目をくつろげ、指先を分け入らせる。
「あ、ああ、やめて……」
「ヘヘヘ、オマンコのほうはそうは言ってねえぜ。たっぷり触ってほしいとよ」
李は、由紀が狼狽の泣き声を高めるのをかまわず、指先でゆるゆるとまさぐった。秘められたピンクの肉襞は、奥までしっとりと濡れていた。指を動かすたびに、鋭敏な性感覚を物語るように、微妙に収縮を見せるのがたまらなかった。
「肛門を串刺しにされながら、オマンコをいじられるのもいいだろ、由紀さん」
「ヘヘヘ、それも亭主の前でとなりゃ、こたえられねえはずだぜ、奥さん」
竜二と李が由紀をへらへらと意地悪くからかった。
「いや、いや……け、けだもの……」
由紀は固く両眼を閉ざしたまま、右に左にと顔をふった。これは悪夢なのだ。こんなひどく、恐ろしいことが現実にあっていいはずがない。だが、眼を開けば、そこには苦悩にゆがんだ夫の顔があった。あわてて眼を閉ざせば、かえって股間に神経が集中し、前の指と後ろの竜二をいっそう感じてしまう。
「ヘヘヘ、もっとたまらなくしてやるぜ」
「ひッ……ああッ、いやあ……」
いきなり女芯をつまみあげられて、由紀は戦慄の悲鳴をあげた。本能的に逃げようと、双臀をふりたてる。だが、それはかえって、腸管にクサビのように打ちこまれた竜二を、いっそう深く受け入れることになった。
「ひいッ……」
ガクンと由紀はのけぞり、泣き声を噴きあがらせた。
「フフフ、気持ちいいんだな」
「いや、いやあッ……し、しないでッ」
「友彦の奴がくやしそうに見てるぜ。妻として何か言ってやったらどうだい、由紀さん」
竜二がからかっても、由紀はいっそう泣き声を高めるばかりだ。
「李さん、もっと責めるんだ」
縄に絞りこまれた由紀の乳房を両手でわしづかみにして、タプタプと揉みこみながら、竜二は李をあおった。
由紀は涙に濡れた眼で、李の手におぞましいものが握られるのを見た。グロテスクな形をした長大な張型だ。
「そ、そんなもの……使わないで……」
声が震えた。菊蕾に押し入られているだけでも気が狂いそうなのに、このうえ張型まで使われたら……。由紀はおびえ、涙の眼をかすませて、哀願せずにはいられなかった。
「か、かんにんして……そんなものを使わないで……」
「ヘヘヘ、グロテスクなものほど、咥えこんだら味がいいものだぜ、奥さん」
「ああ、いや、いやッ……」
「亭主が気になるんだろうが、夫に見られてる、夫の前でおもちゃにされる……そういう状態が、人妻って奴は一番燃えるんだ」
李はネチネチと由紀をからかいながら、張型の先を由紀の媚肉に這わせた。
「ひッ……いやあッ」
腰をよじってそらそうとしても、菊蕾にクサビを打ちこまれている状態では、上体をゆするのがせいいっぱいだった。張型の先が秘肉の合わせ目にそってなぞってくる。拒みようもなかった。
「ヘヘヘ、入れるぜ。よく見てろよ」
李はわざと夫の友彦に向かって言った。いやあッと悲鳴をあげたのは、由紀のほうだった。
「夫に見せないで、いやッ……ああ、あなた、見ないでッ」
いくら矛先をそらそうとしても、菊蕾を貫かれていては、どうにもならなかった。少しでも身をよじれば、たちまち腸管がきしみ、激痛が走るのだ。
「あなた、あなたあ……あ、あッ、ひいッ」
肉襞をこすってめりこんでくる感覚に、由紀は喉から悲鳴を絞った。眼の前が暗くなり、バチバチと火花が散った。総身が火になり、カアッと灼けた。ジワジワと押し入ってくる張型が、薄い粘膜を一枚へだてて腸管の竜二とこすれ合うたびに、電気がショートするようにバチバチと火花が身体の芯を走り抜けた。
「ヘヘヘ、すっかり入ったぜ。うまそうに咥えたじゃねえか、奥さん」
李がうわずった声で言った。女の最奥に埋めこまれた張型と、菊蕾を貫いている生身と……。凄絶なながめだった。
「あ、あ……助けて、た、助けて……」
由紀は上体をグラグラとゆすりながら、泣き声を噴きこぼした。これまで一度も経験させられたことのない、すさまじい感覚だった。頭はうつろになり、身体の芯はしびれきって灼けただれた。じっとしていても両脚が痙攣しだすほどである。
「フフフ、たまらなくなるのは、これからだぞ、由紀さん。せいぜい牝ぶりを友彦の奴に見せつけてやれよ」
竜二がうれしそうに言った。前と後ろをふさがれ、由紀が泣きながら息もつまるようにあえぎをもらすだけの状態に陥っているのが、愉快でたまらないのだ。
「友彦、気持ちいいと見えて、由紀さんはクイクイ締めつけてくるぜ」
竜二が友彦をあざ笑えば、
「こっちも大したもんだ。張型にからみついてきやがる、ヘヘヘ」
李も友彦をからかう。
友彦はさるぐつわの下で泣きながら、何かわめいていた。だが、グルグル巻きに縛られていては、しょせん無駄なあがきでしかなかった。
「さてと、由紀さんが肛門を俺に犯され、オマンコを張型で犯されて、どんなふうに泣き、悶え、気をやるか、フフフ、友彦、よく見てろよ」
「ヘヘヘ、自分の女房が嬲りものにされる図なんぞ、めったに見れるもんじゃねえぜ」
竜二と李が、後ろと前から同時に責めはじめた。竜二の手が由紀の腰をつかみ、いやおうなしにゆさぶると、それに合わせて張型が薄い粘膜をへだてて、竜二にこすり合わせてくる。
「あ、ああッ……助けてッ」
もう、されるがままであった。まるであやつり人形だ。前を犯される時の感覚とは、まるで違っていた。何がなんだかわからない間に、カアッと頭が灼きつくされるようだった。苦痛と妖しい感覚が入り混じり、もつれ合って、身体中の肉という肉がジリジリと灼かれるようだ。快美のうねりがしだいに大きくなってくるのではなく、一気に大波に襲われた感じである。だが、それは快感などという生やさしいものではない。
由紀はみじめに泣き声を噴きこぼした。あやつられるままに、うめき、泣き、時には叫ぶ風情だ。
「あ、ああッ、こんな……こんなことって」
胸のうちが言葉となって出た。もうこえらようがなかった。苦痛と汚辱、そして妖しい感覚がもつれ合い、それにいざなわれて、妖しい感覚が愉悦へとふくれあがっていくのだ。
「あ、あああ……たまんないッ」
由紀はいつしか我れを忘れて、はっきり喜悦とわかる声を放っていた。おぞましい肛交、それも愛する夫の眼の前だというのに、自分の身体の成りゆきが、由紀には信じられない思いだった。だが、一気にメラメラと燃えあがる肉の炎に、それさえうつろになった。
「ああッ、あ、ううッ……」
「そんなにいいのか、由紀さん」
返事のかわりに、かえってくるのは泣き声である。まるで、この妖しい二重の責めに女のすべてを灼きつくそうとしているかのような、はばかりない泣き声だった。
「ああッ、も、もう、もうッ……」
不意に由紀が激しく悶え、ガクガクと腰をはねあげた。一気に昇りつめる風情だ。
「あッ、あ、いくうッ……」
ひいッと喉を絞って、ブルブルと痙攣を見せる裸身をそりかえらせた。
【2】
竜二は由紀の黒髪をつかむと、グッタリと伏せた顔を上向かせた。
「見たか、友彦。由紀さんは俺に肛門を犯されて気をやったぜ。おまえが眼の前で見ているというのにな」
竜二は勝ち誇って言った。
友彦はもう、もがく気もない様子で、憎悪と哀しみの眼で竜二をにらむばかりだった。由紀のほうも固く両眼を閉ざし、グッタリとしたままあえぐばかりだ。
「これぐらいでショック受けてちゃ、しようがねえぜ。まだまだ、本番はこれからだぜ、ヘヘヘ。おめえの女房をとことん責めさせてもらうぜ」
李が友彦に向かって冷たく言い放てば、竜二も大きくうなずいて、
「由紀さんの肛門を犯した記念すべき夜だからね、フフフ。友彦、おまえの前で由紀さんの身体の限界を実験させてもらうぜ」
口から泡を噴くまで犯らせてもらう、いや、それでもやめないぜ……と、竜二は嗜虐の興奮に酔いしれて、うわずった声で言った。
竜二はまだ果てていないのだ。念願の由紀の菊蕾を友彦の前で犯し、すぐに果ててしまうのはおしい気がして、必死にこらえた。
由紀の菊蕾にまだ深々と押し入ったまま、由紀の腰をかかえこんで立ちあがる。李が天井から縄をさげて、後ろ手に縛った由紀を爪先立ちに吊った。そのすぐ横には、夫の友彦を吊る。
「フフフ、友彦、由紀さんがどんなふうになるか、しっかり見てろよ。永峰由紀の性地獄のはじまりだ」
由紀の裸身に後ろからヤモリのようにまとわりついている竜二は、ゆっくりと腰をゆすりはじめた。グッタリとうちひしがれている由紀の裸身がピクッと狼狽に震えた。
「うッ、ううッ……」
「ほら、由紀さん、気分を出すんだ」
「ああ、かんにんして……もう、いや、いやです……」
由紀は哀しげに眼を開いた。その眼に、裸になって正面から迫ってくる李の姿が見えた。
「もっと楽しませてやるぜ、奥さん」
一瞬、何をされるのかわからなかった。だが、李が正面から由紀の身体にまとわりつこうとすると、
「ひいッ……いやあッ、そんな、そんなことはいやあッ」
「張型じゃもの足りねえんじゃねえかと思ってな。生身が欲しいだろ、奥さん」
由紀には信じられない行為だった。おぞましい肛交だけでも気の遠くなる衝撃なのに、このうえ、前からも犯される……。二人の男を同時に受け入れるなど、この世のこととは思えなかった。
「いや、いやあッ……」
本能的に腰を引いて逃げようとしても、後ろから竜二にグイッと突きあげられ、いやでも腰を前に突き出すようになる。そこを李がゆっくりと突いてくる。眼をみはるばかりのたくましさで、媚肉の合わせ目に分け入ってくる。
「ヘヘヘ、肉のサンドイッチだぞ。オマンコと尻の穴と、同時に奥さんは犯されるってわけだ」
李はわざと大きな声で言って、友彦と由紀に聞かせながら、嗜虐の欲情に顔をひきつらせた。
「あッ、ああ、気が変になるう……」
顔をガクンとのけぞらせ、髪をふり乱して、由紀は汗まみれの喉から泣き声を絞りだした。由紀の菊蕾を深々と貫いた竜二が、李を待ちかまえ、前から李のたくましい肉棒が押し入ってくる。耐えきれずに身を揉み絞れば、いやでも押し入ってくるものの形を感じ、腸管に咥えこまされたものの深さを思い知らされた。そして、薄い粘膜をへだてて二つのものがこすれ合いはじめると、由紀は絶叫に似た悲鳴をほとばしらせた。眼の前が暗くなり、また、バチバチと火花が散った。
「か、かんにんしてッ……ひッ、ひッ、気が変になっちゃうッ」
張型が李に変わったのだが、生身に犯されるという事実が、由紀を必要以上に混乱させていく。官能の昂りなどという生やさしい感覚ではなかった。総身の肉という肉が一気に灼かれていき、バチバチと散る火花が肉をドロドロととろかしていく。
「ひッ、ひッ……あああッ」
由紀は泣きわめいた。もう、愛する夫が眼の前にいることを気にする余裕はなかった。いや、すでに念頭にすらなかった。竜二と李の二人にサンドイッチにされ、後ろと前からえぐりあげられる。薄い粘膜をへだててこすれ合うもののたくましさに、由紀の身体は揉みつぶされるように、ギジギシときしんだ。
「気分出すんだ、由紀さん。ほれ、ほれ」
「ヘヘヘ、もっと声を出せ、腰も使わねえかよ。牝になりきるんだ」
竜二と李は容赦なく由紀を責めたてた。強く弱く、深く浅くと、そしてねじりこみ、こねくりまわす動きさえ加えた。
「ああッ、死んじゃうッ……あ、あおッ」
由紀は大声で泣き、わめき、うめいた。前後から一回一回えぐられるごとに、二人の男に同時に犯される嫌悪と恐怖、汚辱感さえけし飛んでいく。総身に玉のような汗が噴きだした。それが、ブルブルと震える肉の震動で、あたりへ飛び散るほどの激しさだ、
「おおッ、だめ、だめえッ……もう、もう、だめえッ」
由紀は狂おしく自分から身体をゆさぶりだした。前と後ろに咥えこんだものを、いっそう深く引きこみ、感じとろうとしている。一度、官能の絶頂へ昇りつめさせられた余韻がおさまらぬうちに、再び追いたてられる風情だ。
「由紀さん、また気をやるんだな」
竜二が聞く間にも、由紀はググッと上体をのけぞらせて、ブルブルと胴震いを見せたかと思うと、
「ああッ、ま、また……いく、いくうッ」
ひいッと喉を絞って、由紀は裸身を激しくそりかえらせた。突っぱった両脚に痙攣が走る。
その時を狙って竜二と李が、くらえとばかりにドッと精を放った。ひいッひッと由紀は再び裸身をそりかえした。白眼を剥いて、激しく突っぱらせた裸身に痙攣を走らせる由紀は、凄惨ですらあった。
ようやく由紀の女体から離れても、竜二と李は責めをやめようとはしなかった。今度は二本の長大な張型を使って、前と後ろから責めはじめる。
「休ませねえぜ、奥さん。亭主の前でお汁を一滴残らず絞り取るまでぶっつづけだ」
「フフフ、こいつで気をやったら、また生身をぶちこんでやるからな、由紀さん」
容赦のないむごい責めだった。精を放った男たちは、その体力が回復するまでの間、張型を使って由紀をたてつづけに責めると言う。
「た、助けて……」
救いを求める由紀の声は、もうかすれていた。有無をいわさず、再び反応させられる。いや、菊蕾を弄ばれているためか、一度昇りつめさせられた絶頂が、連続するようだった。もう、自分の身体がどうされているのか、誰に弄ばれているのかすらわからない。苦痛にも似た強烈な快美だけが、ドロドロと渦巻いた。
「あ、あああ、いく……いくッ」
由紀はもう声もなく、うわ言のように言いながら、ググッとそりかえった。張型が抜き取られ、クタクタになった由紀に再び、竜二と李がいどみかかった。まったく由紀に休みを与えない。
「ヘヘヘ、クイクイ締めつけてきやがる。まったく好きな奥さんだぜ」
李が女の最奥をえぐりあげれば、竜二も負けじと、
「肛門もいっそうたぎってるぞ、フフフ、いったい何回気をやれば気がすむというんだ」
と腸管をこねくりまわす。女の生理などまったく無視し、やりたい放題責めてくる。
「うッ、ううッ……死ぬうッ……ああ、ああッ、死んじゃう……」
由紀は死にそうな泣き声を放った。それでも自分から腰をゆすりたて、円運動を行なう。前も後ろもキリキリ締めつけて、双臀をのたうたせる由紀の狂いようは、あの上品で気の強い由紀とは信じられないほどだった。
「どうだ、気持ちいいと亭主に聞かせてやれよ、奥さん」
李が言った。
「素晴らしいわ、気持ちがよくって、こんなの初めて。そう言って友彦に聞かせてやるんだ」
後ろから竜二も言った。黒髪をつかんでしごく。
「言うんだ」
竜二が声を荒らげた。
「……い、いいッ……」
「もっとはっきり言えよ、由紀さん」
「いいッ、いいわ……こんな、こんなの、初めて……あああ、たまらないわッ」
由紀は泣きながら言った。言うことで頭の芯が直接ジリジリと灼かれるようになった。
「あうッ、あううッ、いいッ……前と後ろからしてくれるから……とっても気持ちいいわッ、あ、あんッ」
もう言いなりだった。由紀自身、それが強要された言葉なのか、自分の肉体の叫びなのか、もうわからなくなっていく。
「い、いいッ……」
のけぞらせた口から、唾液があふれて垂れはじめた。もう、声も出ず、息すらできない。由紀はひいいッ、ひいッと喉を絞るばかりになった。
「フフフ、友彦の前だってえのに、そんなに歓んでいいのかい、由紀さん」
竜二にからかわれても、由紀は反応を示さなかった。
「ひいッ、ひッ……また、またあ、いくう」
白眼を剥き、歯をキリキリとかみしばりながら、凄惨な表情をさらしたかと思うと、由紀はグッタリと気を失ってしまった。
「ほれ、まだ気を失うのは早いぞ。腰をふらねえか」
竜二も李も、由紀を責めるのをやめようとしなかった。
「まだまだ。五回や六回ぐらい気をやったからってやめると思っちゃ、甘いぜ」
李が気つけ薬を取った。
【3】
翌日、由紀は薄暗い廊下を再び実験室へと追いたてられていた。一糸まとわぬ裸身を後ろ手に縛られた由紀は、満足に一人では歩けない状態だった。左右から竜二と李に抱き支えられている。
「ああ……」
由紀は何度も立ちどまり、崩れ落ちそうになった。愛する夫の眼の前で、二人のけだものに同時に犯された衝撃に、歩く気力さえない。気力だけでなく、身体のほうも心底疲れきっている。腰は鉛でも入っているように重く、骨がギシギシする。特に菊蕾は、まだ竜二に押し入られているように、拡張感がヒリヒリと残っている。
その双臀を竜二にバシッとはたかれた。
「さっと歩かないか」
フラフラと由紀はまた、足を一歩一歩前へ出した。
肛門実験室が近づいてくると、由紀はおびえを露わにして、ブルブル震えだした。また、気も遠くなるような恐ろしい実験にかけられるのだ。
「じ、地獄だわ……」
由紀は哀しげにうめいた。
檻から連れだされる時、由紀は再び愛する夫の前で責められるのではないかという恐怖に、激しくおののいた。
「いや、いや、かんにんして……」
由紀は夢中で哀願した。
「も、もうあんなことはいや……クタクタなんです。今日は休ませて、お願い」
だが、竜二は耳を貸さなかった。実験にかけられるか、それとも実験を休ませるかわりに夫の前で再び肉のからみを演じるか、どちらかを選べと言うのだ。
「ああ、どこまで責めれば、あなたは……」
由紀は絶望した。
実験……それがどんなにか恐ろしく、つらいものであるかわかってはいても、再び愛する夫の前で嬲りものにされることに較べれば……。夫に見られることは、妻として耐えがたいことだった。
「由紀を……由紀を実験にかけて……」
由紀は泣くなく実験を選んだ。いや、選ばされた。
も、もうどうなってもいい……。
そんな気持ちだったが、いざ、肛門実験室の前まで引きたてられてくると、由紀は身体が本能的におびえだすのをこらえきれなかった。
「ああ、かんにんして……」
「フフフ、友彦の奴の前で、昨日みたいに腰をふるほうがいいのか、由紀さん」
竜二が意地悪く聞く。
由紀は弱々しくかぶりをふった。
ギギィと鉄の扉が開き、由紀は肛門実験室のなかへ連れこまれた。扉が閉まり、鍵がかけられるのを、由紀は総身も凍るような恐怖と絶望のなかで聞いた。
「ヒヒヒ、美しい実験材料が来おったか」
なかには梅島をはじめとして、亀井と蛭崎が白衣をまとって待ち受けていた。
「ほう、昨夜はこってりと可愛がられたようじゃのう」
梅島たちが眼を細めて、由紀に視線を這わせた。ひと目で由紀のやつれがわかった。身体のいたるところにキスマークのあとも生々しく、徹底して凌辱された女の風情だ。だが、それがかえって由紀の色香をぐっときわだたせ、妖しいほどの美しさにあふれていた。
「フフフ……」
竜二は照れ笑いをした。
「我れながらよく犯ったと思うよ。由紀さんを二十一回も気をやらせたんだからな、フフフ。梅島さんの叔父さん、二十一回だぜ」
「それも尻の穴とオマンコの同時責めでやすからね。途中で口から泡を噴いてのびちまいやがって……もっとも、そのたびに気つけ薬で眼を覚まさせましたがね、ヘヘヘ」
李もニヤニヤして言った。照れながらも、内心得意になって、由紀をどう責め、どう泣かせ、気を失わせたかを、話して聞かせる。
由紀は真っ赤になった顔をうなだれ、弱々しくふった。
「そんな状態にしてしまって、今日の実験は大丈夫ですかねえ」
亀井が心配そうに聞いた。由紀の身体のことを心配しているのではない。実験を楽しみにしていただけに、だめになるのを心配しているのだ。
「なあに、これだけいい身体をしてるんだ。それに、実験にかけてほしいと言いだしたのは由紀さんのほうからだからね」
竜二はせせら笑った、可愛さあまって憎さが百倍、由紀の身体をガタガタにしてしまってもいいと思っている竜二なのだ。
「ああ、こわい……」
由紀はブルッと震えた。逃げたくても、足が言うことを聞かなかった。立っているだけでやっとなのだ。
「さあ、実験だ、実験だ、フフフ」
竜二が由紀の裸身に手をのばした。李が手伝って、由紀の身体を抱きあげる。実験台の上にあお向けに横たえると、左右から足首をつかんでいっぱいに割り開いた。
「こ、こわいッ……あ、ああ、かんにん」
由紀はおびえ、半泣きになって腰をよじろうとした。だが、腰に力が入らない。
クタクタに疲れきった身体で実験にかけられ、耐えられるのだろうか。恐怖がふくれあがった。
「こわい、竜二さん」
「フフフ、まだこわがるのは早いぞ。今日の実験はきついからな。今に、いやでも恐怖に泣きわめくことになる」
竜二は、大きく割り開いた由紀の両脚を足台に乗せて革ベルトで固定した。まるで赤ん坊がオシメを取り替えられるかっこうだ。腰の下には枕を押しこまれた。
梅島たちが由紀を取り囲んだ。不気味に光る金属の医療器具が、横のテーブルに並べられていく。どれも由紀が見たこともないものばかりだった。
「ああ、何を……何をしようというのです」
何をされるかわからなくても、恐ろしく、恥ずかしいことをされるのはわかっている。それでも由紀は、聞かずにはいられなかった。
「ヒヒヒ、これが何をするものかぐらいは、わかるな」
梅島が膣拡張器を手にして、ペリカンのくちばしのような部分を、パクパクさせてみせた。
「これもわかるな、由紀さん、フフフ」
竜二のほうは肛門拡張器を手にしている。どんな実験にかけるのか、すぐには教えようとはせず、おぞましい器具を見せつけて、由紀をおびえさせて楽しんでいる。
「ああ、そんな……」
由紀は戦慄した。
「か、かんにんしてッ、そんなもの……」
「実験にかんにんはないじゃろうが、ヒヒヒ、牝のくせしおって」
「いや、いやッ」
「ヒヒヒ、この前はこいつを使われて歓んだじゃろうが、ほれ、ほれ」
梅島は由紀の太腿に手をやると、もう逃れようもなく開ききった股間に、膣拡張器を寄せた。竜二も肛門拡張器を握って、手をのばした。
媚肉の合わせ目と、そのわずか下方の菊蕾に、同時に冷たい金属の先が触れた。その瞬間、由紀は絹を裂くような悲鳴をほとばしらせ、腰をふりたてた。
「ひいッ、ひッ、いやあ……」
おびえに悲鳴がひきつった。前と後ろの菊蕾と、同時に拡張する気なのだ。
鳥のくちばしのような金属の先が、薄い粘膜をへだてて、前と後ろからもぐりこんでくる。由紀は顔をひきつらせ、息も絶えるようにひッひッと泣いた。
ググッと二つの拡張器が沈む。熱くたぎる肉に、金属がくもるようだ。
「う……ううッ、入れないで……」
「フフフ、もう遅いよ、由紀さん。肛門のほうは根元まで入った」
「こっちも深く入ったわい、ヒヒヒ。どれ、竜二、押し開くかのう」
梅島と竜二は互いに顔を見合わせると、ニタッと笑った。拡張器を握る手にジワジワと力を加える。
ピクッと由紀の腰が震えた。繊細な女の肉が、粘膜一枚へだてただけで、ジワジワとうちから押し開かれていく。
「あ、ああッ……ひ、ひ、ひいッ……」
由紀はブルブルと裸身を震わせながら、息さえできぬような混乱に陥った。前と後ろを同時に開かれるなど、考えられないことだ。
押しひしがんばかりの肉襞が、強引にジワジワと拡張された。奥がさらけだされていくにつれて、甘い女の匂いが妖しくたちこめていく。
「ヒヒヒ、子宮の口がのぞいてきおった。まだ子どもを産んでいないだけあって、綺麗な色をしておるわい」
梅島が眼をギラつかせて、欲情に昂った声をあげた。
「こっちも直腸のなかが、はっきりと見えてきたよ。フフフ、生々しいねえ」
竜二の声もうわずっていた。
亀井と蛭崎、李の三人も、ゴクリと喉を鳴らして、くい入るように見守っている。子宮実験と肛門実験とを同時にするのは異例のことである。どの顔も、いつになく嗜虐の欲情を色濃く漂わせていた。
「ヒヒヒ、パックリと開きおったわい」
ようやく拡張がとまった。もう、膣拡張器も肛門拡張器も、むごいまでに由紀の女体を開いていた。
「ハアッ、ハアッ……」
由紀は顔を汗まみれにしてあえいでいる。身体を太腿の付け根から二つに引き裂かれるようで、その感覚から逃れるように顔を右に左にと伏せる。開かれた女肉にしのびこむ外気に、由紀は気も遠くなる思いだった。
「ううッ……もう、かんにんして……」
由紀はあえぐように哀願した。
「フフフ、まだまだ、こんなのは実験準備の段階さ。本番はこれからだよ、由紀さん」
「その通りじゃ、ヒヒヒ」
竜二と梅島はうれしそうに笑った。
梅島が、細長い金属の棒を手にして、由紀の眼の前にかざした。
「ヒヒヒ、次はこれを使うのじゃが、これが何をするものか、わかるかのう。永峰由紀」
梅島は意地悪く聞いた。実験に使う器具をひとつひとつ由紀に見せて、説明してはおびえさせようというのだ。
梅島がかざした金属の棒は、ガーゼの上に二十本近くも並べられてあった。細いものから少しずつ太くなっていく。一番細いものは直径三・五ミリで、最も太いものは直径が二十ミリもあった。
「……どう、どうしようというの」
由紀は声が震えた。見せつけられた金属の棒が何に使われるものか、由紀にはわからなかった。ただ、底知れぬ恐怖だけが、ふくれあがっていく。
「わからんのか、ヒヒヒ。これはヘーガル氏拡張器といってのう、奥さんの子宮口を開かせるために使うものじゃ」
梅島はニタッと笑った。
由紀はひッと息を呑んだ。妊娠の経験のない由紀は、そんなものを使われたことはない。それは本来、妊娠中絶のために頚管拡張に使う器具なのだ。それを、妊娠していない健康体の由紀に使うと言うのである。
どうして、どうして、そんな……。
由紀の胸のうちを読んだように、梅島はまたニタッと笑った。
「ヒヒヒ、今から一度、妊娠しとらん女の子宮内をいろいろ調べてみたいと思ってのう。その点、熟しきっておるが、まだ妊娠の経験のない奥さんはうってつけじゃ」
「ひいッ……」
恐怖に由紀は総身が凍りついた。
「い、いやあ……そんな、そんなひどいことはいや、いやよッ」
あまりのことに、のけぞらせた由紀の喉から、悲鳴がほとばしった。なんの異常もないのに頚管を押し開かれて、子宮内を調べられるのだ。
「た、助けてッ……」
救いを求める相手がいないのがわかっていても、由紀は叫ばずにはいられなかった。梅島につづいて竜二がネチネチとしゃべりだすと、由紀はさらに恐怖のドン底に突き落とされた。
「フフフ、叔父さんが由紀さんの子宮をいじっている間に、俺のほうは由紀さんの肛門のなかをいろいろ調べてやるからな」
竜二は細長いビニール管のようなものを由紀に見せた。ビニール管のなかには、パチンコ玉のような球が、ビッチリ並んでいた。
「これを由紀さんの肛門から腸内へ入れて、腸のなかをじっくり観察させてもらうよ」
球はひとつひとつが小型カメラになっていると、竜二は得意げに言った。
「深く入れてやるからね、フフフ。大腸はもちろん、小腸まで入れるつもりだよ、由紀さん」
「そ、そんな……」
由紀は唇をワナワナと震わせるばかりで、言葉がつづかなかった。子宮実験だけでなく、同時に肛門実験までやると言う。唇だけでなく、足台に乗せられた両脚までが、いや、身体中が恐怖に震えた。
「フフフ……」
竜二が笑えば、
「ヒヒヒ……」
梅島も笑った。手伝う亀井に蛭崎、李も笑った。まるで狂人の笑いだ。その笑い声にビクッと裸身を震わせたかと思うと、
「いや、いやあ……た、助けてッ」
由紀は狂ったように泣き叫んだ。だが、由紀の股間は開ききっている。前も後ろも、あられもなく奥まで開ききっている。拒む術はなかった。
リゾール水が噴きかけられ、前後同時に洗浄された。
「ヒヒヒ、それじゃ、子宮口を開いてやるかのう、永峰由紀」
梅島が直経三・五ミリのヘーガル拡張器の一号を手に取った。
「いや、いやあッ」
「ヒヒヒ、泣け、もっと泣けい」
梅島は、由紀がおびえ、泣くのがたまらなかった。女を実験材料として弄ぶ実感が、ひしひしと全身に伝わる。血走った眼で膣拡張器のなかをのぞきこみ、ピンクの輪状の頚管を確かめると、ゆっくりヘーガル拡張器を挿入した。
「ひッ……」
由紀は息をつめて、総身を硬直させた。これまで誰一人として触れたことのない、禁断の秘所である子宮。その頚管に細い金属の棒が分け入ってくる。
「あッ、う、うッ……ひッ、ひッ」
かみしばった唇の間から、耐えきれない悲鳴がこぼれた。だが、襲ってきたのはそれだけではなかった。
「それじゃ、肛門のほうも入れるか、フフフ。由紀さん、いくよ」
細いビニール管が肛門拡張器の間から腸管へと入ってきた。少しずつ、だが確実に奥へと腸管のなかへもぐりこんでくる。
「ひッ、ひッ……こわい、こわいッ」
由紀は腰をブルブルと痙攣させながら、泣き、うめき、のけぞった。もう腰をふりたてることもできない。身体の奥深く、おぞましい器具を挿入されているかと思うと、麻薬に侵されたように身体がしびれた。金属の棒が頚管に沈み、また、ビニール管が腸の奥深く入ってくるのがはっきりとわかった。
「ひッ……ひッ、ひ……」
由紀はもう、声さえ出せずに、ひッ、ひッと喉を絞るばかりだった。
「ヒヒヒ、だいぶ柔らかくなって、ひろがってきおったわい」
梅島は次々とヘーガル拡張器を取り替えては、順次太いのに変えていく。
「よし、次は十号じゃ」
もう由紀の頚管は直径八ミリのヘーガル拡張器を受け入れるところまで拡張されていた。頚管を急速に拡張するため、裂傷を起こさないよう手つきは慎重だ。
由紀の腸管にビニール管を押し入れていく竜二のほうも、もう軽く三十センチ以上は挿入していた。
「うッ、ううッ……うむ、つらい……」
由紀が苦悶にうめいた。白い肌には汗がにじみ、じっとりと濡れていた。頚管に押し入れられる金属の棒が太くなるにしたがって、また、腸管のビニール管が奥へ達すれば達するほど、由紀の苦悶も倍増した。
「ヒヒヒ、妊娠もしとらん健康な子宮をここまで開かれたのは、この女が初めてじゃろう。ヒヒヒ、よう開きよる」
梅島が口もとをだらしなく崩し、嗜虐の欲情をこらえきれないように、唾液をあふれさせた。もうヘーガル拡張器は、最大の直径二十ミリのものに達していた。むごい拡張だった。たとえ妊娠中絶でも、ここまでは開かない。
「ヒヒヒ、由紀は、これまでで最高の実験材料じゃわい。子宮口が見事に開きおった」
「う、うッ……かんにんして……」
「じっとしておれ」
指をすべりこませると、楽に入った。なかは熱い。驚くほどに熱を発し、挿入した指がとろけんばかりだった。
「ひッ、ひッ……死んじゃうッ」
ギクン、ギクンと由紀は苦痛を露わにした。外から刺激されるのと違って、内から直接まさぐられる。身体の芯が、ジリジリと灼かれていく。
「ヒヒヒ、妊娠させてみたくなるのう」
「ひいッ……」
由紀はおびえて、声高く泣いた。
「そのうち、人工受精で妊娠させてやるかのう、ヒヒヒ。可愛い牝じゃ」
梅島は酔いしれたように言った。慎重だが執拗にまさぐった。こんなことは妊娠中絶か出産でもない限り、やることではない。
「どうだい、叔父さん」
まだビニール管を腸の奥深くもぐりこませながら、竜二が聞いた。
「いい手触りじゃ。ヒヒヒ、まぎれもなく妊娠経験のない極上の子宮じゃわい」
梅島はうれしそうに言った。ペンシル型の懐中電燈を取りだすと、それを鉗子で挟んで、そっと膣拡張器の間から挿入した。
ピンクのドーナツ状の頚管が、奥に生々しくのぞいていた。そして、その中央が妖しく口を開いていた。匂うような妖美なピンクに色づいている。
「ヒヒヒ。どうじゃ、子宮までのぞかれる気分は、永峰由紀。ほれ、ほれ、こうすれば、もっと奥までのぞけるわい」
「うッ、ううッ……やめて、やめてえ……お腹が、お腹が……」
「ヒヒヒ……ほれ、ほれ」
梅島はかまわず鉗子を巧みに使って、少しでも子宮内部をさらけだそうとした。それは、子羊のはらわたを食い荒らす狼の姿にも似ていた。眼は血走り、口もとからはだらしなく唾液を垂らし、今にも吠えんばかりのけだものの形相だった。
由紀は総身をしとどの汗にして、苦悶にうめいていた。
頚管には再び最大のヘーガル拡張器が埋めこまれ、腸管に送りこまれたビニール管も驚くまでの深さに達していた。そして、ビニール管のなかの球体だけを残して、ビニール管が抜き取られた。腸内にはパチンコ玉みたいな球体だけが残った。
「フフフ、これで腸内の動きがよくわかる。あとは浣腸するだけだ」
竜二が低く笑った。
浣腸という言葉に、由紀の頬がひきつった。
「こ、こんなひどい真似をしたうえに、……まだ浣腸しようというのですか……」
汗まみれの顔をひきつらせつつ、由紀はうめき声を途切らせた。
「そうさ、フフフ。それもちょっと変わった方法でね。ヒイヒイ泣けるぜ、きっと」
竜二はせせら笑った。ひどく興奮しているらしく、眼がギラつき、盛んに舌舐めずりをしている。
「責め殺されるわ……」
由紀はあえぎながら、観念の眼を閉じた。いくら泣きわめいて哀願しても、聞いてくれる男たちではない。かえって喜ばせるだけである。いっそ責め殺されたほうが……。
「ヒヒヒ、子宮実験と浣腸責めを組み合わせてやるぞ」
「どういうことかわかるかい、由紀さん。フフフ、たまらないぜ」
梅島と竜二はへらへらと笑って、意地悪く由紀をからかった。子宮実験と浣腸責めの組み合わせなどと言われても、由紀にわかるはずもない。それより、ネチネチと嬲られるのがたまらなかった。
「ああ、どうにでもすればいい……責め殺すなら、早く殺して……」
「ヒヒヒ、殺すよりつらい目にあわせてやるわい」
梅島はゴム製の袋を取りだした。それを由紀に見せつけるように、小さく折りたたむ。由紀の表情が硬直し、蒼白になっていく。
「何を、何をする気なの……」
「フフフ、どうにでもしてと言っておきながら、気になるのかい、由紀さん」
竜二があざ笑った。梅島がゴム製の袋をたたんでいる間に、竜二は肛門拡張器をゆっくりと引き抜いた。ヒクッ、ヒクッと菊蕾が蠢きながらすぼまりだした。
「このまま肛門を開きっぱなしにしておいてもいいんだが、フフフ、浣腸となればやっぱり由紀さんが自分から肛門を開いて、ひりだすところを見なくちゃな」
竜二は意地悪く言った。
だが、そう言われても、由紀の意識は梅島の手のなかのゴム製の袋にあった。いくら観念したつもりでも、何をされるのかという恐怖に眼を離せない。
「ヒヒヒ……」
小さく折りたたんだゴム製の袋を鉗子で挟み、膣拡張器の間から押し入れると、由紀はにわかに狼狽を見せた。
「そんな、そんなこと……やめてえッ」
梅島が、鉗子で挟んだそれを子宮のなかへ挿入しようとしているのだ。
「いや、そんなことはいやあ……」
「メトロイリーゼは子宮のなかへ入れるものと決まっておるのじゃぞ、ヒヒヒ。もっとも分娩に使うんじゃがのう」
梅島はうれしそうに笑った。
メトロイリーゼ……そのゴム製の袋は、分娩時に頚管の開大が不充分な患者に対し、それを子宮内でふくらませ、頚管を開大させるために用いるものである。
「あ、あッ……ああッ」
由紀の上体が弓なりにのけぞった。
ヘーガル拡張器が引き抜かれ、かわって、小さく折りたたまれたメトロイリーゼが頚管のなかへもぐりこんでいく。
「ヒヒヒ、うんと開いておいたので、楽に入りおるわい」
メトロイリーゼの一方についているゴム管を残して、あとはすっかり子宮の中へ押し入れてしまう。
「これでよしと、ヒヒヒ」
「こっちも準備いいぜ、叔父さん」
竜二は手に巨大なガラス製の注射型浣腸器を持っていた。昨日の大量浣腸実験で由紀に使われたもので、容量は四千CCもある。
「ああ、これ以上……かんにんして、それはいや、いや……死んじゃうッ」
「死んじゃうか……フフフ、殺してほしいんじゃなかったのか、由紀さん」
「そ、そんな……」
由紀は、ひきつらせた顔を激しくうちふった。本能的に菊蕾がおののきを見せて、キュッとすぼまった。
だが、浣腸器が狙ってきたのは、由紀の菊蕾ではなかった。嘴管はメトロイリーゼからのびたゴム管につながれたのだ。
「あッ……そんなッ」
由紀はメトロイリーゼがどう使われるものか、本能的に悟って、思わず戦慄の声をあげた。浣腸器のポンプが押され、子宮のなかでゴム製の袋がふくらみはじめたら……。そう思うと背筋が寒くなった。
「い、いやあ……」
「どうされるか、わかったようだな、由紀さん。ちょっと変わった方法で責めると言ったろ」
竜二はニタッと笑って、ジワジワとポンプを押しはじめた。
由紀の子宮のなかでモゾモゾと、折りたたまれたゴム製の袋がふくらみはじめた。
「あッ、あ……ああッ……」
由紀の唇に、うわずった声がほとばしった。まるで子宮のなかで淫虫でも蠢いているようだった。折りたたまれた袋が、モゾモゾとひろがりながら、少しずつふくらんでいく。それにつれて、子宮も内側から押しひろげられていく。
「うう……ああ、あ、ううむ……」
由紀の悲鳴がしだいに、うめき声へと変わった。子宮のうちから押しひろげられる苦悶のうめき声だ。
「まだまだ……少しずつ入れるんじゃ」
子宮裂傷や頚管裂傷を起こさないよう、梅島が慎重に様子を診ながら、竜二に指示を与えた。
注入が進むにしたがって、由紀の子宮が胎児を孕んだようにふくらんでいくのが、梅島の手にはわかった。
「うッ、うむむ……死ぬ、死んじゃう……うぐぐッ、お腹が裂けるうッ」
あぶら汗が噴きだし、裸身がじっとりと光った。下半身がブルブルと震えだした。
「うむ、ううむ……つらいッ……殺して、いっそ殺してえッ」
そう泣き叫んだかと思うと、由紀は眼尻を吊りあげ、唇をかみしめて、一種凄絶な表情をさらした。そして、ついには、ただうめくばかりになった。
「ヒヒヒ、よし、そこまでじゃ」
梅島が竜二をとめた。まだ妊娠の経験のない由紀の、子宮の限界と見てとったのだ。
「つらいだろ、由紀さん」
竜二が聞いても、由紀は返事をする余裕もなく、汗まみれの顔を蒼白にして、低くうめくばかりだった。
「フフフ、苦あれば楽ありだ。いい気持ちにしてやるぜ、由紀さん」
浣腸器をそのままにいったん蛭崎にあずけると、竜二は由紀の菊蕾に指をのばした。その菊蕾に、メトロイリーゼからのびた、もう一本の短いゴム管の先についたノズルを埋めこんだ。
「フフフ、いよいよ浣腸だ、由紀さん。それも自分で注入することになるんだぞ」
竜二はノズルの栓を開いた。
とたんに何も手を加えないのに、ズズッと薬液が由紀の腸管へ流れこみはじめた。メトロイリーゼのなかに充満していた薬液が、子宮が収縮する力でゴム管を通し、由紀の腸管へ流れこんでいく。
「ああッ、あ、あ……あああッ」
はじかれたように由紀がうわずった声をあげた。子宮がうちから押しひろげられていた苦痛がスーッと消えていくと同時に、腸管に薬液が流入する快美がふくれあがった。
それだけではない。流入する薬液に、腸管につめこまれていたパチンコ玉のような球が、いっせいにざわめきだした。
「あ、ううッ……ああ、あうッ……たまんないッ」
それまでの苦痛が大きかっただけに、腸管でざわめく球の蠢きが、妖しい快美にさえ感じられた。
も、もっと……ああ、もっと浣腸して……。
思わず、我れを忘れて口走りたくなった。
注入されるのは強烈なグリセリン原液だ。それがやがて、気も狂わんばかりの内臓の苦悶をもたらすことを、由紀は知っている。だが今は、そのことは頭になかった。
子宮のなかのメトロイリーゼが、すっかりそのなかの薬液を吐き出してしまうと、竜二はノズルの栓を閉め、再び浣腸器のポンプをジワジワと押しはじめた。
「フフフ、また地獄を味わってもらおうか、由紀さん。何度でもくりかえしてやるからね」
「そのうち、子宮も腸のほうも、両方ともに地獄になるぞ。ヒヒヒ、覚悟しておくことじゃのう、永峰由紀」
竜二と梅島は欲情に昂る声で言った。
また、由紀の子宮のなかでゴム製の袋がジワジワとふくらみはじめた。
【4】
由紀を妊娠させてみたい……梅島は本気でそう思いはじめていた。
竜二も同じ思いだった。由紀の菊蕾を夫の友彦の前で犯したことで自信をつけたのか、竜二の嗜虐性はエスカレートするばかりで、とどまるところを知らなかった。由紀をもっととことん責めぬき、地の底へ堕としてみたい。いや、責め殺してみたいとさえ思う竜二なのだ。それだけに、由紀を人工受精で妊娠させてみたいという梅島の話に、竜二はすぐにのった。
「ヒヒヒ、さすがにわしの甥じゃわい。話が早いのう」
梅島はニンマリと相好を崩した。
ただ妊娠させるのではおもしろくない。由紀を夫の見ている前で最も屈辱的かつ衝撃的な方法で妊娠させてみたい……。そこまで考えは同じだった。そうなると話は早い。
「ヒヒヒ、前から一度試してみたいと思っておった、とっておきの方法があってのう」
梅島は隠し金庫を開けて書類を取りだすと、竜二に見せた。
それは梅島がアメリカを追放になる直前にやっていた生命工学研究の人体実験データだった。遺伝子操作による異種生物間の交配、受精の実験データで、人間と動物をかけ合わせた受精卵を、借り腹に使う女の子宮に着床、妊娠させるという恐ろしいものだった。
「す、すごい……」
データに眼を通す竜二の顔が、嗜虐の興奮にひきつった。
「考えてもみい。あの永峰由紀に黒人の精子で受精させたチンパンジーの子を孕ませるとしたら……」
そこまで言われただけで、竜二はゴクリと生唾を呑んだ。妊娠させるとしても、それほどむごく、恐ろしくて、由紀を泣きわめかせる方法があろうか。牛に羊の子を産ませた記録はあっても、人間の女に黒人とチンパンジーのハーフを孕ませるなど前代未聞であろう。
「…………」
声もなく竜二はうなずいた。これほどの話に竜二が賛成しないわけはなかった。
「ヒヒヒ、すでに黒人のほうは呼んである」
なんという手まわしのよさだ。梅島が呼ぶと、黒人が一人、入ってきた。
「アメリカにいた頃、わしの研究によく精子を提供してくれたルディじゃ」
ルディと呼ばれる黒人は、二メートルはあろうかと思われる大男だった。ルディは裸だった。たくましい筋力がすさまじい。そして、ルディの前にはバスタオルがかけられていた。身体の一部にひっかけている。
「ヘイ、ルック」
そう言うなり、ルディは手を使わず、その部分の力だけで、バスタオルをいともたやすく宙へ舞いあがらせた。
「な、なんてデカさだ……」
竜二は思わず驚きの声をあげた。それほどの長大な持ち主を、竜二はこれまで見たことがない。
ルディがそれをふってみせると、ビュンビュンと宙を切る音がするようで、また竜二は眼をみはらされた。
「すごい……これだけのものを、精子提供だけに終わらせるのはおしいな」
「ヒヒヒ、ひとつ顔合わせをかねて、由紀とからませてみるか」
「善は急げだ。さっそく犯らせよう、フフフ。由紀は泣きわめくぞ、きっと」
竜二と梅島は、顔を見合わせて笑った。
そんな恐ろしいことが話されているとも知らず、由紀はグッタリと檻のなかに身を投げだしていた。まるで死んでいるようだった。わずかに胸から腹部にかけてをあえがせているだけである。
「お、お姉さんッ」
どこかで妹の呼ぶ声がしたようで、由紀は右に左にと顔をふるようにして眼を開いた。焦点が定まらない瞳に、ぼんやりと顔が見えた。しだいにはっきりとしてくる。
「お姉さん」
妹の麗香とまゆみの二人だった。二人とも、ひどくやつれたようで、ひと目で妹たちがどんな目にあわされてきたかがわかった。
「ああ、麗香、ま、まゆみッ」
「お姉さんッ」
由紀がフラフラと上体を起こすと、麗香とまゆみが泣きながらしがみついてきた。わあッと号泣する。皆、全裸だった。
「ああ、ごめんなさい……姉さんを許してちょうだい」
由紀もまた、涙を流しながら妹たちを抱きしめた。
今の由紀には妹たちの身を案じる余裕はなかった。それでなくともむごい実験に気を失い、檻のなかへ連れもどされたのも気づかなかったくらいなのだ。
だが、自分が竜二に狙われたばかりに、二人の妹までも巻きぞえに……。そう思うと、いっそう強く抱きしめずにはいられなかった。抱きしめることしか、今の由紀にはできないのだ。
薄暗い地下の廊下に、コツコツと足音が響き、しだいに近づいてくる。
「まゆみ、麗香……」
「お、お姉さんッ」
ビクッとして三人は互いに裸身を寄せ合ってすくめた。由紀は背中に妹たちをかばうようなかっこうだ。
やってきたのは、李だった。
「そうやって三人とも、素っ裸でそろってると、たまらねえながめだな。さすがに美人三人姉妹といわれるだけあるぜ」
檻の鉄格子からのぞきこんで、李はニヤニヤと笑った。いずれ劣らぬ美女とあって、眼がくらむようだ。
まだ清純さを残している麗香、女として今花開いた観のあるまゆみ、そして熟しきっている由紀と、女の美しさの変遷を見るようだった。このなかから一人選べと言われて、迷わない男はいまい。
だが今は、李は竜二の命令で由紀を連れに来たのだ。にもかかわらず、李は三人をニヤニヤとながめまわし、
「フフフ、さてと、誰を連れだすかな」
意地悪くからかうのだった。
おびえを露わにして、三人姉妹はいっそう身体を寄せ合った。この檻から連れだされれば、どんなことをされるか、いやというほどに思い知らされている。
「客人が一人来ている。その相手をしてもらいたいんだが、ヘヘヘ、誰にするかな」
李がわざとらしくとぼけた。
まゆみか、それとも麗香か、李が名前を口にするたびに、まゆみと麗香はひッと泣き声をあげて、由紀にしがみついた。
「ヘヘヘ、なんでも精力絶倫らしいぜ。そのうえ、化物並みのデガブツの持ち主らしい。ヘヘヘ、やはりまゆみがいいかな」
と言って、ジロッとまゆみを見たかと思うと、
「いや、待てよ。初々しい麗香のほうがいいかな。だが、浣腸して尻の穴をやるとなりゃ、麗香じゃちとかわいそうな気もするが」
今度は麗香に視線を向ける。はじめから由紀を連れだすと決めているくせに、わざとしらばっくれて楽しんでいる。
「ヘヘヘ、まゆみか、それとも麗香か。どっちにするんだ」
まゆみも麗香も、おびえきって今にも泣きだしそうな顔を、いやいやと激しくふりたてた。
「どっちにするんだッ、甘えるんじゃねえ」
李はわざとらしく声を荒らげた。
「ああ……」
と声をあげたのは由紀だった。
この男の狙いは、本当は自分にある……そのことを由紀は本能的に感じとっていた。さっきから李は、由紀の名だけを口にせず、意味ありげな眼で見つめてくることが、それを如実に物語っていた。
「麗香、おめえにするか」
李が鉄格子の戸を開けて、なかへ入る気配を見せた。
「い、いやあ……お姉さんッ」
麗香が泣きだした。
「ほれ、麗香、さっさと出てこねえか」
「ま、待ってッ」
由紀は背中に麗香をかばった。李の本当の狙いが自分にあることがわかっている以上、妹たちまで巻きぞえにするわけにはいかなかった。グズグズしていれば、李は本当に麗香かまゆみを連れだすにちがいなかった。
「待って……由紀が、由紀が行きます」
クタクタに疲れきっていても、由紀はそう言わずにはいられなかった。
「ほう、奥さんがねえ、ヘヘヘ」
李はニタリと笑った。由紀が自分から言いだすのを待っていたようだ。
「奥さんが精力絶倫の客人の相手をすると言うのか」
「……そ、そうです」
「いいのか。ヒイヒイ泣きわめくことになるんだぜ」
由紀はまだ、待ちかまえている男が黒人だということを知らないのだ。それを知っていたら、由紀の態度も違ったものになっていたはずだ。
「妹には手を出さないで……由紀を、由紀を連れていって……」
由紀は震える声で言った。
まゆみと麗香が由紀の顔を見た。
「い、いいのよ、あなたたちは心配しなくて」
由紀は無理に平静を装って、笑みをつくろうとした。だが、その顔は蒼ざめてひきつっていた。
檻から連れだされた由紀は、化粧室へまず連れていかれた。
「ほれ、客人がびっくりするように綺麗になるんだ」
李に小突かれて、由紀は鏡台に向かった。アイシャドーを塗り、真っ赤なルージュをひいていつもより濃い化粧をさせられた。
このところ一糸もまとうことを許されなかった肌には、ひさしぶりに下着をまとわされた。黒に統一された下着だった。ガーターまで着けさせられ、ガーターから黒いストッキングを吊らされた。まるで外国の娼婦の装いだった。由紀は肌が白いだけに、黒い下着にその白さが妖しく映えた。特にガーターで吊られたストッキングとビキニパンティとの間、わずかにのぞいた太腿の白さが、ゾクゾクさせられるほどの妖しさだった。
「なんて色気だ……たまらねえぜ」
李がうなるように言った。
それは黒人のルディ好みの装いなのだが、由紀はそれを知るよしもなかった。由紀にとっては、なんともみじめな姿である。
「……ま、まるで娼婦ね……」
「娼婦だと、ヘヘヘ。冗談言うなよ。奥さんは実験材料の牝、娼婦以下の牝だぜ」
李はあざ笑った。
由紀は眼を伏せたまま、何も言わなかった。黙ってブラシを使って、ヘアースタイルを整えた。
「まったく美人だ……そのうえに色気がたまんねえ。こりゃ客人は大喜びだぜ」
李はあらためて由紀に見とれた。
娼婦のように黒の下着を着け、見事な肉体美を見せている由紀を前にして、李は昂る欲情をこらえるのがやっとだった。
「そ、それじゃ行こうか、奥さん」
うわずった声で言って、李は由紀の背中を押した。薄暗い地下の廊下を通り、李は途中で実験室へ寄った。
「客人の好みの小道具を集めるんだ。それも奥さん自身の手でな、ヘヘヘ」
由紀は逆らわなかった。言われるままに実験道具や責め具の並んだ棚の前へ進んだ。
「まずは玉子型バイブレーターだ。ほれ、そこにあるやつだ、ヘヘヘ、奥さんの尻の穴に入れる例のやつだよ」
「…………」
由紀は一瞬狼狽の色を顔に表わしたが、もう何も言わず、手をのばした。震える手で玉子型バイブレーターを取る。またこんなものを使って排泄器官を責められるのかと思うと、背筋に悪寒が走った。
「次は張型だが……おっとアメリカ製の特大ものを持参していると言ってたな、ヘヘヘ。それじゃ次は、そこのロウソクだ」
長大なロウソクが三本、鞭にアヌス栓と取らされた。何に使うのか、長いマチ針まで取らされる。しだいに由紀の顔が蒼ざめてきた。
「最後はだな、ヘヘヘ、一番肝心なものだぜ。そこの一番デカい浣腸器だ」
「そ、そんな……」
「さっさと取らねえか。奥さんの愛用の四千CC獣医用浣腸器じゃねえかよ」
李はバシッと由紀の双臀をはたいた。
由紀はブルッと身震いした。膝がガクガクと震えだした。やはり浣腸……さっきからそれを恐れて、李が浣腸器と口にしないように必死に祈っていた由紀なのだ。
「ああ、また浣腸されるのね……い、いやなのよ、私」
「ヘヘヘ、奥さんを責めるとなりゃ、浣腸なしじゃ話ははじまらねえぜ」
「ああ……」
こらえようと思っても、ジワッと涙がにじんだ。
「泣くんじゃねえ。せっかくの化粧が崩れるだろうが、ヘヘヘ。泣くのは客人に責められてからだ」
バシッとまた、由紀は双臀をはたかれた。
お盆の上に、客人の好みだという責め具が並んだ。それを見ただけで、客人が恐ろしい変質者だということが、容易に想像できた。
その盆を持たされると、由紀はにわかにおびえだした。
「こ、こわいッ……ああ、お願い、行かせないで。こわいんです」
それまでこらえていたものが、ドッと崩れて噴きだすようだった。逃げようとこそしないものの、総身をこわばらせている。
「あきらめな。ダダをこねるんじゃねえ」
「ああ、かんにんして……こわい、こわいんです」
なぜか底知れぬ恐怖に襲われる。それは女の本能がかぎとる恐怖だ。待ちかまえているのは、黒人である。それも由紀を妊娠させるために来たのだ。それを本能的に由紀は感じるのだろうか。
由紀はその場にしゃがみこむようにして、泣きはじめた。ひどく混乱している風情だ。
「ほれ、さっさとしねえか」
いくら手を引っぱっても、由紀はダダっ子のように足を踏んばって後ずさろうとした。
李は苦笑いした。
「しようがねえな」
李にとって、由紀を引きずっていくことくらいたやすかったが、そうはしなかった。早く梅島や竜二のところへ連れていっても、李には何もできないのだ。
「ヘヘヘ、ここで一度浣腸してやろうか。そのほうが気持ちも落ちつくだろうからな」
「…………」
由紀はすすり泣くだけで、何も答えなかった。
浣腸はおぞましい……だが、ここで浣腸されて気持ちを麻痺させたほうが、李の言う通りあきらめがつくかもしれない。そう思うまでに由紀の恐怖は大きかった。
李は棚から三百CCの容量のガラス製浣腸器を持ちだした。
「四つん這いになりな」
言われるままに、由紀は四つん這いになった。自分でも何をしているのか、頭が混乱してわからなかった。
「奥さんに浣腸してやるのは、これが初めてだな。ゾクゾクしやがる」
李は後ろから、由紀の黒いビキニパンティを剥きおろした。雪のように白い、シミひとつないムキ玉子のような双臀だ。
その臀丘を割って、李は嘴管の先を、奥に秘められた菊蕾に含ませた。こんなところを竜二に見られでもしたら大変なことになる。竜二の由紀の菊蕾への想いは異常で、これまで決して他人には触らせなかった。
だが、娼婦のような黒い下着姿の由紀の妖しさが、李を狂わせていた。
「入れるぜ、永峰由紀」
うなるように言って、李は激しく浣腸器のポンプを押した。
その瞬間、李は耐えきれずにドッともらして、ズボンの前を汚していた。
【第十章 美姉妹・恥辱の三重奏】
【1】
薄暗い廊下は、物音ひとつせず、まっすぐにつづいていた。その廊下を永峰由紀は、よろめくようにフラフラと引きたてられていく。
「……じ、地獄だわ……」
由紀はすすり泣くようにつぶやいた。
地獄に住む鬼たちの生贄の装いだ。黒に統一された下着、ガーターに黒いストッキング……娼婦のように飾られ、綺麗に化粧もさせられた。
由紀はいつになく、ひどくおびえている風情だった。なぜか、身体の奥底から震えが湧きあがってくるのだ。
「こ、こわい、こわいわ……」
竜二によっておぞましい排泄器官を犯された衝撃が、まだ由紀をうちのめしているのか。
肛姦、それは由紀にとって、気も狂うような信じられない行為だった。そのうえ、前からは李に押し入られ、二人の男にサンドイッチにされ、由紀の肉体は揉みつぶされるように荒しまくられた。それも愛する夫の前でである。
何度気を失っただろう。そのたびに失神からゆり起こされ、ついには口から泡を噴き、白眼を剥いたまま、ビクン、ビクンと身体を痙攣させるばかりとなった。さらに追いうちをかけるように、女の最奥と菊蕾とを同時に拡張され、『子宮実験』と浣腸責めを加えられ、内臓の苦悶にのたうちまわらされた。
これ以上の凌辱はないと思われるまで、徹底して責められた地獄のような時間であった。
薄暗い廊下を引きたてられていく由紀は、縛られていなくとも、逃げる気力さえなかった。
「ああ、さんざん嬲りものにして……ま、まだ許してくれないのね……由紀、責め殺されるわ……」
「ヘヘヘ、大げさなことを言うなよ、奥さん。もっとも、どんな客の相手をさせられるかわかったら、死んだほうがマシと思うかもしれねえがな」
李は意味ありげに笑った。
由紀を待ちかまえているのは、黒人のルディである。いよいよルディを使って由紀を妊娠させようというのだ。そして李はまだそのことを由紀に知らせていない。
それでも由紀は、手に持たされた盆の上の責め具で、待っている男が嗜虐性の濃い変質者であることだけはわかった。
「ああ……こ、こわいわ」
由紀はまた、おびえた声をあげた。
盆の上には玉子型バイブレーターや巨大な浣腸器、ロウソクやマチ針、針金などが並んでいる。
所長室の前まで来ると、由紀はひときわおびえの色を濃くした。所長室の前で由紀は、タオルで目隠しをされた。それがいっそう不安をふくれあがらせる。
「ど、どういうことなのッ」
「はずすなよ。仕置きするぜ、ヘヘヘ」
「ああ、い、行かないでッ……お願いですッ、こわい、こわいんですッ」
「ダダをこねてねえで、さっさと入れ」
李は所長室の扉を開くと、パシッと由紀の双臀をはたいた。
由紀は今にもベソをかかんばかりに、よろめきためらいながら足を進ませた。一歩一歩進むごとに、より深い絶望の淵へと落ちていく。
「フフフ、来たね、由紀さん。こりゃまた、黒の下着とは色っぽい」
その声から由紀は、竜二がいることを知った。竜二だけではない。四、五人の男たちがいる気配がピリピリと肌で感じとれた。
責め具をのせた盆が取られ、由紀は腕を取られて部屋の中央に引かれた。グルリと男たちが取り囲む。そのなかに黒人のルディもいた。
由紀はもう生きた心地もない。目隠しをされていると、男の淫らな視線がかえって痛かった。
「ヒヒヒ、どうじゃ、気に入ったか」
梅島が低く笑った。
ルディが舌舐めずりをする。
「スバラシイネ、ボス」
ルディは眼を細めて、盛んに由紀をながめた。気に入った女を前にして欲情すると、ニヤつき舌舐めずりをする癖がある。すっかり由紀が気に入り、その妖美さに魅せられたようだった。
「エレクトスルネ、ヘヘヘ」
ルディはニヤニヤと笑った。梅島の下で働いていただけに、少しは日本語を話す。
だが今の由紀は、聞き馴れない男の声におびえるばかりで、それが黒人のものと知るよしもなかった。
「ヒヒヒ、由紀の白い肌には黒がよく似合う」
「白黒ショーとはこのことだな」
梅島と竜二がへらへらと笑った。
由紀の白い肌とルディの黒い肌、それが妖しいコントラストをつくっている。その黒い肌が白い由紀を犯していくのかと思うと、男たちはゾクゾクした。
そう言われても由紀は、黒い下着のことを言われていると思っている。
「ヒヒヒ、それでははじめるかのう」
男たちは由紀とルディの二人を残し、後ずさると、遠巻きにした。
「ああ、何をはじめるのです……」
由紀はおびえ、身体を硬直させた。目隠しをされているせいで、男たちのどんな動きにもビクッと反応する。
「ヘヘヘ、ユキ、カワイガッテヤルゾ」
ルディはニタッと笑い舌舐めずりをすると、鞭を手にした。ピシッ……鞭が空を切って鳴った。
「オドレ、ユキ」
ルディが命じると同時に、レコードがテナーサックスの気だるいブルースを流しだした。
「オドリナガラ、ヌグンダ、フフフ、ストリップショーダ」
「ああ……」
由紀は鞭の音におびえ、うわずった声をあげた。じっとしていると、いきなり双臀に鞭が飛んだ。
「ひいッ……いやッ」
由紀の口から悲痛な叫びが噴きあがる。
「ハヤクオドレ」
「ああ……」
鞭打たれる恐怖に、由紀は身体をオズオズとゆすって踊りはじめた。ブルースに合わせて踊らされる。
「オッパイヲ、ダシテミセロ」
ピシッ、と鞭がうなって由紀の双臀に飛んだ。
「ひいッ……鞭はいやッ、言われた通りにしますから、打たないで」
由紀はあわてて黒のレースのブラジャーに手をのばした。踊りながら、まるでストリップダンサーのように由紀はブラジャーをはずした。プルンと形のいい乳房が飛びだした。
「オッパイヲフッテミロ、フフフ」
また鞭が飛ぶ。
由紀はあわてて乳房をゆすってみせた。ブルン、ブルッと豊かな乳房が左右にゆれ、それを見るルディはゲラゲラと笑って喜んだ。
「パンティモ、トレ」
ルディは、また鞭をふるった。言うことを聞かないと鞭をふるうのではなく、はじめから鞭で打って命じるやり方だ。
「ああ、脱ぐわッ、脱ぎますから、鞭はいや、いやッ」
由紀は目隠しをされたまま、泣きだした。泣きながらパンティをずりさげ、足から抜いた。由紀はガーターにストッキング、そしてハイヒールをはいただけの姿だった。
「ヒップヲフレ、フルンダ」
「ああ……み、みじめだわ」
「モットフルンダ、フフフ」
剥きだしになった裸の双臀に鞭が鋭く鳴った。由紀は泣きながら双臀をふり、乳房を左右へゆすった。妖しいまでの女体のうねりだ。少しでも動きが鈍くなると、容赦なく鞭打たれた。
梅島と竜二がニヤニヤしてながめている。ガーターにストッキング、ハイヒールをはいただけの由紀の裸身。ブルースに合わせてゆれる乳房、剥きだしの双臀、綺麗に剃毛された恥丘からのぞく媚肉の合わせ目、それらが男たちの眼をこよなく楽しませてくれた。そして、特に責め手が黒人だということが、男たちの嗜虐の情感を刺激した。一定の間隔をおいて鞭がふるわれ、由紀の裸身が痙攣し悲鳴をあげる時などは、ゾクゾクと胴震いがきた。
「ああ……かんにんして……いやいや、鞭はいや……」
由紀は嗚咽しながら踊りつづけた。気も狂うような屈辱と恐怖だった。ブルブルと乳房が躍り、双臀が妖しくうねった。
ルディはゲラゲラ笑って喜びながら、ピシッピシッと鞭を使った。狙うのは由紀の双臀だけだ。
「ユキ、オマンコガシタイトイッテミロ」
「………」
由紀は唇をかんでいやいやと顔をふった。とたんに双臀に鞭が鳴った。
「イッテミロ」
「ああ、か、かんにんして……」
「イウンダ、ユキ」
鞭が鋭い音をたてた。ひとふりごとに鋭さを増していく。目隠しをしているぶんだけ、その苦痛はこたえた。
「あ、ああ……したい……オ、オマンコがしたい……」
由紀は耐えきれずに、屈辱の言葉を口にした。
「フフフ、ウントフトイノヲ、オクマデクワエタイトイエッ」
「……う、うんと太いのを、奥まで咥えたい……ああ……」
言い終わると、由紀は総身をうち震わせて、泣きだした。
ルディがゲラゲラと笑った。
【2】
ようやくレコードのブルースが終わると、ルディはいきなり由紀の目隠しを取った。
由紀は一瞬、眼がくらんだ。闇に馴れた眼にまぶしい光が流れこみ、そして真っ黒な顔がニヤニヤと笑いながら、ヌーッと突きだされているのが映った。分厚い唇が盛んに舌舐めずりをしている。
それが黒人であることがわかったとたん、由紀の瞳が驚愕に大きく見開かれた。
「ひいいッ……」
つんざくように悲鳴がほとばしった。李の言っていた客人とは……黒人の相手をさせられると知った、由紀の総身が恐怖に凍りついた。
ルディは二メートルもある大男だ。まるでプロレスラーのようにたくましい身体に、バスタオルを腰に巻いただけの姿だった。
もうどうなってもいい……恐ろしい絶望に観念していた気持ちなどは、どっかにけし飛んでいた。生理的嫌悪が背筋を走り抜ける。
「い、いやあ……」
由紀は本能的に逃げた。逃げるといっても、由紀は男たちに遠巻きにされている。梅島に竜二、李に赤沢、蛭崎、亀井がニヤニヤ笑って円陣をつくっている。そのなかを少しでもルディから遠ざかろうと、後ずさるだけである。
「フフフ……ユキ、ヘイッ、カモン」
ルディはいやらしく舌舐めずりをしながら、由紀の名を口にして、手招きした。すぐに由紀をつかまえようとはせず、わざとゆっくりジリジリと由紀に迫っていく。じっくりとゲームを楽しむ気なのだ。
「フフフ、ビューティフル……トテモキニイッタネ」
目隠しをはずした由紀の美貌がいっそうきわだって、ルディはさっきよりも眼の色が変わっている。
「カモン、ユキ。オマンコスルネ、フフフ」
「いやッ……いや、いやよッ」
「オマンコシタイ、イッタノハオマエダ。オレモシタイ。ダカラヤルネ」
ルディはゲラゲラと笑った。真っ黒な顔に白い歯がいやらしく光り、それがいっそうルディを淫らに見せた。
「ああッ、来ないでッ……こっちへ来ないでッ、い、いやあ……」
後ずさりながら、由紀の美貌が絶望と恐怖にゆがんだ。
逃げる由紀の手がルディにつかまえられた。そのまま一気に抱きつかれる。
「ひいッ……いやあ……は、離してッ」
いくらもがいても無駄だった。ルディは腕だけでも楽に由紀の太腿くらいの太さがある。由紀の抵抗をまったく苦にせず、赤子をあやつるように抱き寄せると、由紀の口を吸いにきた。
「ユキ、スバラシイオンナダ、フフフ」
「いや、いやあ……」
「フフフ、モットナケ、アバレロ。オンナハ、テイコウシタホウガイイ」
ルディは由紀の黒髪をつかんで、ゆっくりと唇を突きだした。
ヌチャ……唇を重ねられた瞬間、由紀はその不気味な粘っこさに、思わず背筋に悪寒が走った。まるで蛭にでも吸いつかれたようで、唇全体がヌチャヌチャと吸われる。あの黒く分厚い唇で吸われているのかと思うと、身体中に汗がにじむようだった。
「うッ、うむ……」
いくらもがいてもビクともしない。かみしばった歯を強引に割られ、舌をからめ取られた。唇も舌もしびれるような強烈な口づけである。
「フフフ……イイオンナダ」
ルディはまた舌舐めずりをした。ようやくルディに離されても、由紀はフラフラするほどだった。
「ドウシタ、モウアキラメタノカ」
「ひッ……」
由紀はあわてて逃げた。
ルディは一気に由紀を弄ぼうとはせずに、わざと離してはまた追いつめ、由紀の抵抗を楽しんでいる。それは見ている男たちにもわかった。
「ヒヒヒ、ルディ、今度はどこを狙う気じゃ。おっぱいか、尻か」
「ルディ、尻にしろよ。なんともいえねえ肉づきしてるぜ」
「どこを狙うか、ヘヘヘ、こいつはおもしろい見世物だねえ」
男たちはへらへらと笑いながら、ルディをあおり、はやしたてた。ルディが手をのばして、由紀を追う。わざとゆっくり追いつめるやり方だ。
「ヘヘヘ、コンドハドコニスルカナ」
「いやッ……こ、来ないでえッ」
由紀は後ずさりながら、もう泣いていた。逃げるところなど、どこにもない。
「ああ、竜二さん、助けてッ……」
助けてくれるはずはないとわかっていても、由紀は竜二にすがりつくしかなかった。どんなに憎んでいる竜二でも、黒人のルディよりはマシだ。だが竜二は冷たく笑うばかりだった。
「フフフ、うんと太いのを奥まで咥えたいとねだったのは、由紀さんだぜ。そのくせ、助けてってえのは、おかしいぜ」
「ち、違うわッ……ああ、お願い、あの男に由紀を渡さないで」
由紀は夢中で竜二にしがみついた。ワラにもすがる心境なのだろう。
だが竜二には、由紀のおびえるさまが嗜虐の感情をそそって心地よい。相手が黒人だと、こうもおびえるのかと思うと、かえってむごく犯させてみたくなる。
「いいのかい、由紀さん、ルディに尻を向けて。フフフ、それじゃ尻に触ってくれといわんばかりだ」
由紀はあわてて双臀に手をやり、後ろをふりかえった。その瞬間、ルディの黒い手に乳房をわしづかみにされた。
「い、いやあ……」
「ヘヘヘ、イイカンジダ」
ルディは両手で由紀の乳房をわしづかみにしたまま、グイッと抱き寄せた。まるでグローブのような大きな手だ。それで白い由紀の乳房をゆっくりと、タプタプと揉みこんでいく。
「いやあ……」
由紀は声をあげて泣いた。異様にしめっぽく熱い手だった。ルディの欲情が集中し、熱を発しているようで、それが由紀の乳房を付け根から絞るように揉みこんでくる。てのひらが乳房をしごく。
ルディの黒い手が触っているのだと思うと、由紀はそれだけで気が遠くなりそうだった。裸身が総毛立った。
「どうじゃ、由紀の乳房は……ヒヒヒ、アメリカの女のように大きくはないが、プリプリとよい手触りじゃろうが」
梅島に言われて、ルディはニンマリとうなずいた。由紀の乳房は九十一センチはある。そのうえ肌理は細かく、形もいい。ルディを夢中にさせるのに充分だった。
「いや、いやッ……け、けだものッ」
由紀はルディの腕のなかで泣きじゃくった。
ルディは再び由紀の身体を離した。
「フフフ、コンドハヒップヲネラウゾ」
「いやあ……もう、もういやあ……」
まるでネコにとらえられた子ネズミであった。肌をまさぐられてはわざと離され、少し逃がしてはまたとらえて肌をまさぐる……それがくりかえされるのだ。
「か、かんにんして……」
とうとう由紀は、床に身をちぢめて、泣き伏すばかりとなった。
「どうした、由紀さん。もう逃げないのかい、フフフ。いいのかい、黒人さんに犯されても」
竜二が意地悪くからかっても、由紀は泣きながらかぶりをふるばかりだった。由紀の裸身はもう、じっとりと汗が光っていた。
由紀が泣くばかりで逃げようとしなくなったので、ルディは次の行動に移った。由紀の黒髪をつかんで引きずり起こすと、由紀の裸身を軽々と抱きあげた。
「フフフ、モットナカセテヤル」
「ああ、やめてッ……いやあッ……」
犯される恐怖が走った。由紀は逃げようとルディの腕のなかであばれ、もがいて泣き叫んだ。それを楽しみながら、ルディは由紀をテーブルのところに運んだ。その上に、あお向けに横たえる。すぐに李と赤沢が手伝って、由紀の両手を左右に開いて、テーブルの脚にそれぞれ縛りつけた。
ルディは由紀の足首をつかんだ。
「マタヲヒロゲロッ」
「いやあ……」
両脚を開かされるとわかって、由紀は裸身を揉みゆすって両脚をちぢこめようとする。
「さあ、股をおっぴろげて、ルディに自由に触らせるんだ。由紀さん」
手伝ってやろうと、竜二が足首をつかんだ。
「か、かんにんしてッ……いや、いやあッ」
由紀は泣き叫んで、狂ったようにもがいた。だが、いくら両脚をうねらせても、だめだった。両脚がゆっくりと左右に割られていく。内腿がメリメリと音をたてそうに開いた。
「いやあ……」
号泣とともに、由紀の両脚が引きはだけられた。内腿の筋がピンと張り、ヒクヒク痙攣を見せる。
足首に縄が巻きつくのを、由紀は絶望のなかで感じた。ガーターとストッキングを残しただけの裸身で、由紀は文字通りの大の字に近いかっこうにされた。
「フフフ、黒人の生贄にふさわしいかっこうだよ、由紀さん」
「これなら犯るのも簡単じゃろう。あんなに開いておれば、ルディの太いのも入るじゃろうからな」
竜二と梅島がうれしそうに笑った。
開ききった内腿の奥に、女の媚肉がはっきりとさらけだされていた。女の茂みをすっかり剃りあげられているだけに、媚肉の合わせ目があられもなくのぞき、わずかに口を開いている。そこはすでに、しっとりと潤おっていた。
由紀は黒人に犯される恐怖に、もう死にそうにおののいている。あの黒い肌がおおいかぶさってきて、身体の奥底まで押し入られるのかと思うと、全身の震えがとまらない。
だが、さらに由紀を恐怖のドン底へと堕とすことが起こった。由紀の顔の横に立ったルディが、ニタッと笑って、
「ヘイ、ルック」
そう言ったかと思うと、いきなり手も使わずに、腰に巻いたバスタオルを宙へはねあげたのである。たくましい黒々としたルディの肉体があった。
「ひッ」
由紀は思わず息を呑んだ。一瞬、眼の前のものが信じられなかった。人間離れしたものが、恐ろしいまでに剥きだしになっていた。三十センチ近くはあろうか。赤ん坊の腕くらいの太さがある。黒く光り、血管まで浮きたたせて不気味だった。
「ドウダ、ユキ」
ルディは自慢げにゆすってみせた。ブルン、ブルンと音をたてて空を切る。
「気に入ったかい、由紀さん。こんなデカい化物みたいなのに犯されると思うと、うれしいだろ」
「ヒヒヒ、黒人のを見るのは、初めてのようじゃのう。ズンといいぞ、デカいからのう。口から泡を噴くほどじゃ」
「ヘヘヘ、うれしくて声も出ねえようだな、永峰由紀」
男たちがからかっても、由紀はルディの巨大さに血の気を失って震えるばかりだった。少しでも逃げようと、むなしく身をよじり、顔をふりたてる。恐怖のあまり、唇をわななかせるだけで、声すら出ない風情だ。
ルディが、人間離れした肉の端をググッともたげ、由紀の頬に押しつけた。
「いやあッ」
由紀のたまぎるような悲鳴がほとばしった。顔を必死にそむけて、押しつけてくるものから逃げようとする。
ルディは、あふれでる唾液をすすりあげつつ、ゲラゲラと笑った。たくましさを誇示するように、頬から首筋、そして乳房へと這わせていく。
「いやッ……いやあッ……」
由紀は恐怖した。ヌラッ、ヌラッと肌をすべり、グイッと押しつけてくる感触に、いやでもその大きさを感じさせられた。まるで肉の丸太のようだ。乳房に押しつけられると、丸太でグリグリこねられる錯覚すら覚えた。男たちにとってはこのうえないながめである。巨大な黒い肉棒が由紀の白い肌を這うながめは妖しく、生々しかった。白い肌にルディの黒がしみこみ、墨汁のようなあとがつくかと思うほどだ。
「ヒヒヒ、やはり由紀の白い肌には、黒がよく似合うわい」
梅島がうなるように言った。
ルディの先端が、泣き悶え波打つ由紀の下腹をすべって、少しずつ下降してくる。
「た、助けてッ……それだけは、いや、いやッ……」
このままルディの巨大なものがさがっていったら……。そう思うと、激しい恐怖に、悲鳴が口をついてほとばしりでた。とても女の身体が受け入れられるものではないと思った。
ルディはそんな由紀のおびえと悲鳴を楽しみつつ、ゆっくりと巨体をずらした。百八十度に近いまで開いた太腿の奥、あられもなく剥きだされている媚肉の合わせ目を、左右から指でつまんでくつろげると、ルディはもたげた黒い先端を這わせた。
「ひいーッ」
電流を通されたように、由紀は総身をのけぞらせ、両脚をゆさぶった。
「助けてッ……やめて、やめてえッ、しないでッ」
いくら泣き叫び、もがいても無駄だった。巨大な灼熱の先端は、確実に媚肉をなぞってきた。犯そうとはせず、ただこすりつけ、なぞってくるだけなのだが、由紀はもう今にも死にそうだった。
「イカスオマンコダ、ユキ、フフフ」
ルディは笑いながらまさぐっていく。まるで先端に眼でもついているように、由紀の媚肉の構造をさぐっていく。
縦にスーッとなぞったかと思うと、今にも押し入らんばかりにして由紀をおびえさせ、次にはなぞりあげて女芯をとらえる。
「ひッ、ひッ……ああッ、いやッ……」
「ナケ、モットナケッ、フフフ、ホレ、ホレドウダ?」
「ひッ、ひッ……いやあ……ひいッ」
女芯を灼熱の先端でグリグリこすられ、由紀は腰をはねあげ、乳房をゆすって、顔をのけぞらせた。まるでルディにあやつられている肉の人形だ。
乳房にもルディの手はのびてきた。根元から絞るように揉みこみ、乳首をひねりあげる。愛撫にはほど遠い荒々しさだ。
由紀はヒイヒイ喉を絞った。
「た、たまらねえ……」
竜二が突然うなった。さっきまでのニヤついた笑いは消え、眼を血走らせたまま、ハアハアと飢えたけだもののように息を荒くしている。
「ルディ、由紀さんの肛門も責めろッ、アヌス、アヌスだ」
竜二は叫んだ。由紀の菊蕾だけは、決して他人に触れさせようとしなかった竜二が、由紀の白い肌が黒に弄ばれる光景の妖しさに、欲情を抑えきれなくなった。
「アイアイサー、フフフ」
ルディはうれしそうに笑うと、もう一方の手を、媚肉に這わせている巨大な肉塊のわずか下方、おびえにすぼまりきっている由紀の菊蕾にのばした。ビクッと由紀の裸身が硬直を見せた。
「ひッ……そこは、そこはいやあッ」
由紀の上体がググッとのけぞった。
それをかまわず、ルディは指先で揉みこんだ。粘膜が妖しく指先に吸いつくようで、キュッ、キュッとすぼまる。
「オー、アヌスモイカスネ」
ルディは片眼をつぶってみせた。
ヒイヒイと由紀は泣き声を高くした。灼熱の肉棒でグリグリしごかれる女芯、荒々しく揉み絞られる乳房、そして指で揉みこまれる菊蕾と、三カ所の同時責めに、いやでも女体の芯がしびれだした。背筋が震えだし、身悶えの力が抜けていく。
「いや、いやあッ」
こみあげる感覚をふり払うように、由紀はかぶりをふりたくった。それまで恐怖とおぞましさにうちにこもっていた熱がドロドロととろけだすように、しびれが大きくなっていく。黒人に弄ばれているというのに、そんな自分の身体の成りゆきが由紀には信じられない。
「ヌレテキタナ、ユキ」
そう言うなりルディは、菊蕾に這わせていた指を、ググッと沈めた。
由紀は高く喉を鳴らし、内腿をブルッと痙攣させた。にじみでた甘蜜が、媚肉からドクッとあふれでた。ルディの指は驚くほどに太かった。腸管に深く押し入ってくるものが、指とは信じられないほどだ。
「ひッ、ひッ……いやあ……」
「ユルメロ、アヌスヲユルメロッ」
ルディは、もぐりこませた指をゆさぶりながら、さらに深く腸管を縫った。
「ヨシ、コンドハシメツケロ」
「いや、いやッ……かんにんして……」
「イヤナラ、マエニフトイノヲブチコムゾ」
由紀の女芯に押しつけられていた巨大な肉塊が、最奥へ押し入る気配を見せた。
「い、いやあ……」
由紀はあわてて、泣きながら下半身をいきませた。硬直させて、菊蕾に押し入っているルディの指を締めつける。
「ヨクシマルアヌスダ、フフフ、マタユルメテミロ、ユキ」
「あ、ああ……」
犯される恐怖に、由紀は泣きながら命令に従った。指を咥えこまされた菊蕾を、自分から締めたりゆるめたりをくりかえす。くりかえしながら、由紀の泣き声がしだいに昂っていく。もうジクジクとにじみでた甘蜜は、妖しい匂いを放って、指で縫われた菊蕾にまであふれていた。
「フフフ、カワイイアヌスダ、オレノコノミダ」
ルディは玉子型バイブレーターを取りあげた。指にかわって由紀の菊蕾に押しつけた。
ふっくらと水分を含んだ真綿のような柔らかさを見せている由紀の菊蕾は、スルッとたやすく玉子型バイブを呑みこんだ。
「あッ、いやッ……」
「フフフ、コイツガアトデ、ヤクニタツコトニナル」
ルディは、呑みこませただけで、すぐにはバイブレーターのスイッチを入れようとはしなかった。
「ああ、かんにんして……も、もうやめて……お願い……」
由紀は声を途切らせながら、息も絶えだえで、力なく泣いた。まだ灼熱の先端を女芯にこすりつけたまま、ルディの両手が由紀の腰をつかんだ。
「ユキ、オレガホシイカ」
ルディはニヤニヤと笑いながら、由紀の顔をのぞきこんだ。
「フフフ、コノジマンノヲ、イレテホシイカ、ユキ」
「い、いやあッ」
由紀はにわかに狼狽した。おびえが悪寒のように身体中を走り抜け、媚肉にこすりつけられてくるものに、ひッひッと喉をつまらせた。いよいよ黒いものに犯されるのだ。
「いやッ、それだけはッ……ああ、かんにんしてッ……ひッ、ひッ」
逃げようとよじりたてる腰が、強くルディの両手で押さえつけられた。
「ボス、ドクウメジマ」
ルディが梅島を見た。ゴーのサインが出るのを待っているのだ。
「ヒヒヒ、ルディ、そのまま少し待て。すぐに犯させてやるからのう」
梅島はそう言うと、意味ありげにケタケタと笑った。
「他ならぬ由紀さんが、黒人に犯される記念すべき瞬間だからねえ。フフフ、それにふさわしい趣向をこらしてあるんだよ、由紀さん」
竜二もニタッと笑って由紀の顔をのぞきこんだ。
【3】
梅島が手をたたくと、扉が開いて李が入ってきた。麗香を引き連れている。つづいて赤沢がまゆみを追いたてて入ってきた。
「ああ、麗香ッ……ま、まゆみッ……」
由紀が驚愕に声を震わせて、妹の名を呼んだ。妹たちをこんなところへ連れてきて、由紀が黒人に犯されるところを見せようというのか。
……麗香とまゆみは全裸だった。ともにその裸身を後ろ手にきつく縛られている。汗にヌラヌラと光る裸身、泣き濡れた顔、そしてうつろな瞳、あえぐような息づかい……それを見ただけで、妹たちがどんな目にあわされていたか、おおよその見当がつく。
麗香とまゆみは、ルディに気づくと、ひッと声をあげておびえを露わにした。
真っ黒な巨体が、たくましい筋肉を見せ、全裸の白い肌に今にものしかからんとしている。若い女性には強烈すぎる光景だった。
そして、その黒い身体の下で蠢いている白い肌が由紀のものであることに気づくと、麗香とまゆみはさらに驚愕の叫びをあげていた。
「由紀姉さんッ……」
「ああ、お姉さんッ」
泣きながら姉のところへ駆け寄りたくとも、黒人のルディがいてはできるはずもなかった。ここへ連れこまれるまで、男たちの指でさんざん肌をまさぐられ、もう股間をヌルヌルに濡らしている二人なのだ。
「麗香ッ、まゆみッ」
由紀もまた、妹たちの名を叫んでいた。それから、すがるように梅島と竜二を見た。
「や、約束が違うわッ……妹たちを向こうへ、向こうへ連れていってッ」
「フフフ、約束は守ってるよ。ルディの相手をするのは由紀さんだからねえ。妹たちには別の用があるのさ」
「そ、そんな……何をしようというのッ」
由紀は夢中で叫んでいた。
やはり黒人に犯されるところを妹たちに見せつける気なのか、それとも……。絶望の不安が募った。だが、答えはすぐにわかった。
担架が二つ運びこまれてきた。上には男が裸で縛られて乗せられていた。口にはさるぐつわがかまされている。ひとつは麗香の足もとに、もうひとつはまゆみの足もとに置かれた。
「ヒヒヒ、これで舞台の役者はそろったのう。さっそくはじめるか」
梅島の合図で、男たちは麗香とまゆみを抱きあげにかかった。麗香には左右から李と蛭崎が、まゆみには赤沢と亀井が、抱きあげて両脚を割りひろげる。
「いやッ、いや……」
「ああ、かんにんしてください……」
麗香とまゆみがにわかに泣きだした。
「ヘヘヘ、ほれ、しっかりオマンコを見てもらうんだ。濡れぬれのオマンコをな」
「これからいいことをさせてやろうというんじゃねえか。ヘヘヘ、おとなしくオマンコをさらして男を誘わねえかよ」
赤沢や李たちはそんなことを言いながら、麗香とまゆみを担架の上に運ぶ。開ききった太腿の間を、担架の上の男に見せつけるのだ。
「い、いや、いやあッ……」
麗香が金切り声をあげた。男たちに抱きあげられたまま、むなしい抗いを見せてもがく。
「いやじゃねえよ。ヘヘヘ、奥まで見てもらうんだ」
李と蛭崎がせせら笑いながら、麗香の媚肉の合わせ目を剥き開く。すぐ隣りでは、まゆみがもう逆らう気力もないように嗚咽していた。
「ああ……もう、もう許して……いや、いやです……」
「そうだ。そうやって悩ましく泣くんだ」
「フフ、ほれ、もっと気分を出させてやるぞ、まゆみ」
赤沢と亀井が担架の男に見せつけるように、まゆみの媚肉に指を這わせていく。麗香もまゆみも、宙に抱きあげられたまま、なす術もなく泣くばかりだった。
担架の男たちの真上に、麗香とまゆみの女が開ききっていた。それはすでにしっとりと濡れそぼって、妖しい収縮を見せていた。綺麗なピンクの肉襞が、ヒクヒクと蠢いている。
そんな女体を見せつけられ、担架の男がさるぐつわの下でうめきだした。うめきながら股間をムクムクと大きくしていく。
「どうだい、由紀さん。妹たちもいっしょなら、ルディに犯される気になってきただろう」
竜二がニタッと由紀の顔をのぞきこんだ。
由紀はハッとした。妹たちが何をされるのかが、はっきりとわかった。
「そ、そんな……やめて、やめてッ、妹たちには手を出さないでッ、許してやってえッ……」
由紀は今、自分がどんな立場に置かれているかも忘れたように叫んでいた。
だが、いくら叫んでも無駄だった。麗香とまゆみの身体は、担架の上へゆっくりとおろされはじめた。開ききった女の最奥が、はっきりと頭をもたげた男の肉塊に向かっておろされていく。
「だ、だめえッ、妹たちだけは許してやって、お願いッ」
叫びながら由紀は、ドス黒い絶望におおわれた。そしてさらに追いうちをかけるように、気も狂うような絶望がひろがった。それはまったく信じられない妹たちの言葉だった。
「ああ、いやあ……お義兄さま、いけない……いやあッ」
まゆみはそう叫んだ。麗香のほうも悲鳴をあげた。
「いやッ、いやよッ……、直、直也さんッ」
つづいてまゆみが、麗香のほうを向いて、
「だめえッ、直也さんッ……麗香となんていや、いやあッ」
由紀は一瞬、息を呑んだ。
ま、まさか……。
由紀はあわてて顔をあげると、担架の上の男を見た。次の瞬間、由紀の美貌からスーッと血の気が去った。瞳が驚愕と恐怖に凍りついた。
「ひいッ……あなた、あなたあッ」
由紀は絶叫した。
今まさに妹のまゆみとつながらされようとしている担架の男、それはまぎれもなく、由紀の愛する夫、友彦であった。そして麗香のほうは、まゆみの婚約者の直也とつながらされようとしていた。決して、あってはならない禁断の行為。
「ひ、ひどすぎるわ……」
由紀は絶句した。あまりのことに、唇がワナワナ震え、言葉がつづかない。
「ヒヒヒ、由紀。亭主と妹がつながるのを見ながら、黒人に犯されるんじゃ」
「い、いやあ……あなた、あなたあッ、そんな浅ましいこと、いけないわッ」
由紀はもう夢中で叫んでいた。
「あなたッ、だめ、だめよッ!」
「なんじゃと、ヒヒヒ。黒人とつながる自分はどうなる。亭主は妹で、女房は黒人か、とんだ夫婦じゃ」
梅島はへらへらとせせら笑った。
麗香とまゆみの裸身が、まゆみの婚約者の直也と由紀の夫の友彦の上にしだいにおろされていく。もう開ききった媚肉に、どうしようもなく昂った肉塊の先端が、触れんばかりだ。
「ヒヒヒ、由紀、いよいよつながるぞ。亭主とからみ合うまゆみが、どんな声で泣くか楽しみじゃろうが」
と梅島が由紀をからかえば、
「ほれ、まゆみ、婚約者の直也が麗香とつながるところだぞ。どんな気持ちだ、ヘヘヘ」
赤沢がまゆみをからかっていた。
その横では李が負けじと、麗香に語りかけている。
「しっかりと咥えこむんだぜ、ヘヘヘ。姉さんなんかは、この三倍もある黒人のをぶちこまれるんだからな。それに較べりゃ、麗香は楽なもんだぜ」
「いやッ、助けてッ……いやいやッ」
麗香が切迫した泣き声をあげた。
「だめッ、直也さんッ、いや、いやよ……ああッ、あ、お義兄さま、いけないッ」
まゆみも悲鳴を絞った。
そして由紀も「あなたやめてッ」と泣き叫んでいたが、「ひいいッ」という悲痛な叫びに変わった。
ルディがいよいよジワジワと押しつけてきたのである。
「ひいッ、ひッ、ひいいッ……」
由紀が背筋を弓なりにのけぞらせ、総身を硬直させた。真っ黒な杭が打ちこまれるように、ピンクの肉層に分け入ってくる。
由紀はその大きさに恐怖した。処女を失う時のような気がしてくる。
「ひいッ……裂けちゃうッ、うッ、ううむッ」
悲鳴はすぐに、無残なまでのうめき声に変わった。
肉襞がいっぱいに押しひろげられていく。それでもなお、黒い杭は強引にえぐりこんでくる。肉襞がミシミシときしんだ。
「ヒヒヒ、どうじゃ、姉妹三人そろって串刺しにされる気分は」
「由紀さん、早く呑みこまないと、それだけ妹が泣くことになるぞ。由紀さんに合わせてゆっくりつながらせてるからねえ、フフフ」
梅島と竜二がからかっても、麗香とまゆみはヒイヒイ泣くばかりだった。由紀に合わせているため、二人ともまだわずかに先端を含まされたばかりだ。
由紀は歯をキリキリとかみしばり、総身をしとどの汗にして、顔をふりたてた。
「ううッ、うむ……うむむ……無理よッ、入らない……ううん、死んじゃうッ」
「ナケ、ユキッ……モットナイテアバレロ」
ルディは叫びながら、ずりあがろうとする由紀を押さえて、強引にグイグイねじこんでいく。
由紀ははらわたをえぐられるような悲痛なうめき声をあげ、真っ赤になった顔をのけぞらせた。今にも悶絶しそうな凄惨な表情をさらしている。
「う、ううむッ……うむ……ひッ、ひいッ」
媚肉がきしみ、ひろがりきった肉層に黒い先端がもぐりこんだ。
まゆみと麗香はもう、友彦と直也の腰をまたいで、深々と腰を落とされていた。女の最奥には、しっかりと男の肉を咥えこまされている。今では悲鳴も途切れ、口から出るのは哀しげなすすり泣きばかり。そんななかで、由紀だけが苦悶のうめき声をあげつづけた。
「うむ……う、ううむ……」
由紀は白眼を剥き、歯をかみしばった顔をのけぞらせたまま、下半身を苦痛にブルブルと痙攣させていた。黒い肉がピンクの肉襞を押しひしいで、ピッチリとくいこんでいる。それがさらにジワジワとえぐりこまれていくのだ。
「ドウダ、オレノハ?」
ルディがのぞきこんでも、由紀はあぶら汗に光る顔をゆがめて、苦悶に腹部をあえがせるばかりだった。
ルディはニタニタとうれしそうに笑っていた。美しい人妻を犯しながら、その苦悶するさまをながめるのがたまらない。
長大な黒い肉塊を、半分ほども押し入れたところで、由紀がひいいッとひときわ高い悲鳴をあげて、裸身をのけぞらせた。先端が由紀の子宮を突きあげたのだ。
「ひッ、ひッ……ひいッ」
由紀はもう息もできない状態に陥って、苦痛に総身を痙攣させた。
それでもルディはジワジワと押し入ってくる。押し入った先端に子宮が押しあげられ、メリメリと突き破られそうだった。由紀はスーッと気が遠くなっていくのを感じた。
「メヲサマセッ……モットナクンダ、ナキワメケッ」
気を失われてはおもしろくないとばかり、ルディは黒い手で由紀の頬を張った。
「ああ……」
「ソウダ。ナキガオヲミセルンダ、フフフ」
ルディはニタリと笑った。
長大なルディの肉塊は、とても由紀の身体にはおさまりきれない。子宮を押しあげるまでにいっぱいに押し入れても、ようやく半分ちょっと埋まった程度である。
「ヒヒヒ、とうとう由紀も串刺しにされおったわい」
「これで姉妹三人そろって串刺しだな、フフフ。それにしてもルディのはすごいな」
「黒い肉が由紀の白い肌を犯しておる……実にそそられるながめじゃのう、ヒヒヒ」
梅島と竜二はニヤニヤとながめた。
麗香やまゆみの場合、首をのばしてのぞきこまないと結合部が確かめられないが、由紀は遠くからでもひと目でわかった。ルディの肉塊が長大なため、半分ちょっとしかおさまりきれず、黒いものが由紀の媚肉にめりこんでいるのがはっきりと見える。まるで黒い杭が打ちこまれているようだ。
「どうだい、由紀さん。友彦の奴と妹がつながっているのを見ながら、黒人のとびきりデカいのをぶちこまれた気分は」
竜二が嗜虐の興奮に血走った眼でのぞきこむ。
だが由紀は返事をする余裕もなく、半分気を失ったように頭を右に左にと、ぐらつかせていた。腹の底が張り裂けそうだった。そしてまた、押し入られた深さに、由紀は何度も白眼を剥いた。子宮が押し破られそうなのだ。
「……こ、こわい……ああ、そんな……ふ、深すぎるわ、こわい……」
時折り、発作のようにあえいだかと思うと、由紀は苦悶にうめいた。それでも苦悶の底から、チラチラと官能のうずきが顔をのぞかせる。熟しきった由紀の性は、押し入られたもののたくましさに、いやでも反応を見せようとする。いっぱいに押しひしがれているにもかかわらず、肉襞がからみついて蠢き、ジクジクと甘蜜をにじませる。哀しい女の性だった。苦悶と快美が背中合わせに入り混じる風情だ。
「フフフ、イカスオマンコダ、ユキ。シメツケテクルノガ、トテモイイゾ」
ルディはうれしそうに笑った。
麗香とまゆみは、直也と友彦の上にべったりとまたがらさせて、もう李や赤沢にあやつられて身体をゆさぶられていた。
「あ、ああ……お義兄さまッ……あうッ」
まゆみがうわずった声をあげながら、ハアッハアッと白い腹をふいごのようにあえがせていた。すでに赤沢たちのいたぶりに、しとどに甘蜜をたぎらせている女の最奥は、含まされたものが義兄であることも忘れたように、めくるめく官能に翻弄されていく。
先日、梅島に処女を奪われ、女にされたばかりの麗香のほうは、
「い、いや……ああ、いや、いやです……」
さすがに官能の渦にのめりこむまでにはいかない。それでも身体をゆさぶられるごとに、顔を真っ赤にしていく。
「ヘヘヘ、麗香、姉の婚約者を寝盗った気分はどうだ」
李が意地悪く麗香の顔をまゆみのほうへ向けた。
麗香は激しく顔をのけぞらせた。男に押し入られた衝撃にうちのめされていた麗香である。それがまゆみの顔を見せられたことで、自分の相手が姉の婚約者の直也であるという現実が、一気にもどってきた。
「ああ、ま、まゆみ姉さんッ……ごめんなさい、ごめんなさい……」
麗香は泣きじゃくった。
まゆみはそれまでの官能をけし飛ばすかのように、かぶりをふりたくると、
「ああ、麗香、いや、いやあ……直也さんとなんて……ああ、ひどいわッ……」
麗香に罪のないのはわかっていても、そう叫ばずにはいられなかった。麗香がいっそう泣き声を高くした。
「いや、いや、直也さん……私以外の女の人となんて……ああ、いやよ」
まゆみも泣きじゃくった。泣きじゃくりながらも、身体をゆさぶられて、めくるめく官能の波に押し流されていく自分を、どうしようもない。
「ヘヘヘ、えらそうに言ったところで、自分だって由紀の亭主を寝盗ってやがるくせによ、まゆみ」
今度は赤沢が、まゆみの顔を由紀のほうへ向けた。それに合わせて、ルディも由紀の黒髪をつかみ、顔をまゆみのほうへ向ける。
由紀とまゆみの視線が合った。
「ああ、許してえ……由紀姉さん、許して、まゆみを……」
先に叫んだのはまゆみのほうだった。
「ま、まゆみ……」
由紀はあえぐように妹の名を口にしただけだった。だが、まゆみが、愛する夫の上にまたがり、ゆさゆさと腰をあやつられ、性の営みをしている光景を見せられているうちに、由紀は言い知れぬ哀しさとやりきれなさを感じた。
「ああ、あなた、あなたあッ……だめ、まゆみとなんてだめッ、ひどいわあ……」
由紀は血を吐くような声で叫んでいた。
「あなた、あなたあッ」
「ヘヘヘ、ユキ、ハズガ、イモウトト、ファックスルノヲミナガラオタノシミダ」
ルディがいきなり、ゆっくりと動きはじめた。長大なため、いっぱいに押し入っても半分ちょっとしか隠れない肉塊を、さらにえぐりこむように突きあげていく。
「ひいッ……いや、いやあッ……」
「ソウダ、ナケ、モットナケッ」
「やめて、やめてッ、いやあ……ああ、そんな、深すぎるう……ひッ、ひッ……」
「マダマダ、モットフカクイレテヤル」
ルディはゲラゲラ笑いながら、由紀の苦悶の表情をながめ、容赦なく腰をたたきこんだ。
由紀は、まゆみと夫のことを気にする余裕はなかった。グイグイとえぐりあげられ、子宮のなかにまで押し入られるようだ。胃が押しあげられて、ルディの先端が口から飛びだしてくる錯覚にすら襲われる。
「……く、苦しい……ひッ、ひッ、きついわッ……ひッ、深すぎるうッ」
「フカクテキツイノガ、イイダロウ、ユキ。ウントキブンヲダセ」
ルディはグイグイと責めたてた。
たちまち由紀は、息もできない状態へと追いこまれて、ヒイヒイと喉を絞った。苦痛と官能のうずきとが入り混じり、頭のなかが混乱していく。
「ひッ、ひッ、かんにんしてッ」
由紀はひたすら、泣きじゃくった。えぐりあげられる子宮が火のように灼け、その熱がドロドロと内臓をとろかしていく。張り裂けんばかりの苦痛のなかで、その底からジワジワと湧きあがる官能にいざなわれ、由紀の総身が匂うようなピンクにくるまれはじめた。
「キブンガデテキタナ、ユキ」
ルディが舌舐めずりをした。妖しく肉襞がからみつき、すべりがよくなっていくのをルディは感じていた。
「フフフ、由紀さん。まゆみと友彦の奴がからみ合っているというのに、気分を出すとは……やっぱり好きな女だぜ」
ニヤニヤと竜二がからかえば、
「ヒヒヒ、ルディのデカいのがたまらんのじゃろうて。太くて長いのでえぐられ、もう亭主どころじゃないというわけらしい」
梅島もくい入るようにのぞきこみながら、からかった。
だが、そのからかいも耳に入らないのか、由紀は泣き悶えていた。どうしようもなく腰が蠢きだす。
「ああ、あうッ……そ、そんなに深く入れないで……ああ、ひッ……」
えぐられる箇所が火と化し、身体中がバラバラになりそうだった。気が遠くなりそうになる。
由紀はもう、我れを忘れてルディの動きに反応させられていた。黒い肉塊が由紀の媚肉に深く沈み、浅く引きだされるたびに、ピッチリと咥えこまされたあわいからジクジクと甘蜜をしたたらせた。
た、たまらないッ……。
そう思うと、もう抑えがきかなくなった。
もう由紀はわけもわからず、くやしさも哀しさも忘れ、黒人に犯されているというおぞましささえ忘れたように、狂おしい官能の快美にのたうっていた。張り裂けるような苦痛さえ、快美に変わるようだった。その肉欲の快美に翻弄され、いざなわれて、由紀の肉は官能の絶頂へと息を切らしはじめていた。
「ヒヒヒ、そろそろいくようじゃのう」
「どんな顔して気をやるのか、フフフ、こいつは楽しみだ」
梅島と竜二は、汗にじっとりと濡れた由紀の顔を妹たちのほうへ向けた。赤沢と李も、まゆみと麗香の顔を由紀のほうへ向ける。
「麗香、見ろよ。由紀が気分を出してるぜ、ヘヘヘ。気をやりたくってしようがない、といった顔をしているじゃねえか」
「黒人に犯されてるってえのによう。ヘヘヘ、あれがおめえらの姉の正体だぜ。どうだい、あの悶えようは」
意地悪く麗香とまゆみに語りかける。
だが、麗香とまゆみもまた、無理やりとはいえ、めくるめく恍惚のなかに漂わされているのだ。
「いや、見せないで……かんにんして……」
まゆみと麗香はすすり泣く声をあげた。ハッと腰の動きをとめようとするが、男たちにゆさぶられて、また腰を蠢かす。由紀ほどの生々しさと激しさこそないようだが、もう肉の快美をこらえきれないようだった。
「ヘヘヘ、麗香、由紀といっしょになって腰をふってよがれば、もっとよくなるぜ」
「まゆみも気をやる時には由紀に合わせるんだぜ。姉妹三人そろえば、気持ちよさも三倍になるかもしれねえからよう」
「ほれ、由紀のほうは今にもいきそうだぜ。見てみろよッ」
李や、赤沢たちがからかっている間にも、由紀の身悶えが一段と激しくなった。ひッ、ひッとほとんど苦悶に近い声をあげるのだが、それはまぎれもなくよがりの声だ。
「ヒヒヒ、永峰由紀、妹が亭主とからみ合っている前でニグロに犯されているというのに気をやるつもりか」
「ほれほれ、妹たちや友彦の奴が、由紀さんを見ているんだぞ」
そんなからかいにとりあっている余裕は、もう由紀にはなかった。津波のように官能のうねりが押し寄せ、それに呑みこまれて、一気に押し流されていく。
「ひッ、も、もう……ひッ、ひッ」
白眼を剥きっぱなしにして、顔をのけぞらせたまま、由紀は腹の底から絞りだすような声をあげ、ブルブルと震えだした。
「おお、由紀がいくぞ」
竜二が首をのばしてのぞきこんだ。
黒い肉棒がヌラヌラと光り、由紀の肉層をめくりだし、まためくりこむといった具合いで激しく律動している。
「…………」
瞬間、由紀は白い歯をキリキリとかみしばり、声もなく一種凄絶な表情をさらして、総身を突っぱらせた。女体の芯のなかに火が走り、引き裂かれるような感覚のなかで、気も狂うような快美がたてつづけに襲った。由紀は総身をキリキリ収縮させ、肉という肉に痙攣を走らせた。
その瞬間を狙って、ルディはドッと一気に精を放った。
「オウ、オウッ」
おびただしい量の精が、信じられない勢いで由紀の女の最奥にほとばしった。
声にならない声を絞りだして、由紀は最大の痙攣にみまわれ、そのままガックリと崩れた。
それでもルディは、由紀を責めるのをやめようとしなかった。由紀の媚肉に押し入ってつながったまま、由紀の足首の縄を解くと、黒いストッキングにくるまれた両脚を、肩にかつぎあげた。そして、黒い肉塊をさらにえぐりこませて、結合を深くすると、今まで以上に荒々しく突きあげはじめた。一回一回肉のクサビを打ちこむように、ドスンと腰をふりおろす。
「ああ……許して……もう、かんにんして……う、ううッ」
「フフフ,マダマダ、コレカラダ」
「そ、そんな……やめて、身体がこわれちゃう……休ませて……」
荒々しく突きあげられて、由紀はひいッと泣き声をあげた。腰の骨がギシギシときしむ。すでにたっぷりと精を放ったにもかかわらず、まだ腰をゆすってくるルディが、由紀には信じられない思いだった。
「ヒヒヒ、黒人のすごさというやつが、わかってきたかね、永峰由紀」
「ただデカいだけでなく、精力絶倫というやつでねえ。二回や三回で終わるような我れわれとはレベルが違う、フフフ」
「その通りじゃ。ルディにはアメリカ女を犯させて、ぶっつづけに八回やった記録があるんじゃ」
梅島と竜二はケタケタと笑った。
ルディも自慢げに笑っている。それでなくとも由紀を犯すために、ここ一週間は女を絶ち、たっぷりと精をつけてきたルディなのだ。
麗香とまゆみは、まだ直也と友彦の上にまたがって、悩ましげに悶えていた。由紀が絶頂に昇りつめるのに合わせろと言われても、まだ若い二人にはたやすいことではない。
「あ、あ、うう……許して……」
「あうッ……」
と切なげに泣き声をもらしていた。由紀が犯されている激しさとは対照的に、こちらはじらすようなのろさで責められている。
「ヘヘヘ、まゆみ、今度由紀が気をやる時には合わせるんだぜ」
「麗香もいいな。でねえと、いつまでも気をやれねえぜ、フフフ」
李や赤沢たちが盛んに語りかけている。
だが、そんな妹たちや夫のことを気にする余裕など、今の由紀にはなかった。
「か、かんにんして……休ませてッ、あ、ああッ、ひッ、ひッ……」
絶頂の余韻にひたる間もなく、たてつづけに責められる由紀だ。ルディはゲラゲラと白い歯を剥きだしにして笑った。黒い顔に歯の白さが不気味だ。
由紀の両脚を肩にかつぎあげたまま、由紀を犯すのをじっくりと楽しんでいる。
「ヘヘヘ、ユキ、モットキブンダセ」
「やめて……いや、いやあ……し、死んじゃう……」
「イヤデモ、モットキブンダサセテヤル」
ルディは責め具を求めた。選んだのはロウソクだった。そのロウソクに火をつける。
「ひッ、何するのッ」
恐怖の叫びをあげた時は、すでにロウソクは由紀の乳房の上へかざされていた。ポタポタと熱いロウが、由紀の豊満な乳房に垂れ落ちた。
「ひいッ……熱ッ、熱いッ」
悲鳴をあげて、由紀はのけぞった。身をよじって避けようとしても、ロウソクが追ってくる。わずか二十センチほどの高さからロウが垂らされる。
「熱いッ……ひッ、やめて、そんなひどいことはやめてえ……」
由紀は泣き叫んだ。だがいくら泣き叫んでもルディはやめなかった。それどころか、ロウが垂れる瞬間を狙って、長大な肉塊で力まかせに突きあげてくる。
「フフフ、ナケ、モットナケ、モットナキサケベ」
ルデイはゲラゲラ笑った。垂れたロウの熱さに由紀の身が悶え、キュッと収縮するのがペニスを締めつけ、たまらない快感だとルディは言う。
「熱い、熱いッ……ひッ、かんにんしてッ」
「ドウダ、ユキ」
ルディは乳房だけでなく、ふいごのようにあえぐ白い腹にも容赦なくロウを垂らした。腰は休みなく動き、由紀の女の最奥をえぐりつづけている。
「い、いやあ……熱いッ、熱いからいやあ、いやあ……」
由紀は泣きじゃくりながらも、突きあげてくる長大なものに肉が巻きこまれていくのを感じていた。
垂らされるロウの熱さに裸身を硬直させると、女の最奥が収縮を見せ、いやでもルディの巨大さとその動きを感じさせられた。それが、一度昇りつめている女の官能を激しく燃えたたせるのだ。
それに合わせて、麗香とまゆみをゆさぶる李や赤沢らも責めをしだいに激しくしていた。
「ああ、あうッ……ああん、麗香の身体、どうなってるのッ……」
「ああ、あうッ……お義兄さまッ、た、たまらないッ、まゆみ」
どうやら麗香とまゆみも、めくるめく官能の絶頂へ向けて走りはじめたらしい。
「フフフ、由紀さん、どうやら今度は妹たちもそろって気をやりそうだぜ」
竜二が語りかけても、もう由紀は返事のできる状態ではなかった。半狂乱に陥って激しくあえぎ、顔をのけぞらせたまま、総身をビクン、ビクンと躍らせている。
「ああッ、あッ、もう……ま、またあッ」
由紀がほとんど苦悶に近い表情をさらし、屈服の声を絞りだした。それにかぶさるようにまゆみが、
「ああ、お義兄さまッ……い、いく……いくうッ」
つづいて麗香が鋭い悲鳴を発して、直也の上に裸身をそりかえらせた。
【4】
梅島や竜二の言う通りだった。ルディは二回果てたというのに、まったく衰える気配を見せなかった。グッタリと死んだような由紀にまだ深く押し入ったまま、ニタニタ笑っている。由紀の媚肉から三分の一もはみでて打ちこまれた長大な肉塊も、少しの衰えも見せない。
「どうじゃ、わしが助手にしていただけのことはあろうが。ルディはまったく大した男じゃよ。牝を犯させたら、ルディほどの男はおらんぞ」
梅島が自慢げに言った。
ルディは照れるふうもなく、汗びっしょりの由紀の肌をニヤニヤとまさぐっている。黒い手で乳房をわしづかみにし、ヌラヌラと揉みこんだ。ロウのこびりついたあとが痛々しい。
今度は、麗香とまゆみも気をやったこともあって李や赤沢たちもニヤニヤと由紀をのぞきに来た。麗香もまゆみも、由紀に劣らぬ美女であり、それを弄ぶことはこたえられなかったが、やはり黒人に犯される由紀は圧巻であった。
「これはすげえ……よくあんなデカいのが入ってるもんだぜ」
「まったくだ。あのデカさに較べりゃ、由紀の亭主なんぞ子供のモノみたいだ、ヘヘヘ」
「それにあの濡れよう……たまんねえな」
男たちは口々に驚きを隠さなかった。
黒い肉棒がピンクの肉層をいっぱいに押しひろげ、そのはざまから、ルディの放ったおびただしい精をあふれさせている。そして、いっぱいに押しひろげられたまま、それでもヒクヒクと痙攣を見せる肉襞が生々しく、無残だった。
「マダダ、オタノシミハ、コレカラダ」
ルディはそう言うと、竜二に手伝わせて由紀の両手の縄を解き、由紀の裸身をうつ伏せにひっくりかえした。深々と押し入っている結合部を軸にして、そのまま由紀の裸身を回転させる。黒地のガーターとストッキングの間、ムチムチと剥きだした白い臀丘が上を向いた。
「フフフ、メヲサマセ、ユキ」
ルディはうつ伏せの由紀の腰に手をやって、グイッと引き寄せた。由紀を四つん這いにして後ろから犯すかっこうだ。
ムチッと官能美あふれる白い臀丘の谷間に、黒い凶器が埋まった光景は、さっきまでよりずっと妖しく、淫らだった。
のぞきこむ男たちの眼が、ギラギラと光った。
「ユキ、コンドモキヲイレテ、ヒップヲフルンダ」
ルディは再び突きあげはじめた。今度はゆっくりとした動きだ。ルディの黒い手が由紀の腰をかかえこみ、膝立ちの姿勢でリズミカルに腰を使っていく。
「ううッ……」
由紀が低くうめいた。すぐには自分が何をされているのが、気づかない。
「ヘヘヘ、こいつはすげえや」
こんな生々しい光景を妹たちに見せない手はないと、李と赤沢は麗香とまゆみの裸身を引き寄せた。
「ああ……もう、許して……」
「いや、いや……」
麗香とまゆみは、犯された直後の女たちが一様に見せる、消え入るようなすすり泣きをもらしていた。
「いやじゃねえよ。おめえらの姉の由紀がどんなふうに黒人に犯されているか、じっくりと見せてやろうというんじゃねえか」
抱きすくめられて由紀の前まで連れてこられると、麗香とまゆみは、ルディの黒くたくましい裸身におびえ、ひッと悲鳴をあげた。
だが、その黒い肉体が姉の由紀の白い肌にのしかかり、濡れそぼった長大な肉塊で姉をえぐりこんでいるとわかると、
「ゆ、由紀姉さんッ……」
「ああ、ひどい……由紀姉さん……」
恐ろしさに身震いして泣きだした。
ルディは見物人が増えたことで、いっそう気分をよくし、笑いながら由紀を責めたてた。
そのルディが、突然何かを思いついたように動きをとめた。上体を由紀の背中から起こして白い臀丘が見えるようにすると、左右へ割り開いた。由紀の菊蕾がコードを咥えたまま、ヒクヒクとあえいでいる。王子型バイブレーターを呑まされているのだ。そのわずか下方には、黒い肉が媚肉に分け入っている。
ルディは、黒い指を由紀の菊蕾にあてがった。ゆるゆると揉みこむ。
「ボス、エネマシテモオーケイカ」
ルディは梅島に聞いた。由紀を犯しながら、同時に浣腸してみたいと言う。
「ヒヒヒ、浣腸か、どうじゃ、竜二」
「黒人が由紀さんに浣腸するってえのも、たまらん刺激だぜ」
竜二はうわずった声で言った。
さっそく浣腸の仕度にかかった。ルディの好みは、イルリガートル浣腸である。四千CCものグリセリン液の満たされたガラス容器が天井から吊られ、ガラス容器の底からのびたゴム管の先端のノズルがルディに手渡された。
「ヒヒヒ、どうせやるなら、姉妹三人そろって浣腸じゃ」
梅島の言葉に悲鳴をあげたのは、麗香とまゆみだった。
「い、いやッ……」
「そんなこと、許してッ」
身を揉んで泣く麗香とまゆみを、李と赤沢は床の上に並ばせて、四つん這いの姿勢にした。その頭上に、由紀と同じようにイルリガートル浣腸器のガラス容器が二つ吊られた。ただ、大きさが違った。まゆみのは容量千CCで、麗香は五百CCである。
麗香が李に、まゆみが赤沢にと、それぞれ後ろから腰を抱きかかえられた。両膝を開かされ、何をされたのかと思う間もなく、まだヒクヒクとただれている媚肉に灼熱が分け入ってきた。
「ひッ……いやあ……」
「いやじゃねえ。今度は俺のをぶちこんでやろうというんじゃねえか。ヘヘヘ、あの黒人ほどじゃねえが、さっきの直也よりは大きいぜ」
李が麗香をしっかりと貫けば、赤沢もまゆみとつながる。
「ヘヘヘ、不公平にならねえよう、姉の由紀と同じように浣腸してやるぜ」
「由紀のように浣腸されてねえから、そのぶんだけ量は少なくしてやる。ほれ、尻の穴を出すんだ」
李と赤沢はケタケタ笑った。
ルディはもう、由紀の菊蕾にノズルを埋めこみにかかっていた。由紀の女の最奥を貫いたまま、玉子型バイブを呑まされた由紀の蕾に器用にノズルを差しこんだ。
「うッ、ううッ……」
意識もうつろな由紀は低くうめいて顔をふったが、菊蕾に硬質な異物が押し入ってくる感覚に、
「あ、あああ……あう……」
と、なまめいた声をもらした。ルディに押し入られていることが、菊蕾の感覚をも妖しくする。見開いたうつろな瞳に、麗香とまゆみの姿が見えた。
由紀はハッと顔をあげた。うつろながらも、妹たちが何をされようとしているのかがわかった。不気味に光るガラス容器が何を意味しているか、由紀にはわかっている。そして菊蕾に何か突き刺されている感覚……。由紀はあわてて後ろをふりかえった。
「フフフ、ドウシタ、ユキ」
ルディのニタニタと笑う顔……そして自分の臀丘のはざまからのびたゴム管……由紀はなよなよとかぶりをふった。
「ああ、いや……か、浣腸はいや……」
「フフフ、イモウトタチモイッショダ。エネマサレナガラ、キヲヤッテ、オテホンヲミセルンダ」
「いや……いや、いやよ……」
由紀の声は激しい拒絶の響きではなかった。すでにたてつづけに二回も気をやらされ、骨抜きにされ、子供がダダをこねる観があった。長大なルディの肉塊を埋めこまれているだけで、正常な思考さえ麻痺するらしい。これまでの由紀なら、浣腸されると知っただけで泣き叫んでいる。それでも本能的に、
「か、かんにんして……浣腸なんていや、いや……」
と弱々しい泣き声をあげた。だがそれも、ルディがノズルの栓を開くまでであった。
「フフフ、モウカラダハ、ジュウブンホグレテイルハズダ。イイコエデナクンダゾ」
ルディはピシッと由紀の双臀をはたくと、イルリガートル浣腸器のノズルの栓を開いた。
ドクッ、ドクッと重いグリセリン液がガラス容器に泡立って、由紀の腸管へ流れこみはじめると、由紀はビクッと裸身を震わせた。両手で診察台のレザーをかきむしるようにずりあがろうとして、ヒイヒイ泣きだした。
「ソウダ、ソウヤッテナクンダ」
ルディは笑いながら、腰を動かして抽送をはじめた。
たちまち由紀は、半狂乱の状態に陥った。身体を二つに引き裂かんばかりにえぐりこんでくる長大な肉塊と、ドクッドクッと流れこんでくるグリセリン液と。全身の毛穴という毛穴から血が噴きだし、女体がバラバラになりそうだ。
「いやあッ……ひッ、ひッ……」
由紀は泣き、うめき、そして叫んだ。とてもじっとしてはいられなかった。麗香とまゆみも同時に泣き叫びはじめた。李と赤沢に四つん這いで犯されながらの浣腸がはじまったのだ。
「ああ、いや、変よ、変だわ……ああ、いやあ……」
「あ、あ……しないでえッ……」
麗香とまゆみ、そして由紀の三姉妹の泣き声が入り混じる。なかでも由紀の泣き声がとびぬけて、悲愴感と、くるめきたつ官能の響きを色濃く漂わせていた。
「ヒヒヒ、浣腸も姉妹三人そろえてやると壮観じゃのう」
梅島はうっとりと見とれた。
由紀、まゆみ、麗香。美人三姉妹とほまれ高い三人である。それがそれぞれに悲哀や妖しさを漂わせて泣くさまは、この世のものとは思えない法悦の世界だった。
赤沢がまゆみの腰を後ろから抱きこんで突きあげながら盛んに語りかけている。
「ヘヘヘ、まゆみ、婚約者の直也はもう妹の麗香に寝盗られたんだぜ。直也のことなんぞ忘れて、これからは実験用牝として精を出すんだ」
「い、いやッ……ああ、直也さん」
「何が直也さんだ。ヘヘヘ……まゆみがどう泣こうと、直也は麗香とつがいにされて、実験に使われることになったんだ」
赤沢は意地悪く言った。それからひと呼吸おいて、まゆみの反応をうかがうように、
「どうしても直也を取りもどしてえのなら、もっと気分を出して、俺をいかせてみるんだな。千CCすっかり入っちまうまでに、俺をいかせられたら、考えてやらねえこともないぜ」
赤沢は低くせせら笑った。
麗香を犯している李も黙ってはいない。
「どうだ、麗香、初めての浣腸は」
そう言いながら、リズミカルに腰をゆすっている。
「あ、あ、いやいや……ああ」
「いやじゃねえよ。自分からも腰を使って、俺に合わせるんだ。そうすりゃ、浣腸のほうもズンと気持ちよくなるぜ、ヘヘヘ」
「いや、こんなこといや……ああ、麗香、変になっちゃう……」
「ヘヘヘ、遠慮なく変になりゃいいんだ」
李は笑いながら責めつづけた。
麗香にとって初めての浣腸が、李に犯されながらのイルリガートル浣腸とは、少しばかりショックが大きすぎたようだ。麗香はもう、かぶりをふりながら、嗚咽するばかり。
そして由紀は、半狂乱で泣きじゃくっていた。まゆみや麗香のような狼狽と戦慄、汚辱感といったレベルをはるかに超えて、気も狂うような凄絶な感覚にのたうちまわっている。汗まみれの喉を絞って悲鳴をあげるのだが、それさえかすれる。竜二がニタニタとながめている。
「フフフ、ルディ、もっと責めろ。浣腸されながら何回気をやらされるか、チャレンジしてみろよ」
嗜虐の快美がメラメラと燃えあがるのか、竜二はルディをあおった。
「ソンナコトヲシテモイイノカ?……ヘヘヘ、オレノハスゴイカラ、オンナガクルウカモシレナイゾ」
「大丈夫だ。それだけいい身体をしてるんだ。それに日本の女は我慢強い」
竜二は盛んにあおった。
「今ちょうど二百CCか……あと三千八百CC入れる間に、五回以上由紀さんに気をやらせたら、あとでアナルも犯らせてやるぜ」
「オー、ユキノアナル。オーケイ、オーケイダ、リュージ」
ルディは嬉々としてうなずいた。由紀の菊蕾でアナルセックスをやらせるという言葉がルディをふるいたたせた。
「ヘイ、モットキブンヲイレロ、ユキッ」
ルディは一段と激しく由紀を責めたてはじめた。白いムキ玉子のような由紀の双臀に、ドスン、ドスンと黒いクサビを打ちこむようだ。
「ひいッ、ひッ……こわれちゃうッ、由紀の身体がこわれちゃうわッ」
たちまち由紀は泣きわめいた。長大な肉を荒々しく突きあげられるたびに、子宮が押しあげられ、胃を突き破って口から飛びでてくるかと思うほどだった。
由紀は四つん這いの両手で診察台のレザーをかきむしり、それでもこらえきれずに、こぶしでたたきつづけた。
「ひいッ、ひッ……し、死んじゃうッ」
ドクドクと流れこんでくるグリセリン液の感覚が、耐えがたい肉の感覚をいっそうふくれあがらせた。
「ドウダ、ユキ、キモチイイカ」
「ひッ、ひッ……いッ、いい……あああ、いいわッ……」
由紀は我れを忘れて泣きわめいた。それが強要された言葉なのか、そんなことはもう、どうでもよかった。泣きわめかずにはいられなかった。
「いいッ、いッ……ひいッ……いいわあッ」
「フフフ、イキタイカ、ユキ」
「……あうッ、あああ……い、いきたいッ……あひッ、ひッ、ルディ、いかせてッ」
「ヨシヨシ、ソレッ……」
ルディは大きく腰をゆすりあげた。
「ひッ……いく、いくうッ……ひッ、ひいッ」
ググッと顔をのけぞらせた由紀は激しく裸身を突っぱらせると、ブルブルと痙攣を走らせた。
「フフフ、一回目だな。それにしても、大した気のやらせようだな、ルディ」
竜二が眼をギラつかせながら言うと、ルディはニヤッと笑って片眼をつぶった。
ルディは責めつづける。またブルブルと痙攣を走らせる由紀の肉体に、黒い肉塊を打ちこんでいく。
「ひッ、ひいッ……死んじゃうッ」
息をつく間も与えられず、由紀は再び官能の絶頂へと追いつめられていく。いや、絶頂が連続すると言ったほうが、正しいかもしれない。
「ああ、またッ……い、いくうッ……」
ヒュッと喉を絞って、再び由紀の背筋が弓なりにのけぞった。
「フフフ……マタイッタナ」
ルディは白い歯を剥いて笑った。
「……死ぬ、死んじゃう……ひッ、ひッ」
息も絶えだえに悲鳴を噴きあげ、由紀は本能的に逃げようとずりあがろうとする。ルディはそれを引きもどしながら、腰の律動をつづけた。イルリガートル浣腸器のガラス容器も、二百から四百……八百CCと目盛りを刻んでいく。
「ドウダ、ユキ」
ルディが聞いても、由紀は顔をのけぞらせっぱなしにして、裸身に痙攣を走らせつづけた。汗でびっしょりの美貌は、白眼を剥いたまま、開いた唇から唾液をダラダラとあふれさせ、凄惨だった。
それでもルディはやめない。
「マダマダ、モットキヲヤルンダ、ユキ」
ルディはマチ針を手にした。それを分厚い唇でペロリと舐めてから、いきなり由紀のヌラヌラと光る白い臀丘に突き刺した。
ブスリという音がしそうなむごい刺し方だ。同時に由紀の腸管に呑みこまされている玉子型バイブレーターのスイッチが入れられた。
「きいいッ……きッ、ひい……」
由紀の唇に絶叫がほとばしった。ガクン、ガクンと由紀の腰がはねあがる。
ルディはゲラゲラ笑った。黒い腰をゆすって由紀を突きあげながら、マチ針を抜き、また白い臀丘にブスリと刺す。
「きいッ、きッ……いっそ殺してえッ」
「ソウダ、ソウヤッテナクンダ、フフフ」
「いやあッ……あ、きいいッ……」
刺しては抜かれ、また刺されるマチ針。ドクドクと流入するグリセリン液と玉子型バイブの振動。そしてグリグリとえぐるまでに女の最奥を突きあげてくる長大な肉塊。由紀はもう、号泣に似た悲鳴をあげ、それをひきつらせながら、狂乱状態のなかにのたうっていた。
「す、すごい……」
竜二は思わずゴクリと喉を鳴らして、すさまじい光景に見入っていた。
梅島もとりつかれたように見入る。麗香とまゆみを犯している李や赤沢でさえ、思わず気を呑まれたように見入るのだった。見入っている間にも、
「きいッ……ひッ、ひいッ」
由紀は喉を絞って、たてつづけに昇りつめる風情だった。本当ならとっくに気を失っているだろう。
いや、由紀は何度も気を失いながらも、マチ針を突き刺される苦痛に、いやでも失神を許されない。
本当に肉の地獄だった。その地獄の果てに、人工受精による妊娠実験という、さらなる地獄が待ちうけていることを、まだ由紀は知らなかった。
「ひいいッ……きッ、きいッ……」
汗にヌラヌラと光る由紀の裸身がはねあがり、ブルブルと痙攣を見せて絶頂を迎えた。
白い肉だけが、玉の汗をあたりに飛び散らせて、のたうつだけになっていた。
「マダダ、ユキッ」
ルディが獣のように吠えた。